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効率の良い勉強法


学習塾をやっているんですが、この仕事をしているとよく聞かれるんですよね。
「どうやったらすぐに覚えられるか?」
「効率の良い勉強方法は何か?」

私は思うんです。

一番効率の良い勉強法は、一番効率の悪い勉強法の中にあると。

謎かけみたいですね。
でもそうだと思うんです。

私が推奨している勉強法は例えばこんな感じです。
数学⇒1問1問確実に理解しながら進むこと。ちょっとでも分からないところ、不安なところは徹底的に追及し「完全に分かった!」にすること。

英語⇒穴埋め問題だろうが、書き換え問題だろうが、長文問題だろうが、問題文に関係なく、全部を訳して文の構造を理解しながら進めること。

こういう勉強方法を提案すると、大体引かれるんですよね。

理由⇒めんどくさいから。

でもこれは実際に私がやっていた勉強法です。

私は答えや解説を見ないで自力で調べました。
どうしても解けない、完全に手詰まりを起こした時だけ解説を見ました。
でも、今まで時間をかけて調べてきたプライド?があるからでしょうか。
「これはこうだよ」
と丁寧に書かれた解説を見ても、
「え?なんでこれがこうなるの?」
「ここでこの公式使うのなんて理屈に合わないじゃん!」
「こんな言葉の使い方なんて見たこともないし」
と、解説に食ってかかっていました。本とけんかしていたんですね(笑)

それで、自分が疑問に思ったことは鵜吞みにせず、「解説が間違っているんじゃないか?」という勢いで、疑問に思ったことを調べ上げました。その結果、
「あーなるほど」
と解説に納得することが多かったですが、
「それじゃあ、こういう解き方もあるんじゃない?」と思い、解説とは全く違う解き方で正解に行き着くこともありました。

1つ1つのスピードは本当にゆっくりしか進みません。
たった1問に4時間かけたこともありました。

数学だったら、今の問題を解くのに関係がない公式や定理まで調べたりすることもありました。解き方が分からないから、それっぽいところを全部調べるんです。
それだけじゃ解けない場合もたくさんあるので、教科書や参考書を何度も見返すことにもなりました。

英語も、例えば4択問題だったら、選択肢の4語の意味が分かれば何となく正解できるのに、文の構造を知るため、言葉の意味を知るために、それ以外の単語まで調べたり、文法を調べたりしました。

その1問を解くための行為としては、間違いなく効率の悪い勉強法です。
しかし、1問1問を解くのに、何度も教科書・参考書を見返し、苦労して確実に覚えていくので忘れることも少ないです。

「1問」を解くだけのことを考えれば無駄とも言える様々な調べたことが、次の問題、その次の問題で必ず役に立つ時が出てくるのです。
それがたくさん積み重なったらどうでしょう?
「あ、これ、前に出てきたやつだ」
というのが増えてきて、1度も見たことがない問題のはずなのに、解き方が分かるようになります。

今まで完全に理解してきたことの中に、その問題を解く方法があるのです。

そうすると、もう分かっていることなので、改めて練習しなくても良い問題が増えてきます。
その頃になるとその分野の全体像が見えたように感じてきます。
そして、多少の応用問題では揺るがない知識が手に入っています。
それが頭に定着して「感覚」となるのです。
これは勉強に限らず、あらゆる分野で同じことが言えると思います。

効率の良い最短ルート進むことは、その周辺の情報を見逃すことになります。
ちょっと寄り道すればきれいな花が咲いているところもあります。おいしい食べ物を売っているところもあるかもしれません。そういうところを見逃して1本の国道をまっすぐ進んで行く。それでは街の良いところも、悪いところも何もわかりませんよね。
それと同じです。

「効率の良い勉強方法」
それは、効率の悪い勉強方法の中にある。

私はそう思います。

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