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競合他社のセミナー参加を許す? 怖がるか、共に歩くか。

「競合他社のご参加はご遠慮ください」というセミナーをよく見かけます。

うちの会社はたぶん(あまり)やってないと思いますが、自社開催のセミナー、あるいは他の会社のセミナーで「競合をお断り」をしている場合も、それぞれに理由があるので、それについて、あーだこーだ言うつもりはありません。


ただ、セミナー主催の組織と一緒に何かできないだろうか考えたくて申し込んだセミナーが、何の理由にも触れられず「競合はお断りします」との一文だけで断られるのは悲しいですし、過去に勤めた会社で、運営側として、競合チェックをし、大した理由もなく参加者から除外をして、セミナーを開催したこともあります。

繰り返しになりますが、批難したいわけではなく、一般論として、競合排除する/しない理由を考えたいと思います。

競合他社の参加を断る理由

正当な理由としては、リアルな空間、オンサイトのイベントで、会場に限りがある場合があります。多人数の場合は、オンラインでもありますね。定員になったから断るということはあるでしょう。それに類する理由として、お客様になりうる企業の方に参加してほしくて、あなたの申し込みは早かったけど(競合他社)、今回はこちらの方(お客様候補)に参加いただきたいです、という場合もあるでしょう。参加人数に限りがある場合に、情報収集のために同業他社が集中しやすそうなセミナーでは、最初から同業他社を断っておくことも考えられます。

オンラインの場合にも、正当な理由はあります。一部のお客様に向けて、機密情報を扱うセミナーでは、競合他社を除くだけでなく、限られた方に参加をお願いするでしょうし、セミナーの中で同業他社に知られては困る営業情報を扱う場合もお断りするしかないこともあるでしょう(案内を制限したつもりでも、たまたま申込ページに気づかれた方からの申し込みがある場合はあります)。

他にも、ある種のソフト、例えば、会計ソフトAを紹介するセミナーを開催する時、同業の会計ソフトBを扱う企業の参加を許すと、すでにソフトBを利用しているお客様は、そのセミナーに参加していることがわかった場合、「乗り換えるつもり?」と勘繰られたりすることも想像できます。参加者の顔が見えるセミナーでは、競合を排除して開催したほうが、参加者に安心いただける場合もあるでしょう。


では、製品・サービスに限らない問題解決型のセミナーで、秘密の営業情報に触れない、定員に余裕がある場合はどうでしょう?

その他に競合の参加をお断りする理由

競合排除の理由には、どんな理由があるでしょうか。

一般的に考えられることは、「手の内を同業他社に明かしたくない」という理由があるでしょう。どんな戦略で、製品・サービスを売ろうとしているのかを同じ製品・サービスを扱う同業他社に知られたくない

同じような理由ですが、独特な技術、独特な解決手段を提供している場合、それを他社に見られたくない。真似されると困るということはあるでしょう。

でも、情報共有や啓発を目的とするセミナーで、他社に真似されると困る、特殊なことを紹介していることが本当にあるのでしょうか? おそらく、IT系のコミュニティなら、コミュニティ内で、もっと詳しく、特殊な技術や使い方の紹介していることがあるんじゃないでしょうか。果たして、他社を追い出してまで、セミナーをやる意味はあるでしょうか。

競合他社の参加を許可した場合

競合他社の参加を許可すると、どんなことがありそうですか。

同業他社にやってることを知ってもらえば、一緒に市場を盛り上げる方法を考えてくれるかもしれません。「今は、開発のリソースがなくて、できない」「営業が少なくて、販売できない」と正直に話した場合、「あ、それなら、うちができます!」と言ってもらえれば、一緒に、市場を開拓できるでしょう。

セミナーの発表がとても上手くいった場合、見せ方を知った他社は、その発表を真似して、市場全体を盛り上げ、市場全体の売上を伸ばしてくれるかもしれません。

逆に下手な伝え方をしているなら、適切なフィードバックを与えてくれるかもしれません。同じ領域の専門家が見ることで、誤りを指摘してくれるかもしれません。そうなれば、誤解したまま進める危険性を減らせます。

まとめ

セミナーは「競合他社を排除して行うものだから」と思考停止しているだけであれば、もう一度考え直して、競合他社にもセミナーに参加いただいてはどうでしょう。

セミナーを開催する時に言いたいことは、

・どうせやってることは似たり寄ったり。競合他社も受け入れよう
・手の内を見せることで、一緒に市場を盛り上げる機会を探ることができる
・専門家による適切なフィードバック、するどい質問で、問題点に気づくことができる

次のセミナーから競合他社の参加者を受け入れてみませんか?

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