「選」ばれた歌、「選」ばれなかった歌(2023年12月号)
短歌結社の会報誌に毎月短歌を投稿している。10首まで投稿できて、採用は5首前後の人が多い。歌はその歌が選ばれる「選」もフィードバックの一つ。何が選ばれて、何が選ばれなかったか、その基準を自分で考えることで歌を見直すことができる。手書きの投稿という面倒さも受け入れて、毎月送っている。
今月は4首採用。
採用された歌(掲載順)
傘といえば雨に差すものではなくて陽に差すものに変わる日がくる
「風ぬるい」「月細い」「ツリーぴかぴか」暑さで大人も二語文になる
自分だけ止まった世界にいるみたい 5億年ボタン押して二日目
起床時に「つかれた…」と言ってしまう睡眠は何を回復してくれるのか
選ばれた歌、選ばれなかった歌をみて感じたこと
選ばれなかったものは、普通のシチュエーションに、普通の散文といった感じ。最近、歌が作れないので、並べた文章を三十一音に整えるだけだから、こんな感じのばっかだな。前にも思ったことがあるけど、もう少し、散文にないリズムのものを毎日の中で詠んでおこう。それをベースに月詠の時に、推敲するので、もとが三十一音に整えた散文だと、単語を変えたり、伝わるように順番を変えるだけになってしまう。
投稿した歌
(投稿順、日付は詠んだ日、太字は採用歌、矢印は投稿時に推敲したもの)
8/6日
傘といえば雨に差すものではなくて陽に差すものと言われる日がくる
→傘といえば雨に差すものではなくて陽に差すものに変わる日がくる
8/8火
へそ出しの女性を見ても酷暑なら(暑いもんね)で済ませてしまう
8/20日
「風ぬるい」「月細い」「ツリーぴかぴか」二語文で話す四十七歳
→「風ぬるい」「月細い」「ツリーぴかぴか」暑さで大人も二語文になる
8/18金
行きつけのラーメン屋で「冷やしラーメン」のボタンを押して「大盛り」も押す
→行きつけのラーメン屋で「冷やしラーメン」のボタンを押して「大盛」を押す
8/22火
夜だって息詰まりそうな蒸す空気 涼やかな夏はフィクションにだけ
→夜だって息詰まりそうな蒸す空気 涼やかな夏の夜はフィクション
8/10木
自分だけ止まった世界にいるみたい 5億年ボタン押して二日目
8/31木
起床時に「つかれた…」と言ってしまう睡眠は何を回復してくれるのか
8/15火
だらしない肉のたるみに気がついて今日会うために腕立てをする
8/29火
上司との別れの会でくすぶった気持ちをもらいタバコで燻す
→上司との別れの会でくすぶった気持ちをもらい煙草で燻す
8/14月
自転車が飛び出して来て「事故れ」と呪う やつにも親も子もいるだろう
→クラクション鳴らされて「事故れ」と呪う やつにもあるか親に子に友
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