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おもしろい記事を読んで取り入れよう:ボス戦(ピクミン日記)

仕事の書き物に煮詰まっていた先日、こんなnoteを書いた。

おもしろい記事を読んで、何がおもしろいか、自分ならどう書くか、どういう記事なら同じことができそうか? を考えてみたい。

今回は、こちら。

第9回 ボス戦。 | ピクミン日記

最初の着陸地点の、ふたつ目の洞窟に潜った。
これまでになく深かった。
なにより、ボスがとんでもなく手強かった。
何度もやり直した。そして、勝った。

第9回 ボス戦。 | ピクミン日記

出だしはなんてことない。
次で一気に、お、読んでみようと思わせてくれる。

ボス戦のたのしみを、
あるいは、「ボス戦」というものそれ自体を、
ゲームをプレイしないという人は、
おそらく知らないのだと思う。
それをもったいないとまでは思わないけれど、
そこに生じる喜びや、焦りや、高鳴りは、
ゲーム以外のものでは、
決して味わえない種類のものであるように思う。

第9回 ボス戦。 | ピクミン日記

視点を引き上げる。というか、一旦、ゲームより視点を引く。
そして、ボス戦というものがどういうものか説明がある。

多くの場合、「ボス」への道のりはしばらく静かである。
これまでの戦いがウソのように、
ちょっとした静寂がぽっかりとある。
それはプレイヤーの心拍数を少し上げ、
深夜の眠気を軽々と吹き飛ばす。
そしてついに対面すると、
「ボス」はその外見の異常さでもって
プレイヤーをひるませようとする。

第9回 ボス戦。 | ピクミン日記

そして、ボス戦の特徴についても。

「ボス戦」における最初の快感は、
そいつを倒す攻略法を
理論としてイメージできたときに訪れる。
美しいのは、自分はまったくダメージを食らわず、
相手にわずかでも確実なダメージを与えること。
そのパターンを慎重に何度もくり返せば、
理論上、やつの体力は尽きる。

第9回 ボス戦。 | ピクミン日記

何度目かのリセットを終え、
コントローラーを握る僕は深夜に居住まいを正す。

「今度は、本気で行くよ」と。

第9回 ボス戦。 | ピクミン日記

いいゲームの「ボス」は、
その最後に必ず断末魔の咆哮を轟かせる。
ゲームに流れる時間はその叫びが響く瞬間、堰き止められ、
巨大な蜘蛛は身体を痙攣させて空にその四肢を散らせる。
ごろん、と転がり落ちるご褒美のお宝。

第9回 ボス戦。 | ピクミン日記

ゲームのおもしろさの一つに、ボス戦というものがある。
そのボス戦というものの特徴を、ボスのキャラクターの特徴、登場シーン、攻略方法、倒した後のシーンまで、一つ一つ、丁寧に分析する。それが一つ一つ、あぁそうだ、その通りだ、と感じさせてくれる。論文であれば、もっと細かく、漏れなく、ということになるだろうけど、さらっと、必要十分なボス戦の条件が洗いだされたように感じてしまう。

冒頭のボス戦というものの表現がやっぱり秀逸だ。

ボス戦のたのしみを、
あるいは、「ボス戦」というものそれ自体を、
ゲームをプレイしないという人は、
おそらく知らないのだと思う。
それをもったいないとまでは思わないけれど、
そこに生じる喜びや、焦りや、高鳴りは、
ゲーム以外のものでは、
決して味わえない種類のものであるように思う。

第9回 ボス戦。 | ピクミン日記

仕事で書く記事に取り入れるなら

もし、私の今のあるサービスについて書くならどうだろう?

ネットショッピングのECサイト

例えば、ネットショッピングのECサイトについて書くならどうだろう?

まず視点を引き上げる。
例えば「商品詳細ページ」について取り上げる時、発見・普段意識に上らない事実を書く。
(発見、意識に上らない事実を見つけることが難しいのだけれど)

実店舗と違って、一つの製品が目の前に置かれる。一つのページで、使うシチュエーションまで提案してくれる。普通の商品棚にはないEC独特の感覚を書くかもしれない。

次に、商品詳細ページの一つ一つの要素について、もっと詳細に分析する。
・商品画像はどうか?(もっともよくある利用シーンをメイン画像にする)
・メイン以外のサブ画像について(商品の細部の写真で、安心感をつくる)
・商品情報の紹介文はどうか?(最近の流行を取り入れていること、あるいは定番アイテムであること)
・レビューは?(評価がわかりやすいか。いまいちなコメントもあるか?)
・検索画面やホームに行って、また戻ってくる?
・さて、いざ、カートに入れる時はどうか?

それぞれの場面について、書いた後、実際に買う時の満足感、商品が手元に届くまでの時間をどう過ごすか? について、具体的な経験を書くかもしれない。

サイバーセキュリティ関連サービス

普段、仕事で扱うことが多い、サイバーセキュリティについてはどうだろう?

どういう時にサービスを利用したいか、シーンを書くかもしれない。
インシデントが発生した時、あるいは、同業他社のヒヤッとする事件が起きた時、急に意識するだろう。

お客様の立場になって、

・自分ならどうやって対応するだろう?
・自社のサービスを止めないといけないか?
・お客様にどう説明するのか?
・ログをどうやって確認しよう?
・社内の窓口はどうなっているだろう?

インシデントが起きたお客様に想像させるものなので、ワクワクはさせれないが、緊張感をもって、想像力を刺激して、書く必要があるだろう?

なるべくお客様が想像しやすいシチュエーションを書きたいが、業種・業態・職種によってインシデント発生時に想像する内容はだいぶ異なるだろう。いろんな方にイメージしてもらうには、上司との会話なんかにすると、幅広い方がイメージしやすくなるかもしれない。

まとめ

書く流れについては、こんな感じだろうか。

・一つのテーマ、一つのシーンを取り上げる
・最初に視点を引いて、イメージしやすくする。
・個別の特徴について、具体的にイメージしやすく、説明する。
・充実感、満足感、納得感のある締め

でも、そこには一つ一つに発見や、普段は言語化していない事実があるから、内容がおもしろい。おもしろい記事は簡単には真似れない。記事のおもしろさだけでなく、普段から、身近な発見をストックしておかないと、おもしろい記事は書けそうにない。またやることが見つかってしまった。もっと意識して探して、ストックしていかないと。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。