見出し画像

夏バテがひどいと思っていたら、うつ病だった

 今年の夏は暑かったですね。みなさまお疲れではありませんか。

 何年も前の話ですが、次のような状態が続いて「ひどい夏バテになってしまった」と思ったんです。

・とにかく疲労感が半端ではなくて気分が下がりっぱなし。
・食欲が落ちて栄養が十分に取れない。痩せてくるし、体力も落ちてますますだるくなるという悪循環。
・夜眠れなくて疲れがたまる一方。
・思考力や集中力もダウン。頭が回らなくていろいろとミスをやらかすし、本やテレビを見ていても全然内容が頭に入ってこない。音楽を聴くのが好きなはずだったのに、ほんの3分くらいの小品さえ聴き通すのが疲れる。
・なんだかもう、何をしても楽しくない。というか、何かをしようという意欲もなくなって寝てばかり。

 でも、秋になって涼しくなったらきっと治るだろうと思っていました。

 ところがある日、特にこれといった理由もないのに涙がポロポロ出て止まらなくなりました。
 感情のコントロールがおかしくなるに至って、さすがに家族から「これは単なる夏バテではない」と指摘されて精神科に行くことに。そこで私はようやく自分がうつ病だったことがわかったのです。

 上記はすべてうつ病の症状ですが、けっこう夏バテと区別しにくいですよね。疲労感や食欲不振は夏バテでも起こりますし、寝苦しくて睡眠不足になるのも夏にはよくあることです。でも、理由もなく泣く、なんてことは夏バテでは説明がつきません。
 人によって出る症状はさまざま。これらの他、不安感や焦り、めまい、便秘や下痢、自殺願望などいろいろな症状があるそうです。
 そういえば私は首こりや腰痛にも悩まされていました。体の痛みもうつ病の症状のひとつ。とはいえ、中高年になればどこか痛いところのひとつやふたつあってもおかしくありません。半分は歳のせいかな、とも思います。
 また、倦怠感など、更年期からくる不調と重なるところもあります。
 このように、うつ病はなかなか自覚しにくい病気なのです。

 うつ病は、ストレスなどの要因によって脳の機能が低下することで起こるといわれています。私にも思い当たる原因がありました。
 ちなみに、私には当てはまりませんが、冷房の使い過ぎや冷たい食品のとり過ぎで体が冷えた結果、自律神経が乱れてうつ病になることもあるらしいです。この季節特有の「夏季うつ」についてはこちらのnoteで知りました。こういうこともあるのだと覚えておきたいと思います。

 私が精神科医からまず指示されたのは、ストレスの原因から離れて休養を取ること。心身疲れ果て、自律神経も乱れきっていますから、周囲の理解と協力を得て回復を図ります。
 その上で、症状に応じて薬が処方されます。しかしながら、あくまでも治療の主軸は生活指導でした。3食しっかり食べる、お菓子やカフェイン、アルコールを控える、なるべく午前中の早い時間に日光に当たる‥など。精神の安定に必要なセロトニンを増やすための習慣を少しずつ教えてもらいました。これらはうつ病が治った後もこころの健康維持に役に立っています。
 これに加え(私は適用になりませんでしたが)、認知行動療法などの精神療法が行われることもあるそうです。

 うつ病の治療では、良くなったり後戻りしたりを繰り返しながら、回復に数ヶ月単位の時間がかかります。
 私の場合、抑うつ状態は割と早く良くなったのですが、睡眠障害が長引いて1年以上通院しました。抗うつ剤や睡眠薬の中には服用量を少しずつ減らしていかなければならないものもあり、完全に薬を飲まなくて済むようになるまでには長い期間かかります。

 このような目に遭わないよう、みなさまもメンタルヘルスにはご留意ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?