不安定なお腹

6月は私たちにとって二つの特別な日があります。28日は私たちの出逢いの日、30日は家内の母が肺がんにより旅立った日です。
21日に手術、28日までに退院できる予定でした。ところが想定外の開腹手術に加えて、術後の大量出血から30日の命日に間に合うか微妙な状態でした。
家内は命日までには何としても帰りたい一心でした。その想いが通じたのか多少回復したこともあり、無理を言って29日に退院しました。

ここまでの経過は次の通りとなります。

・がんの部位は直腸上部
・腹腔鏡手術でリンパ節D3郭清を実施
・がん病巣から肛門方向へ2cm、S字結腸方向へ10cmを切除
・術後4日目に縫合不全により体内に排泄物が漏れ出し、腹膜炎発症
・緊急手術にて腹部を20cm開腹して、ドレーンよる体内洗浄を実施
・イレオストミー形式の一時ストーマを創設
・退院1週間後に病巣の病理診断にてステージは2に確定、経過観察へ
・退院してから3ヶ月後にストーマ閉鎖手術
・腸管癒着がひどく再度開腹手術に切り替え癒着箇所を剥離
・術後二日目大量出血により止血を実施し、入院が長引く

4ヶ月の期間でこんなにも出来事がありました。

退院しても普通の生活ができる、とはなりません。直腸がんでは術後のリスクとして、便を溜める場所が小さくなっているため排便障害があります。
家内の場合は2回も開腹手術をしているため、今後どうなるかは未知数です。食材と量をこれまで以上に注意し、体力回復に向け少しずつ前に進みます。

家内は生活全般に対してかなり注意していましたが、それでも腹部に激痛が発生し、緊急で病院へ搬送したことが退院してからわずか半月で2回ありました。
その後、落ち着いたり痛みがあったり、悩ましい日々が続きました。この時、よく家内は「三歩進んで二歩下がる」と言いました。数日痛みがないかと思ったら、急に痛みが発生したりの繰り返し、それを先の言い回しで表現しました。

ストーマ閉鎖から4ヶ月後、食べる量も増えて体重も増えました。油断していたのか10月28日にまた試練となります。その日は朝から少し食べ過ぎ、午後から縫合不全を発症した時と同じ痛みが襲ってきたのです。
在宅だった私は急いで仕事を切り上げ、病院へ連れて行きました。途中の車の中では吐き気がひどく、病院に着くと歩けなくなり、看護師が来るまで受付のソファーで横になって待ちました。

造影CTの結果では、腸がかなり腫れていたとのこと。ところがトイレで便が出て激痛が落ち着いたため、家内は大丈夫だから帰ろうと思っていたらしいですが、医師はそのまま入院と判断しました。

これで三回目の入院となりました。

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