見出し画像

クリエイティブになるための読書(79週目)

今週は「詩」の枠で「歌詞」を読んでみた。以前、毎日読むために詩のストックを増やしたく、詩・詩人を物色した。その中でノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの詞を取り上げたことがあったが、この時は、特に米詩に触れたかったという理由もあったので、他の人の歌詞まで読むことがなかった。

先日、大好きなテレビ番組「EIGHT-JAM」でaikoさんの特集回があった。aikoさんは曲を作る時、必ず詞が先にあるという。その詞を届けるために、メロディを探す、場合によっては当てはめるそうだ。そんな大事にしたい、思い入れのある詞ならば読んでみたいと思った。最近、aikoさんから離れていたので、読んでよかったと思う。詞を音読し、その曲を聴いた後に自動再生された「ボーイフレンド」を聴いて号泣…。いろいろ思い出しました。

今週は金曜日から週末にかけて、お出かけなので、木曜日まで。

※書籍のリンクは、アフィリエイトリンクとなっています。


クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから読んでいた。その後、もっぱら図書館で借りていたのだが、2023年末に引っ越した際、部屋の整理が追い付かず、借りてきた本が売ってしまう本の中に埋もれては困る、と帰省の際に自分の部屋にあった本棚から持ってきて消化していた。今は、自分の本棚にあった本の他、主に、古書店で手に入れた本が中心。

当日、読む作品を選んでから読み終わるまで30分弱。最長でも1時間くらい。毎日続けることなので、できるだけ時間はかけない。

感想

歌詞って、一般の詩よりも、特定の情景や状況が伝わらなくてもいいんですね。詩は、色や形、匂いなど、人にとっての共通のイメージ届けようとするように感じることが多いけれど、歌詞は必ずしもそうじゃない。少なくともaikoさんの詞は。

共通のイメージではなく、聴いた人によって受け取るイメージ、シチュエーション、人間関係が異なるはずだ。短歌であれば「誰の、何を状況を詠んでいるのか伝わらない!」と怒られそう。でも、メロディと一緒に伝えるものだから、複雑な気分が伝わることもある。歌われている今が「幸せ」か「悲しい」かは、詞とともにわかることもある。伝わらないこともある。同じ詞なのに、失恋した人にとっては取り戻せない輝かしい思い出になるし、恋愛が成就した人にはこれから訪れる福音にも感じる。短い時間で、メロディに乗せるという制約はあるものの、俳句や短歌に比べて、あれだけ多くの言葉を尽くしても、特定の場面を説明しきれなくてもいいというのがすごい。多くの人に届けるには、それでもいいんだな。aikoすごい

評論

「評論」ではないけれど、この枠で、今「萬斎でござる」を読んでいる。狂言師の幼少よりの歩み、狂言の歴史、狂言師の矜持、狂言・狂言師の強みといったものを野村萬斎さんの言葉を通じて知ることができる。いつか狂言を見たい。本には演目の紹介もあるので、この本を読了すると、少しは狂言に明るくなれるだろう。狂言に詳しい友人にも相談してみよう。

物語

三島由紀夫の『橋づくし』がよかった。願掛けに女性が夜中の銀座周辺の橋から橋を無言で渡り歩くだけなのに、短い回想を含む4人の女性が歩く場面から目が離せなかった。三島由紀夫もあまり読んだことがない気がする。三島由紀夫も読んでみなくては。

実績

太字は、気になったもの、気に入ったもの

2024/9/16(月)
・【詩】雨がふる/刺殺された鳩と噴水/はがき(アポリネール・堀口大學訳
・狂言師として生きる/狂言師、修行する(「萬斎でござる」)野村萬斎
・【物語】燈籠(「女生徒」)太宰治

2024/9/17(火)
・【詩】クリスマスの夜/落葉を浴びて立つ/鉄を愛す(高村光太郎
・【評論】世界を変えた唇―大矢ちき論(「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ(前篇)」)橋本治
・【物語】辻斬り(「剣客商売(二)」)池波正太郎

2024/9/18(水)
・【歌詞】キラキラ/ストロー/相思相愛(AIKO(詞は大文字表記)
・【エッセイ】ホヤ、胎水の潮の香りによだれ/猛暑に冷や飯、食欲も爆発/秋のくせ者、ギンナン(「食あれば楽あり」)小泉武夫
・【物語】橋づくし(「昭和の名短篇」)三島由紀夫

2024/9/19(木)
・【短歌】佐藤佐太郎(「現代短歌の鑑賞101」)佐藤佐太郎
・香菜軒/ダール/カーマ(「東京カレー食べつくしガイド104/380店」)小野員裕
・【物語】グッド・バイ(太宰治)

これまで読んだリスト

(同じことをしてみたい人のために。本を選ぶ参考にどうぞ)

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。