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『逆転のトライアングル』皮肉でしかなくて好き

『逆転のトライアングル』

鑑賞してきました。

事前にレビューを見た感じではあまり評価が高くなかったので期待せずに観に行きました。

でも私はめっちゃ好きでした!!!

※以下ネタバレありです

①汚いあのシーン

まずレビューの中で中盤のゲロシーンは不必要ではないかという意見が複数見られたのですが、
私的にはめっちゃ重要!と思いました。
あのシーンを境に物語の舞台が船から無人島に変わるわけですが
ゲロから始まるあの汚いシーンは
労働者を見下し甘ったれたきれいな生活を送る富豪たちを
ありのままの人間の姿に戻すという役割があると感じました。

このシーンが長すぎると感じた方は
レストランでの場面の後客室のトイレや廊下のシーンまでを考えて長いと感じたのではないかと思いますが、トイレはトイレでアビゲイルの設定があるので外せません。
こう考えると私はあのシーンは必要な要素だったのではないかと思いました。

②ラストの考察

そしてこの映画の最大の魅力はラストシーンですね~
アビゲイルとヤヤは無人島だと思っていた島は実はリゾート島の裏側だったことを突き止めますが、アビゲイルはヤヤを殺そうとします。
そしてカールが森の中を必死で走っているシーンで映画は終わります。
直前の流れから考えるとカールとヤヤの関係にアビゲイルが嫉妬したともとれますが、、
私は資本主義の格差社会によって生まれた富豪たちを労働者が嘲笑している図に感じました。

まず、登場人物たちがいた無人島がリゾート島だったことについてですが、富豪たちが楽しく暮らしている裏では労働者たちが泥臭く働いているという社会の縮図であると考えました。
富豪たちは労働者を見下し豪華な暮らしやお金にしか価値を見出せない。
しかしリゾート地であることに気づけず馬鹿みたいに過酷な無人島生活をしている。そして助かったらアビゲイルを付き人として雇いたいというヤヤ。アビゲイルのプライドを傷つけていることにも気づけない。さらにカールはヤヤが危険なのではないかと後から気づき走り出したのだと思いますが、これも手遅れでカールは結局アビゲイルの気持ちもヤヤの気持ちもきっとわかっていなかったのだと思います。
このようになにもかも的外れな行動をする富豪たちをこちら側(労働者)が嘲笑っているという構図を作りたかったのかななんて思いました。


ちょっと想像を膨らませすぎかなと思いましたが、ここ最近で一番ラストを考えさせられた映画だったし、個人的にはアカデミー賞作品賞を獲得したエブエブより好きでした!



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