今月もひとり歌会（2023年4月）

月が終わると、毎日詠んだ歌を整理する「ひとり歌会」。
誰のフィードバックも得ず、詠んだ歌を見ながら一人、仕事や生活をふりかえる。

近況

4月はほんとに歌が詠めなかった。ちょっとした気づきや、生活の断面を歌にするはずなのに、生活をしていて、心が何も反応しなかった。4月30日に、一か月のメモをむりやり定型にしただけ。よくあることではあるんだけど、今月は特にひどかった。この中から10個選んで、推敲して、10首を短歌会に送らないといけない。

初めて、リアルな歌会に参加できたことが、歌についての一つ、確固たる経験になったことがよかった。

今月の歌（30首）

4/1土
子といても血糖値スパイク襲いきて息子の前でうつぶせになる
4/2日
子の年が二桁になる前日に一緒にいれる　死んだっていい
4/3月
新上司とちょっと緊張挟みつつ話した後は　酒が飲みたい
4/4火
明日の昼　初めて歌会に伺います　責められる画が浮かび吐きそう　
（「塔」短歌会5/20締切投稿②）
4/5水
産声を聞いた病院の隣のとんかつ屋さんの暖簾の変化
4/6木
がんばった翌日はずっと家にいて進まぬ仕事をずっとにらんで
4/7金
歌会の余韻が体の底にいて言葉にいちいち理由求める
（「塔」短歌会5/20締切投稿④）
4/8土
十歳の子と同じ漫画を読み合って友だちとしての時間流れる
4/9日
「話しましょう」そう言われたる25時　僕は布団で返事を打った
（「塔」短歌会5/20締切投稿③）
4/10月
一年間書き続けたる六十万の文字を重ねて　成長はゼロ
4/11火
酩酊し四ツ谷を離れ上野まで酔いを抜いてく苦行と呼んで
（「塔」短歌会5/20締切投稿⑤）
4/12水
誰彼のタイムラインの日常が刺激的だから今日も家を出ず
4/13木
副業の仕事を受けて眠い夜　丑三つ時のコーヒーはポーズ
4/14金
disりたい気持ちをおさえTwitter閉じて開いて日に数十度
4/15土
肩掴む　息子の肉の厚み知り　やっと自分の老い受け入れる
4/16日
外に出ずただ書くばかりの毎日で半畳だけの暮らしに満足
4/17月
大皿に盛られたかた焼きそばのような固い絡まる仕事が眼前
→大皿に盛られたかた焼きそばのような固く絡まる仕事が眼前
（「塔」短歌会5/20締切投稿⑥）
4/18火
さあやるぞ！　やる気は今が最高潮　3時間続く打ち合わせ中
4/19水
受け取った血液検査が満点で　卵を乗せた丼を食む
（「塔」短歌会5/20締切投稿⑦）
4/20木
ブームならいつかは去って、繰り返す　次のブームは歌人と名乗りたい
4/21金
やりきった翌日はちょっとホッとして何にも仕事をしませんでした
4/22土
想定の年齢に手が届かないおもちゃ買う時、棄てる気で払う
4/23日
出遅れたつつじ祭りはしなびれて　脳内に見る盛りのつつじ
（「塔」短歌会5/20締切投稿⑧）
4/24月
スーパーに卵がなくてコンビニで卵を手に取る　節約の中
4/25火
夜に本が読みにくくなる年になる　ほしい知識の山頂見えず
4/26水
酒の力を借りねばまぶたが閉じれない　布団から出てコンビニに行く
4/27木
連休が近づいてくるお仕事も一度区切って5月に放る
→連休が近づいてくる　お仕事も一度区切って5月に放る
（「塔」短歌会5/20締切投稿⑨）
4/28金
スーパーに並ぶ「うるいとこごみ」あり　エアコンのような名前と思う
→スーパーに並ぶ「うるい」と「こごみ」あり　エアコンのような名前と思う
（「塔」短歌会5/20締切投稿①）
4/29土
息子との一緒の時間代えがたく　時間を削るとはけして言わない
4/30日
あんなにもがんばったのに歌だけは詠めなかったから四月を憎む
（「塔」短歌会5/20締切投稿⑩）