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クリエイティブになるための読書(15週目)

クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は、無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから選んでいたが、最近は、もっぱら図書館で借りている。返却日が近づいてきたら、ググって調べた短編小説、短編作家、評論家を図書館の図書検索に入れて該当があれば予約する。詩/評論/物語のカテゴリでそれぞれ2作品あるいは3作品を予約する。その他、図書館にめぼしい本があれば、予約した本と合わせて借りている。

当日、読む作品を選んでから読み終わるまで30分弱。最短で10分、最長でも1時間弱。毎日続けることなので、できるだけ時間はかけない。

感想

図書館で借りてきた名詩集(筑摩世界文学大系)がいい。著名な詩人の作品がほどほどの量にまとまっている。いい詩に出会う確率も上がるだろう。実際に、ホイットマンもユゴーも、心に留まる作品に出会えたと思う。

評論

「Gのインテリジェンス(さいとうたかを、佐藤優)」は、『ゴルゴ13』の中の話をフックにして、佐藤優さんが世界情勢の裏側を語っている本。『ゴルゴ13』の話はもちろんフィクションもあるのだけれど、単なる陰謀論と違って、これまでの背景や現実の事実に基づいたものも多く、世界の見通しがよくなる。それに解説がついていることでより理解ができることもある。もう少し、情報を掘り下げ、かみ砕いて理解できれば、世界情勢についてわかった気になれることが増えそう。

バーナード・ショーが難しい。「完全なるワーグナー主義者」は、ワーグナーのこと、曲のことを理解してからじゃないと歯が立たない。世界が広げるのはいいけれど、毎日続ける作業の一環なので、本を読む時間にあまり時間はあり時間はかけたくない。ワーグナーを聴き流しながらWikipediaで曲のページを斜め読みしながら読んだけど、全然理解できなかった。でも、毎日のことなので、そういう日もある、と諦めている。

物語

先週読んでいたアリス・マンロ―やオコナー。二十年、三十年以上前の人種、女性の環境・立場について知ることになった。ちょうど評論で、J・K・ガルブレイスが下層社会にいる移民や白人以外の人種について語っているのを読んで、ちょっと昔の社会について、先週から今週にかけて触れることができたように感じる。もちろん、今の時代にも隠れているだけで、差別的な意識は残っている。作家も評論家もランダムに抽出しているが、まとまった視点をもらえるような偶然もある。アリス・マンロ―やオコナーは、ただ社会に潜む問題だけじゃない、普遍的な個と個の関係、人間についても表現されていてよかった。

ただショートショートとは違う短編小説における、描写の意味がわからないことがある。必要な描写なんだろうけどこの説明はいるのか? このシーンはいるのか? と感じることがよくある。単に私が、人間についての理解が乏しいのかもしれない。こうした描写に意味を見出すことができるようになったら、自分で物語を書くようになるのかもしれない。

あと、今週水曜に図書館に行って借りてきた「志ん生艶ばなし」がいい。物語の枠に、落語を借りてきたのはいいアイデアだった。すごくおもしろい。楽しい。志ん生大好き。

実績

太字は、特に気になったもの、気に入ったもの

2023/6/26(月)
・【詩】中国紀行(「ウイルスちゃん」)暁方ミセイ
・【評論】マティスとロシア/マティスと画商・出版者(「マティスの切り絵と挿絵の世界」)海野弘
・【物語】高く昇って一点へ(オコナー短編集)須山静夫訳

2023/6/27(火)
・【詩】狐が自ら歌った謡「トワトワト」(アイヌ神謡集)

・【評論】下級階層なしには社会は機能しない(J・K・ガルブレイス)
・【物語】エスキモー(「愛の深まり」アリス・マンロ―)

2023/6/28(水)
・【詩】避けられぬ/ひめごと/もっとも秘められたこと(ゲーテ)名詩集(筑摩世界文学大系)
・【評論】『ゴルゴ13』が描く「EU問題」の裏側/いちばん怖い政治家はプーチン大統領(「Gのインテリジェンス(さいとうたかを、佐藤優)」)
・【物語】帰り道/あの子がにがて(「あしたのことば」)森絵都

2023/6/29(木)
・【詩】私は見た、ルイジアナで~/海からの言葉(ホイットマン)名詩集(筑摩世界文学大系)
・【評論】≪ラインの黄金≫/革命家ワーグナー(「完全なるワーグナー主義者」)バーナード・ショー
・【物語】疝気の虫/風呂敷/鈴ふり(「志ん生艶ばなし」)古今亭志ん生

2023/6/30(金)
・【詩】四日の夜の思い出/亡霊の唄(ユゴー)名詩集(筑摩世界文学大系)
・【評論】ヒトラーの著書がドイツでも再販許可/ファシズムを誤解してはいけない/諜報には「守り」と「攻め」の要素がある/情報は「どう分析するか」がすべて(「Gのインテリジェンス(さいとうたかを、佐藤優)」)
・【物語】富田さんへのメール/羽/こりす物語(「あしたのことば」)森絵都

2023/7/1(土) ※来る予定だった息子がうちに来なかったので。
・【詩】「私が死のために立ち止まることはできなかったので」エミリ・ディキンスン詩集 芸術家を魅了した50篇
・【評論】普遍なるものの再演「偶発性・ヘゲモニー・普遍性」(ジュディス・バトラー他
・【物語】たいこ腹/三年目/後生鰻/短命/義眼(「志ん生艶ばなし」)古今亭志ん生

これまで読んだリスト

(誰かが同じことをする時、本を選ぶ参考にどうぞ)


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