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日記【 前進ですね!】

日記を、書いては消し、書いては消ししている。
滑り出しはいい。軽く陽気に始められる。
しかし、途中から梅雨入りする。
暗くて湿気た内容になり、ついに土砂災害が起きる。私や読者の中に死者が出る。
まずいまずいまずい、と晴れていたところまで遡って消す。
晴れていたのなんか最初の3行くらいだ。
何も書いてい無いに等しい。

日曜日。カウンセリングに出発する少し前に
死にたい気持ちがたかぶって大変だった。これは、日曜日の日記に書いたと思う。
火曜日。診察だった。
ずっと泣いていた。
カウンセラーさんや先生と話すと、どうしても泣いてしまう。ダムが決壊してしまう。土石流を浴びせてしまって本当に申し訳ない。

今なら死ねる、くらいに気持ちがたかぶった時に、
あーでも掃除してない、掃除しよう、と思った。
何年ぶりだろう、ゴミ袋1つ分だけ掃除して、少し床が見えた。
そう話すと先生は、
「掃除できたのは、前進ですね!」と嬉しそうだった。
前進しまくって綺麗さっぱりになりましたら死ぬんですが。先生。

障害年金の更新が迫ってきたので、診断書を依頼した。
初回は、カウンセラーさんの説得があって、申請をした。
私は病気じゃなくて、死にたいだけ、怠惰なだけなのだ。
そもそも申請なんか通らない。
申請をするのが「私は病気なんです」という甘えな気がして、受け入れられなかった。
しかしいよいよ貯金の底が見えて来て、私の焦りが体に現れるようになった。勝手に体が揺れる。無意識に、どこかしらを動かしてしまう。
お金が無くなるから、カウンセリングの頻度を減らす。
尚のこと不安定になる。

見かねたカウンセラーさんが、
障害年金申請してみようよ、してみるだけでも、と。

果たして、障害年金を受給するに至った。
首の皮一枚繋がったのだ。
安堵したのは、「家族に頼らなくて済む」ことが大きかった。
家族には、なにも相談していない。
お金が無いなんて言わないし、世話になりたくないので
涼しい顔をしてお金を払う。
仕事をやめてだいぶ経つのに貯金は尽きないのか?
家族は怪しむけれど、決して聞かれない。そういう家族だ。
だから、何食わぬ顔をしていないと、傷つくのだ。
助けを求めて無視されるより、助けを求めずに自分で処理する方が、傷つかずに済む。でしょ?

家族は、私が障害者手帳をもっていることを知らない。
障害年金を受給しているなんて尚知らない。
私は健常者だ。働かずにぐだぐだ怠けているだけの健常者。
障害者手帳をもっている、障害年金を受給している
なんて言ったら、家族はどんな顔をするんだろうか。

今回の更新で、私は障害者として認定されるだろうか。
前進しまくって死のうと思っている私だが、
それは障害なんだろうか。性格なんだろうか。
陰キャなだけなら、障害年金など通らない。

先生とは、「病気か性格か」の話を何度となくした。

「私は死にたいと思うような性格なだけで病気じゃないと思う。だから薬を減らして欲しい。少しづつゼロにしたい」

どうよこの患者。もう来るな。
でも先生は、「そんな性格はない」と断言していた。
死にたい、と思うことは、それだけで病気なんだと。

残念ながら、狂っていた頭が今の薬でだいぶ落ち着いたので
私は病気なんだと思い知らされた。
それでもなお、
「この薬って、健常者の人が飲んでも元気が出るんですか?」とか聞いて
自分が、薬で元気が出た健常者の可能性を先生にアピったりした。

「普通の人が飲んでも、何も変わりませんよ」

残念ながら、私は普通じゃないのだ。病気なのだ。障害者なのだ。

でもまだ、半信半疑だ。
薬をやめても、今の私と何ら変わりないんじゃないか?
私の病気は、本当は性格なんじゃないだろうか?

しかし、薬を飲む前の私は
首吊りを何度も試みては失敗していた。夜中に自室で、酔ったまま試みて落下、ものすごい音を立てたけど、気づかれなかった。いや、家族は誰も興味を示さなかっただけかもしれない。とても痛かった。死にたかった。
あの頃の衝動性はだいぶ失われている。
やっぱり私は、薬で治す必要がある病気、なんだろうか。

病気か性格か。それが何度も寄せては返す。

私が、怠けて働かない社会のゴミ認定をされ障害年金が通らなかったら、家族を頼らなくてはならない。
そんな事は死んでもしたくない。
今死ねるような勇気があったらいいのにな。

そうか、もし私が病気なのなら、薬を全部やめれば
あの病的な衝動がよみがえってきて死ねるのかもしれない。
先生、薬やめてみてもいいですか?

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もうam.2:30よ。
薬飲んで寝なさい。













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