完全試合

ぶうん、とオリックスの杉本が三回目の空振りをしたその時、私は思わず手を叩いた。うわあ、やったあ、とは当然ながら思った。だけどもそれと同時に、見てしまった、とも思った。畏れ多くも、野球の神様の力をまじまじと見てしまった気がして、背筋が自然と伸びた。

並の投球ではない。神の投球である。プロ野球に、並の投手等いない。プロ野球の投手である以上、洩れなく選ばれた投手である。しかし今日の佐々木朗希は、その中でも更に選ばれた、神秘的な投手であった。野球の神様が、今日の佐々木朗希には完全に乗り移っていた。

私は阪神ファンであるが、何やら試合中インターネットがやけに騒がしいので、見るに堪えない阪神戦の中継を今日は途中で放ったらかして、ロッテ戦をテレビに流した。これが正解だった。解説をしていた有藤通世氏は、「次も完全試合を期待している」と云った。私もこれには同感だ。私はロッテや佐々木には詳しくないが、また次も同じ様な投球内容を期待させる様な、そんな投球であった。次回には難しいかもしれなくても、またいつかとんでもない事をやってくれる気がしてならない。

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