マガジンのカバー画像

短歌活動

263
詠んだ歌、歌に関すること
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

歌集『カミーユ』で気になった11首

短歌をはじめた2019年、当時評判になっていた現代短歌の歌集の一つとして手に取った。久々に読んでみて、やっぱり解釈がわからない歌が多かったが、気になった歌は当時とあまり変わらなかった。言葉のリズムが特に好きになるものが多くて、空白、読点(、)の使い方も、リズムを生むためにいい働きをしていて、最近の短歌では必須の条件となる、漢字とひらがなのバランスもいい。 気になった短歌について、ちょっとずつ感じたことを書く。 気になった11首母の背泳ぎがうまいというはずなのに、素直に褒め

「選」ばれた歌、「選」ばれなかった歌(2023年3月)

短歌の会報誌に毎月短歌を投稿している。 10首まで投稿できて、採用は5首前後の人が多い。 歌はその歌が選ばれる「選」もフィードバックの一つ。何が選ばれて、何が選ばれなかったか、その基準を自分で考えることで歌を見直すことができる。手書きの投稿という面倒さも受け入れて、毎月送っている。 今月は、6首採用 その他、「1月号の永田和宏選歌欄評」というページに以下の2首が紹介されていました。 離婚して微妙な気持ちになった姓 それは息子の姓でもあって たった一言、子を遠ざけろという

過去に自分が詠んだ歌を推敲してみる

先週「プロフェッショナル」に俵万智さんが登場した。番組のTwitterアカウントで、恋歌を詠んで俵万智さんに大賞を決めていただこう、という企画投稿があった。 テーマについて詠むことに慣れていないが、俵万智先生の目に触れるのであれば、詠んでみたい。うんうん唸っただけど、全然出てこない。そこで過去に詠んだ歌から探すことにした。短歌会の会報誌に取り上げられてもので、いいな、と思うものはあったが、新作がいいだろう。しかし、一年分遡ってもピンとくるものがない。そこで、短歌会に投稿した

嘘なのか嘘じゃないのかわからない表現への戸惑い

toron*さんという方の短歌が好きだ。 自分の生活のはっきりした感触がないと短歌にできない自分とは違って、飛躍した想像や、こんなこと考える人がいるなら、人ってこうも感じそうだよね、という歌に驚かされる。 昨年の誕生日にもらった歌集『イマジナシオン』も大事に読んだ。 好きな歌もたくさんあった。 でも、一首だけ、受け止められない歌があった。その歌のせいで「なんだ全部嘘なのか」と思って一回、歌集を置いた。 たぶん評判もいいであろうこの歌だ。 システム開発の経験がある人な

今月もひとり歌会(2023年2月)

月が終わると、毎日詠んだ歌を整理する「ひとり歌会」。 誰のフィードバックも得ず、詠んだ歌を見ながら一人、仕事や生活をふりかえる。 近況1月は仕事も生活も調子がよかったのに、2月はぜんぜん。短歌も詠めていない。毎日、短歌用に書いているメモも、何でもないことばかりが並ぶ。 以下も、毎日のメモをほぼ定型(三十一音)に納め直したくらいで、短歌会に投稿する前にしっかり推敲をしないとダメだろう。事実をそのまま切り取ることが多いけれど、今月は、いつもより身に覚えがないことも含んでいる。