『プロダクトマネージャーのしごと』レビュー:実践ガイドの必読ポイント
今日は、翻訳レビューに参加させていただいた『プロダクトマネージャーのしごと』についてご紹介いたします。
読者想定
プロダクト開発、サービス開発に関わっていて、ビジネスのゴール、ユーザーニーズをつなぎ、その実現のために働く人、必見の本です。特に、専門書、難しい言葉が多い分厚いビジネス書を読むことが苦手な人も気軽に読めます。
この本は、どんなプロダクトマネージャーとしての経験をしてきた人でも、
新たなプロジェクトに参加する初日を迎えるにあたっては、読み直したほうがいい本です。
本の内容
本書を通じて「どんな状況でも、正解は一つじゃない。文脈、文化によって、正解が変わることを忘れるな!」というメッセージを感じます。昨日の正解は、今日の正解じゃないことを思い出させてくれます。
「フレームワークやベストプラクティスは有用なフィクションで、鵜呑みしない」それを理解することからもう一度プロダクトマネジメントについて考えることができるはずです。
どんな素敵なフレームワークもそれを鵜呑みしないことから始めた上で、
「何のための問題解決なのか?」
「今のチームではどうなのか?」
という問いを自分たちに向けていきます。
「すぐれたプロダクトマネージャーのプロフィール/悪いプロダクトマネージャーのプロフィール」なんて項目もあります。さまざまなシチュエーションを提示される中、自分が身に付けてきたもので、何を疑えばいいのか、気づかせてくれるでしょう。
よく見かける以下の質問にも答えています。
・プロダクトマネージャー、プロダクトオーナーの違い
・技術者と向き合うには、ハードスキル(技術スキル)は必要か
結局、ググってわかる以上の役割説明は、組織やチームの状況で答えが違うということです。少なくとも、プロダクトを実装するのが、マネージャーではないのであれば、実現するチーム、チームメンバーに常に好奇心を持って取り組むしかありません。コミュニケーション、組織化、リサーチなどのソフトスキルに向き合うのと同様、技術に対して、拒否しないようにしましょう。
この本が優れている点
構成がよいです。テーマごとにチェックリストあります。
例えば、3章「好奇心をあらわにする」には、こんなことが書かれています。「なぜ?」という質問が、原因追及を強める語として働くことがありますよね? 相手が状況を正しく伝えてくれる工夫が必要ですよね。
同様に、他の章からも少し抜き出してみると…
絶対に、ハッとするチェック項目が見つかるはずです。
さらに、この本のいいところ
これを読んで、もっと、他人の経験やスキル、主張の背景を知りたければ、
「付録」実践のための読書リストがあります。
対象読者と、書籍の内容がほんの数行、コンパクトにまとめられています。
対象読者には、「職務の網羅的なガイドを探している人向け」「顧客やステークホルダーとの信頼関係構築の実行戦略を探している人」といったことが書かれているので、自分に必要な本がすぐにわかるはずです。今後の学習のガイドとしても十分です。
秋の夜長、読書のお供にどうぞ。