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効果測定の罠:マーケティング施策を上司と議論する時の5つのポイント #マープス

無料のオンラインマーケティング講座、今回は、2月からはじまった連続講義シリーズ13回の最終回「効果測定の罠」です(他の講座も続々と開催されています)。

マーケティング施策は、すぐに効果が出るわけでもなく、すべての数字を取得できません。
(デジタル施策が増えたので、すべて数字が取得できるように錯覚する人もいるでしょうけど)

結局、上司や組織と、どう筋のいい議論を、マーケティングの共通言語を使って実施していくか? が非常に大事になります。

実施した施策がうまくいったのか評価するために、効果測定しますが、「何を改善しているか」をおさえておかなければ、何を計測すればいいかわからないはずです。

目的をおさえ、効果測定ができていなければ、マーケティングや営業などの現場ががんばっていないと思われてしまいます。

しかし「マーケティング施策による売上の効果を正確に測定することは不可能」というのが今回の主張です。

例えば、購入時にどのくらい想起されるか、といった重要な事実は、消費者の頭の中を見ること、つまり、アンケートを取るくらいしか方法がありません。予算の都合で、アンケートを取れないのであれば、その頭の中をどう想像して、どう頭の中を変えるために行動するか? 上司や組織と議論して納得する必要があります。

MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)

100%は無理でも、分析や効果測定を諦めず、さらに踏み込んで取り組む「MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)」も紹介されました。

エーザイESG、見えない価値の見える化への挑戦

目に見えない価値を見ようとする取り組みとして、エーザイのESG(「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」)例も紹介されました。

測定方法がわからない ▶ 目的を決める(効果測定の罠①)

・「効果」の前に「目的」を問う
・これ一体なんのためにやってるの? をはっきりさせる
 「売上獲得のため」は大雑把すぎる
・測定する方法がわからない →目的がないと方法も探れない
・「そのうち客」は、店頭にも来ていない。消費者の頭の中にしかない
→アンケートしかない(時間かかるじゃん、金かかるじゃん)

⇒ 「そのうち客」の育成は必要だから、測定はできないけど、施策をやるんだ! という人が組織にいるかどうか?…

モヤモヤが解消されない ▶ KGIとKPIを分ける(効果測定の罠②)

・何のためのPR?(KGI:Key Goal Indicator)想起率向上、好意度向上?

・モヤモヤしてるのは、KPI:Key Peformance Indicator(露出記事本数、想定リーチ数、広告換算値、記事の認知度/評判、口コミ数)しか見てないんじゃね?
・KGIを明確にする
・KGIが計測できないからといって、KPIばかり追ってしまって失敗する
・明確にするから、来年は想起集合の3位、再来年は2位を目指しましょう、と言える

費用対効果が悪い ▶ 費用と投資を分ける(効果測定の罠③)

・「費用」は、使い出したら効果が出ること。やめたら出なくなること
(CPM、CPC、CPA、CPI、…は、どれもCost Per )
・「投資」は、すぐに効果が出ないが、お金の投下をやめても効果が残るもの
・販促はP/L的、ブランディングはB/S的
・12か月なんて「そのうち客」のマーケティング施策にとっては短すぎる。行動変容なんてすぐに起きない
・日立、広告出稿をやめても、テレビCMの印象は残っている。これは投資。テレビCMは、P/Lだけではやれない
・市場に対して働きかけて、売上を獲得するのは、費用(Web広告)
・会社名・サービス名で検索して、直接来てくれるような施策は、投資
・認知調査は意味がない。
 →純粋想起、想起集合に入っているかを確認すべき

「売り」につながっているかわからない ▶ 売上をゴールにしない(効果測定の罠④)

(そもそもKGI設定が間違っている)

・売上につながってないんじゃない?
・売上に至る変数が多すぎる。一つの施策の効果は正確にはわからない
(SNSでバズった/売り場が取れた/CMの評判がよかった/レビューが高評価/インフルエンサーの投稿があった/新規性があった/競合が弱かった)
・マーケティング施策として、「売上につながってんの?」という荒い問いは意味がない。解像度が低すぎる
・「売上」を引っ張り上げる一本の線はない。いろんな施策のベクトルの大きさと向きの総和が、売上につながる。さらに競合のベクトルが逆に働いていれば、売上も落ちる
・売上の手前の(目的として)KGIを考える →アンケート調査しないとわからない
・KGIとれないから、KPIばかり追ってしまって、失敗する
・議論してKGIを決める(KGIと相関のある【KPI】 → 売上と相関のある【KGI】 → 経営全体のKGIである【売上】)

施策が効いていない! ▶ 診断と処方を一致させる(効果測定の罠⑤)

・診断と処方があっているか?
・好意度を上げるためにやってるので、売上にはつながりませんよ、をちゃんと上司と合意しておく
・どの施策が、どれに効いているか? を意識する
・この施策はこっちはできるけど、これには効きませんよ をはっきりさせる

まとめ

・効果測定の前に目的を問う
・KGIとKPIを分ける
・費用と投資を分ける
・売上を効果測定指標にしない
・診断と処方を一致させる
・唯一無二の正解はない

提出義務のない宿題

自分が書いた「買い物日記」を見ながら、「すぐに効いて、買った施策」と、じわじわ効いて、数か月後や数年後や数年後に買った施策」を分類してみよう

※費用対効果と投資対効果の違いと、KGIや測定期間を分けて考えるべき理由がよくわかるはずです

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