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おもしろいゲームが知りたくて、RPGを10作やった話

昔、ゲームを作りたいという思いがあった。
小学校の時、ファミコンの世界では、名人と呼ばれる人が有名だったが、有名人はゲームをする名人だけではなかった。ゲームプログラマーという職業すら小学生は知っていた。ゲームの隠れキャラにプログラマーがいることもあった。
(ハドソンの野沢プログラマー)

プログラマーという響きに憧れがあった。

中学に入り、スーパーファミコンが登場したが、家にスーパーファミコンがなかった私は、段々とゲームから離れていった。ゲームを作りたいなんて思いは忘れていった。

大学生になった。
その頃、私はパチンコを打っていた。
ギャンブルで勝った金は、生活費であろうと簡単に蒸発してしまう。なので、大きく勝ったときには、何か買い物をして、残しておく習慣があった。

ある時、勝った金でスーパーファミコンとプレイステーションを購入した。
いくつかのゲームをやるうちに、ゲームを作りたいという気持ちを思い出した。

ゲームを作るなら、どんなゲームを作りたいんだろう?

自分がおもしろいと思うゲームはどういった形だろう?

そんなことをぼんやり考えるようになった。
しかし、確かにゲームは好きだが、得意というわけではない。
パズルも得意じゃない、シミュレーションも得意じゃない、アクションもまぁ人並みだ。

自分のような人でも他人と比べずに楽しめるゲームって何だろう?

ストーリー重視の日本発のRPGなら、ゆるく楽しんでいられると思った。
きっとストーリーを進め、物語を楽しむRPGという形の先に、自分が好きなゲーム、楽しめるゲームがあると思えた。

ストーリーを楽しむ中に、別の楽しみを盛り込んで、当時よくあったレベル上げなんかのつまらない要素がない、少しの挑戦と、達成感が得られるゲーム… そんなゲームを作ってみたい。

よし、RPGを10作やってみよう!

とりあえず、それくらいやってみれば、自分が求めるゲームの姿が見えると思った。スーパーファミコンとプレイステーションで出ていたゲームで、同じシリーズのゲームは1つにカウントし、10シリーズのRPGをやった。

・スーパーマリオRPG
・ダークキングダム
・MOTHER2
・魍魎戦記MADARA2
・ドラゴンクエストⅤ、Ⅵ
・ファイナルファンタジーⅣ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶ
・アークザラッドⅠ,Ⅱ
・クロノ・トリガー、クロノクロス
・幻想水滸伝Ⅰ、Ⅱ
・ポポロクロイス物語

もう20年以上も前で、ほとんど一回しか遊んでいないので、覚えていないこともあるだろうけど、ちょっとした感想を書いてみる。

<スーパーマリオRPG>
時々、アクションがあったゲーム。スーパーマリオの世界観を壊さず、RPGとして楽しめたと思う。

<ダークキングダム>
主人公が魔王軍という設定。魔王軍なんで、フィールドに出ても敵が出てこない(途中、強めの勇者と出くわしたりする)。
レベルを上げるには、魔王がいる城の地下にある闘技場で延々と代わり映えしない敵を倒さないといけない。つらかった… つらかった記憶はあるが、最後は割とあっさり最後の敵を倒せた気がする。

<MOTHER2>
おもしろかった!
世界観がいい! 細かいことは覚えてないけれど、街を自転車で移動することも、誰かと会話する一つ一つが楽しかった。“あれ”は実世界でも嫌いなので、とにかく逃げまくったな。でっかい生き物がいる地底大陸に着いた時はビックリしたー!

<魍魎戦記MADARA2>
漫画の「MADARA」は大好きだった。設定は、各「MADARA」シリーズからいろんなキャラが混在していて、もうメチャメチャだった気がするけど、戦闘シーンだけはすごくよかった。設定で戦闘シーンの速度を変更できるんだけど、一番早いにすると、もう本当にキャラがリアルに戦っている様を想像ができて楽しかった。

<ドラゴンクエストⅤ、Ⅵ>
言わずとしれたシリーズ。冒険が楽しいと思えた。ドラクエⅤ、ブオーン見た時は、鳥肌立った。

<ファイナルファンタジーⅣ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶ>
こちらも言わずとしれたシリーズ。ちょいちょい泣かされた。
そして、Ⅶは、発売と同時に買った! オープニングの映像は、買った初日は何度も見たね! そこには、私が考えていた姿が見え隠れしていた。ミニゲームが多量にあった。収集する楽しみ(武具、マテリア)もあった。世界観をすごい映像で伝えてくれたことはもちろんだけれど、ストーリーを進めること以外に楽しさ、挑戦、達成感があった。

<アークザラッドⅠ,Ⅱ>
アークザラッドⅡは、私のランキング一位のRPG。レベル上げのための戦闘ではなく、ハンターとして仕事をすれば、世界のことも知れるし、いつの間にか、次のストーリーに必要なレベルも上がっている。図書館で調べ物をすると、じじい(ゴーゲン)のことが書いてあり、世界に歴史があることが伝わってくるゲームだった。空間だけでなく、時間的な広がりを話を進めることで感じられるのはよかった。

<「クロノ・トリガー」「クロノクロス」>
→時間的な広がりを感じるという意味だと、クロノ・トリガーは、ずるい。
 タイムマシンがあるから。しかし、これは本当によくできている。「アークザラッドⅡ」とどちらが一位か悩むところだ。4百年前であることをすると、現代で、こんな変化が起きている。壮大な時間軸を行き来する、世界の真理に触れたような気にさせてくれたし、それすら忘れる冒険がそこにはあった。
 「クロノクロス」は音楽がよかった。 

<幻想水滸伝Ⅰ、Ⅱ>
108人の仲間ができるというだけですごい。それぞれに物語があり、その裏側を想像するだけで楽しい。

<ポポロクロイス物語>
絵本の世界。あのキャラクターが生きる世界観、音楽、キャラ設定、どれもよくできてた。2にあたる「ポポローグ」は、データのロードに時間がかかりすぎ、断念。


10作(シリーズ)やる! と決めると、「面倒な目標立てちまったぜ…」とも思ったけれど、好きなゲーム、いいと思う箇所など気づくことができてよかったと思う。

世界観があって、それを壊さないキャラ設定(ポポロクロイス)、それを補完し、広げる音楽があって(クロノ・トリガー、クロノクロス、ドラクエ、FF)、冒険やゲームのイベントを楽しめて(アーク・ザ・ラッド、FF他)、少しの挑戦と達成感があって(アーク・ザ・ラッド、スーパーマリオRPG)、今までに出会ったことがない表現があって(MOTHER2、MADARA)。

でも、それだけではないし、満点なゲームとはまだ出会っていない。

あれから20年以上経ち、結局、ゲームとはカスリもしない仕事をしているけれど、思い出すと楽しい経験だった。社会人になってほとんどゲームをやらずに過ごしてきたけど、改めてゲームがやりたくなってきたなぁ。

とりあえず、金銭的にお手頃な「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」を買ってみた。たどり着けぬ正解を探す冒険に、もう一度、出てみようかな〜


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