「選」ばれた歌、「選」ばれなかった歌(2024年9月号)
短歌結社の会報誌に毎月短歌を投稿している。10首まで投稿できて、採用は5首前後の人が多い。短歌はその歌が選ばれる「選」もフィードバックの一つ。何が選ばれて何が選ばれなかったか、その基準を自分で考えることで歌を見直すことができる。手書きの投稿という面倒さも受け入れて、毎月送っている。
今月は6首採用。
巻末の「選歌欄評」に7月号の歌が取り上げられていた掲載されていた。
完璧な人はいぬもの そうであれ 比べちゃならぬ元妻と妻
コメントいただいている通り、短歌というより、処世訓になっているけど、言いたいことは伝わった様子。
採用された歌(掲載順)
赤札を配る日 お大師様近く 初めて友に妻紹介す
妻は溜めこみ私は忘れる出来事が週末ギャップとして露見する
亡くなった翌日父の冷たさに手を引っこめたこと今悔やむ
酒飲まぬ人にも優しい世の中で酒を愛する詩人を愛す
倍詠めばいい歌に出会う回数も倍になる僕の計算上は
三十年前、博多の寮で聴いていたスキッド・ロウを浅草で聴く
選ばれた歌、選ばれなかった歌をみて感じたこと
いわゆる詩情があって、短歌として成立してそうなものが、取られた感じ。取られなかったものも、推敲して、短歌らしい、歌らしい感じが出せれば、もう少し取っていただいたのかも。逆に取っていただいたものも、もっと推敲しようはありそう。「詩」の心が足りない。「詩」を摂取していこう。
投稿した歌
(投稿順、日付は詠んだ日、太字は採用歌、矢印は投稿時に推敲したもの)
5/18土
赤札を配る日 お大師様ちかく 初めて友に妻紹介す
→赤札を配る日 お大師様近く 初めて友に妻紹介す
5/10金
妻は溜めこみ私は忘れる出来事が週末ギャップとして露見する
5/29水
父が死に半年経つも 夢の中 父はあらわれ、朝、しんみりす
→父が死に半年経つも夢の中 父はあらわれ、朝、しんみりす
5/17金
亡くなった次の日父の冷たさに手を引っこめたことを悔やみつ
→亡くなった翌日父の冷たさに手を引っこめたこと今悔やむ
5/11土
別居する子との面会の集大成に富士登山を置く私の人生
→別居する子との面会の集大成に富士登山を置く我の人生
5/4土
酒飲まぬ人にも優しい世の中で酒を愛する詩人を愛す
5/27月
日本人の心にこすられた和歌を今日は味合う「百人一首の日」
4/17水
倍詠めばいいものになる歌の数は倍になる僕の計算上は
→倍詠めばいい歌に出会う回数も倍になる僕の計算上は
5/31金
三十年前、井尻の寮で聴いていたスキッドロウを浅草で聴く
→三十年前、博多の寮で聴いていたスキッド・ロウを浅草で聴く
5/31金
禁煙の宣言をして火をつけるようにダイエットと言いて大盛り
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