またか…

6月に入り家内の体調も安定したため、ストーマ閉鎖手術の日程が決まりました。手術日はこの年の夏至、月曜でした。
病院の言われるまま最短の日程を受け入れたのですが、入院は前週の金曜のため、何もしないのに週末を病院で過ごさなければならなくなりました。そもそも、本来手術日の2日前の入院になるはずが、病院からの提案をそのまま受けてしまったのは反省でした。

全体的に言えますが、病院からの提案は患者ではなく病院の都合を優先します。そのため、病院の提案をそのまま鵜呑みにするのは要注意です。特にがん治療に至っては、できる限り経験者から体験を聞いたり、ネットや本で最新の情報を入手することが重要です。

入院日が近づくにつれて、家内の心に恐怖が出てきました。縫合不全の症状をほったらかしにされて大変な目にあったため、当然と言えば当然です。
何とかできないかと考えて、あるがんを克服した方に連絡を取ってアドバイスをいただいたところ、以下の内容でした。

「なるようにしかならん」
「今の苦しみも天の采配、恩寵的試練と受け止めて堂々と淡々と克服していけ」

他にいろいろな方のアドバイスを受け、家内の心は立ち直り2回目の入院へ。
そして手術を迎えたのですが、また想定外になるとは…

3回目の手術の立ち会い。
1回目の腹腔鏡手術ではほぼ予定時間通りに終わり、2回目の開腹手術では緊急ではあったものの、比較的短時間でした。
ところが今回はストーマ閉鎖だけなのに妙に時間が長く、予定時間を過ぎても一向にPHSが鳴りません。
心配で問い合わせしようとした矢先、PHSが鳴って執刀医の説明を受けました。

執刀医は開口一番「大変だった」の一言。腸の癒着がひどく開腹手術に切り替え、癒着した部分を丁寧に剥がしたとのことでした。安心できる状況になるのは1週間後とのこと。

「またか…」の心境。

前回手術時と異なり、今回院内ルールが厳しくなったのか病室には入れません。
術後の回復室から病室に戻るエレベーター出口前で待機し、ストレッチャーに乗せられた家内の手を握ることしかできませんでした。
その間1分にも満たず。
がんの転移がなかったのはよかったものの、普通に終わりません。
縫合不全で一時ストーマになったのも想定外でしたが、ストーマ閉鎖にも想定外が付き纏うとは、どこまで家内に試練を与えるのか、この不遇を嘆かずにはいられませんでした。

面会できないので帰宅しようとして思い直しました。ナースステーションの窓口担当に対して、前回のような放置がないように注意してくれと釘を刺しました。
このくらいしかできることがありません。

また試練が続きました。
術後2日後に出血がひどくなり、朝早いため医師はすぐに到着できず、看護師や若手医師では対応が無理な状況になりました。
到着した執刀医が処置したことにより、やっと出血が治りました。

家内のメンタルが心配なので、当時ネットで見つけたフレーズを送りました。

一番苦しいときが
一番成長するとき
乗り越えた先には
新しい自分が
待っている。

少しでも早く乗り越えることを祈るしかありませんでした。

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