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審査員

わたしは、オーディション会場で審査員をしている。何のオーディションかと言うと、「犬のきぐるみを着た人達が『犬らしさ』を競う」という内容で、結構な応募者数がいる事に驚いた。そこで優勝した場合、映画なのかドラマなのか、舞台なのかイベントなのか...。いったい、どんなステージが待っているのかは分からない。

体育館のような場所に、満遍なく感覚をとった応募者達が、四つん這いになってスタンバっている。犬種というか、造作も様々で、本物に近い物から手作り感溢れる物、顔出しのマスクもあれば、顔も覆っている者もいた。

「これから審査が始まります」、というアナウンスの直後に、ワルツが流れた。とたんに「吠え始めた犬」と「逃げ回る犬」がいて、わたしは「そ〜だよね〜」、と感心してうなずいた。なかなか見応えのあるオーディションで、審査していることを忘れて、ただ見入っていた。

続いて、なぜか「おやじ」のオーディションが始まる。パンツ一丁のおやじたちがずらりと並んでいる中に、ラクダのシャツにステテコの大地真央もいて、「なんでだろう?」と不思議に思った。

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