「選」ばれた歌、「選」ばれなかった歌(2024年2月号)
短歌結社の会報誌に毎月短歌を投稿している。10首まで投稿できて、採用は5首前後の人が多い。歌はその歌が選ばれる「選」もフィードバックの一つ。何が選ばれて、何が選ばれなかったか、その基準を自分で考えることで歌を見直すことができる。手書きの投稿という面倒さも受け入れて、毎月送っている。
今月は7首採用。
(後ろの鍵外に掲載)
採用された歌(掲載順)
鮮魚店の出張所前で五分間えんがわユッケと対峙している
運転をしない人には「5キロいじょう道なりです」がとてもやさしい
昨晩は泣かせてしまったから今日は彼女の体を求めたりしない
他人から借りて放った賽銭の願いはどこに飛んでいくのか
はじめての医者がやさしく聞いてくれ 理解されなかったこれまでに泣く
元妻の姓の名札を身につけて子の教室に父として立つ
シャワー中浮かんだ言葉なんだっけ? あれさえあればすごい歌人に
選ばれた歌、選ばれなかった歌をみて感じたこと
今回は、選考欄のお尻のほう、鍵外という割と目立つ場所に7首掲載されていました(選考欄の前のほうの鍵外が一番目立つ場所)。7首採用された結果を知っているので、どれも自分なりのシーンを切り取れた気がしていますが、これが3首採用という結果だったら、どれもありがちなシーンに思えたでしょう。
最近、毎日、詠む時間を確保できていないので、今は短歌に対する自信を失っています。もともと自信なんて1mmもなかったですが、うまくなってる、詠むのが楽しい、いい言葉が捻り出せた、という感覚が、今はほとんどありません。昨年末の誕生日にいただいた歌集を手に取ってみようかな。
投稿した歌
(投稿順、日付は詠んだ日、太字は採用歌、矢印は投稿時に推敲したもの)
10/24火
秋だってサンダルがいい楽だから 電車で靴に踏まれるまでは
→秋だってサンダルがいい、楽だから 電車で靴に踏まれるまでは
10/6金
鮮魚店の出張所前で五分間えんがわユッケと対峙している
10/15日
運転をしない人には「5キロいじょう道なりです」がとてもやさしい
10/9月
昨晩は泣かせてしまったから今日は彼女の体を求めたりしない
10/3火
他人から借りて放った賽銭の願いはどこに飛んでいくのか?
→他人から借りて放った賽銭の願いはどこに飛んでいくのか
10/10火
はじめての医者がやさしく聞いてくれ 理解されなかったこれまでに泣く
10/27金
元妻の姓の名札を身に付けて子の教室に父として立つ
→元妻の姓の名札を身につけて子の教室に父として立つ
10/22日
インスタのハイボールの色美しく禁酒の願い遠のいてゆく
10/16月
シャワー中浮かんだ言葉なんだっけ? あれさえあればすごい歌人に
10/11水
封をした後に言葉が降りてくる 苦虫を食み月詠投函
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