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遺伝子研究が明かした古代人類大絶滅の危機

COBRAの2023年9月16日の記事「Situation Update and Thailand Ascension Conference」で紹介された記事「Near-Extinction of Our Human Ancestors Revealed by Genetic Research」を翻訳しました。

※翻訳がお気に召しましたら、記事下部からサポートをお願い致します。

”闇の勢力は90万年前に地球にやってきて、危うく人類を絶滅させるところでした。”

元記事

およそ100万年前の地球上には、世界の人口はわずか数十万人ほどでした。それが約90万年前、なぜか突然劇的に激減し、たったの1300組以下の男女しか残らなかったのです。

嘘みたいな話ですが、こちらが中国とイタリアの遺伝子研究者チームによる最新の科学的主張なのです。一応、ヒトゲノムの進化と過去の人口レベルとの関係についての包括的な歴史的分析をサイエンス誌に発表したばかりの、実績のある科学者たちです。

https://www.science.org/doi/10.1126/science.abq7487

それにしても、人類はほぼ絶滅しかけていたということになる、ショッキングな結果ですね。根拠として、アフリカの10箇所の異なる場所に住む現代人と、それ以外から40箇所、合計3,154人から遺伝情報を収集して分析した結果がこちらなのです。ゲノム配列を解析してみると、わずかな違いが見られます。そのパターンの違いから、大昔の地球上で人類に何が起こったのかを相関的に推測するという手法です。

このような複雑な分析方法を用いて辿り着いた結論。「約93万年前に遠い人類の祖先の繁殖率が99%近くダウンした」こんな説が浮かび上がってきました。その時代を機に、それまで受け継がれてきた遺伝的多様性が一気に欠如したのです。約10万組いたはずの男女の数が、わずか1280組にまで減少したという、とてつもない事態です。その後の約11万7000年間、人類の人口は極端に少ない状態が続きました。それがどういうわけか、81万3千年前ごろから突如として増加に転じたのです!

人類絶滅の危機
この研究を主導したのは中国科学院の研究者イー・スアン・パンとハイペン・リーです。ヒトの遺伝的多様性は他の霊長類よりもはるかに低いのですが、研究者らはこれを、「我々ホモ・サピエンスの祖先に大規模な過疎化現象が起きたことで、我々の遺伝的多様性が劇的に減少した」と考えたのです。

そこで二人の科学者は総数3,154の現代人のデータをコンピューターで統合・解析し、その原因を突き止めようとしました。その結果、我々の遺伝的形質が出現した年代を詳細まで知ることができました。およそ90万年前から100万年前までの間、人類の多様性が極端に減速した時期を突き止めることができたのです。

「大崩壊」が起こったのは、まさにこの時だと思われます。しかしその範囲と影響力は、想像を絶するものでした。

この主張が正しいとすれば、2つの重大な疑問が生じます。
まず、何が原因なのか?そして、人類の祖先はどうやってこの絶滅の危機を乗り越えたのか?

二人の中国人科学者によると、地球規模の天災が関係していたことは間違いないのだそうです。

氷河期や海水温の低下、地球規模の大干ばつなど、古代人類を重大な危機に陥れた厄災があったことが一番の原因として考えられています。

確かに、それ以外に人口をここまで減少させることができる原因は考えにくいものです。

それと、我々ホモ・サピエンスはここにこうして生き残っているわけですから、古代人類もどうにかしてその危機を切り抜けて進化してきたということです。

この研究が画期的と言えるのは、人類の進化について核心に迫る可能性が高いところです。

人類がどのような環境に住んでいて、壊滅的な気候変動をどのように克服してきたのか、ボトルネック式な自然淘汰はヒトの脳の進化を加速させたのかどうかなど、数々の謎を一気に解き明かすチャンスが巡ってきたのかもしれないのです。

その危機的状況がどう改善していったかという疑問につきましては、およそ81万3000年前頃に、急激な人口増加があった事実を受けて、おそらくですが人類は赤道直下に集団移動したのではと考えました。そこなら氷河が到達せず、干ばつや気温変化も他の場所ほどは極端ではなかったと思われます。そこを最後の砦として、人類は生き延びたのです。そうじゃなかったら、暖をとるために常に地下壕に住んでいたか、非常に「火起こし」が上手かったかのどちらかでしょう。

異論を唱える科学者も
画期的な主張ですが、いつものように懐疑的な意見もあります。争点となっているのは、人口低下が地球規模で起きたという謎についてです。

マックス・プランク進化人類学研究所の計算生物学者ジャネット・ケルソの主張では、古代人類の人口の激減は、アフリカの大地でのみ起きていて、他の地域では見られないというのです。

彼女によると、確かに93万年前に人口減少が起きました。しかし、地球上の誰もが経験した事態ではなかったとのことです。これに対して中国人研究者たちの側も、「結論を出すのはもう少し慎重に精査してからにすべき」と回答しています。

絶滅に瀕した時代のヒトの祖先の化石
人類全てが満遍なく激減したというのは短絡的だとの意見も。

イギリスの人類学者クリス・ストリンガーなどはその主張を後押しして「その期間に人類が普通に生活していた証拠は、遺跡が残っている」と意見しています。つまり、人口低下も人類の総人口の一部に起きた局所的な影響だったのでしょうか?

中国人科学者らは「我々の研究はまだ始まったばかり」と強調し「私たちは人類の祖先と進化の謎を解き明かすために、この過渡期を完全に描き出すつもりです」と主張しています。

しかし、謎が完全に解明されることは容易ではないと思われます。人類が絶滅を免れたのは、科学で明かすのは難しい、ほとんど奇跡に近いことです。奇跡が起きたと認めるからこそ、人類は進化という奇跡を起こしたという事実を認められるのです。


UPDATED 1 SEPTEMBER, 2023 - 22:52

By Nathan Falde

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