脳活　脳トレ

風は強いが天気はよい。いつものように河原に散歩に出かけた。帰り道、よく行く本屋に寄った。最近、この書店で（ナンバー）クロスワードというパズルの本をときどき買う。時間を決めて集中してパズルに取り組むことが楽しくもあり、脳のトレーニングにもなるのかと思いながらパズルを解いている。ひなたぼっこばかりしている母には「間違い探し」の本を買おうと思った。

パズルのコーナーには「脳トレ」「脳活」と大きく書かれたパネルとそのパネルの前にはたくさんのパズルの本が幅広く並んでいる。購入する人が多いのだろうか。いろいろありすぎて選ぶのも迷っていた。

その時、私の隣に手押し車が。手押し車に視線を向け、その視線をあげると、80代半ばと思われる白髪で腰が曲がっているおばあちゃんがパズルの本に手を伸ばしていた。

私と同じにようにどの本にするのかと迷っている感じだった。手に取っては、その本を戻し、また違う本を手に取り、また戻す。私も負けじと、本を手に取り、本の中を見ながら戻し、また違う本を手に取った。

無言の二人。おばあちゃんの方が決断力が早かった。手にした本は５冊、その全てをレジに持っていった。私はまだ迷いながら１冊選び、そして母にと、もう１冊選んだ。

先に店を出たおばあちゃんは手押し車に本を乗せ、私の前を、腰を曲げながらゆっくりと交差点に向かっていた。

このおばあちゃんも「脳トレ」「脳活」を意識しているのかな。

＊みんな自分らしく人生を生きている