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カメラOS再挑戦の時代へ

5G、CLOUD、AIの組み合わせによって進化する社会の中で、自分たちの提供価値をどのように再定義するか?が問われています。ハードの時代からソフトの時代を経て、これからは(データドリブンの)コンテンツ時代になることは明らかです。というか、もう始まっている。

例えば、カメラ。これまでは、良いハードさえ作れば、あとはファームウェアのアップデートによって不具合解消をしながら完成度を上げていくことができました。僕が関わったGRでは、それをさらに発展させて、機能拡張ファームを計画的にリリースする取り組みをしました。でも、これはまだソフト時代のモノ作りの延長にあるものです。いわば平成までの考え方。

近い将来、オープンソースでユーザーが育てるプラットフォームデバイスとしてのカメラ=User Generated Cameraが必ず登場すると思います。そして、いま新型コロナウィルスのワクチン開発を世界の学者が共同で取り組んでいるように、カメラのファームは世界中の人が作っていくものになるでしょう。そのためのプラットフォームとしてOSが搭載されます。(PCの世界ではOSすらクラウド上に置かれる時代に向かっていますが)

カメラのOSというと、ある世代以上の人はコダックのDigita OSを思い出すかもしれませんね、ネガティブなイメージと共に。でも、その当時とは社会環境もテクノロジーも価値観もまったく違います。そもそも、Android は当初はデジタルカメラ用の OS だったけど市場が小さいので携帯向けに変えた、とAndroid 生みの親の Andy Rubin が言っています。その点では、カメラと言えるかわかりませんがリコーのTHETAは先駆的です。プログラマーのコミュニティがあり、世界中でプラグインアプリが開発されています。課題もあるのでそのままお手本にはなりませんが、参考にはなるでしょう。

このようなことを言うと、別の記事でも書きましたが「カメラはパソコンやスマホと違う」という声が必ず出ます。昭和のベテラン技術者あたりから特に。ボクもそう考えている部分が全くないわけではありません。最先端が全て良いわけではない。でも、テスラがBMWやトヨタに勝てないと言えないでしょう。ゲームのルールはあっという間に変わります。高性能で操作性の良い商品をこつこつ作るクラフトマンシップを否定するのではなく、その舞台が変わるのです。それならば、他人の作った舞台で踊らされるより、踊りやすい舞台を自分で作った方が楽しいです。

今のカメラ業界で、この取り組みができるのは2社くらいでしょうか。期待して見守りたいです。業界の外から攻め込まれる前に!

以上、技術面含め相当の反論もあるだろうと思いつつ、書いてみました。

おまけ、、、プロダクト以外で今後注力すべきはCRMです。CRMに本気で取り組む会社しか生き残れません。アマゾンで買った商品の付属品を、量販店の店頭で買ったお客さん。WEBの顧客情報に追加登録してもらうナンセンス。なんで、企業のためにお客さんの手を煩わせるのでしょう。ここは、工夫の仕方がいくらでもあるところ。ファン施策のベースになるところです。売ることに比べて、買ってくれた人のケアは後手後手に廻ります。ここは大きなチャンスです。

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