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【良いシビュラシステム計画 GSP】(1)もう作れる?デジタル庁で作る日本流信用スコア

中国の信用スコアのような超監視社会の実現が見えて来ており、まるでPSYCHO-PASS(サイコパス)のシビュラシステムを思い出させる。一方、日本でもデジタル庁がマイナンバーを中心とした国でのデータ活用を推進する動きがある。技術の進化は避けられない中、日本を超監視社会によるデストピアにさせないため、社会を良くする信用スコアを作るため、良いシビュラシステム計画を考える。
 (1)ではシビュラシステムの技術要素を考える。

●シビュラシステムとは?

まずは、シビュラシステムとは何か、ニコニコ大百科には以下のようにある。

サイマティックスキャンにより読み取った生体力場を解析し、人間の心理状態や職業適性や深層心理などを分析数値化することで、従来は目に見えなかった心の健康状態を診断し、適性や能力に見合った職業を提案し、趣味嗜好に沿った新しい娯楽を提示するなどして、人々がより充実した幸福な人生を送れるよう支援する生涯福祉支援システム。

つまり、犯罪係数はその一スコアに過ぎず、生涯福祉支援システムなのだ。上手くデザインできれば、より良い社会が作れるはずである。

●シビュラシステムの技術要素

シビュラシステムを実現する上での要素技術を整理した。

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●個人特定
 個人の行動を特定する必要がある。監視カメラから顔認証で誰であるか個人を特定し、マイナンバーのようなIDで紐付ける必要がある。中国は10億人の顔認証での特定が可能とも言っているので、実現可能な技術である。
 また、WEB上の行動も含めたありとあらゆる行動を、IDに紐付けることになる。

●個人データ蓄積
 IDに紐付けられて収集した個人データは、個人単位にデータベースに蓄積される。基本情報から、デジタル技術の進化によってはさらに拡大した情報を得ることができるようになるだろう。GAFAの抑えている分野を考えると、GAFAがこれから狙う戦略も見えてきておもしろい。
・個人属性 : 年代、住所、年収、家族構成、→DNA
・社会属性 : 学歴、勤務先、→交友関係(Facebook)
・行動 : 移動、WEB、→電子マネーで交通情報、GPS、WEB(Google、Apple)
・趣味嗜好 : アンケート、WEB行動、→他項目からAIで推定
・健康 : 医療、健康診断、→バイタル(Apple)、DNA
・金 : 収入、買い物、銀行、納税、 →(Amazon)、電子マネー、マイナンバーで全て追跡
・教育・スキル : 学歴、成績、資格 →全国学力テスト、定期的な診断

●モデリング/スコアリング
 蓄積した個人データから、様々なスコアを算出する。良質な正解データと合わせ、予測モデルを作る。ここから信用スコアや犯罪係数を算出することができる。

●リアルタイム監視・判断
 PSYCHO-PASSでは、ドミネーターによるサイマティックスキャンと言っている。カメラで個人を特定し、そこで得られる情報(表情、体温、バイタル、行動…)を追加変数として、作り上げたモデルに読み込ませ、リアルタイムにスコアを算出しているようである。ドミネーターがシビュラシステムに繋がっていない(圏外)だと機能しないことから、エッジ側でスコアを算出はしていないようだ。

●シビュラシステムの実現

シビュラシステムの技術要素で述べた通り、現代の技術でシビュラシステムは作れる。一番困難なのは、個人特定の部分で、あらゆるデータを個人に紐付けることが難しい。デジタル庁がマイナンバーの活用範囲を拡大することを大きく推進することが重要になる。
ここで、マーケティングに関わる人なら、この要素はマーケティングの仕組みと類似しており、この情報が欲しくてたまらないと考えるかもしれない。そして、ビジネス以外にも、どのような社会課題を買い方するのか、そのためにどのようなスコアを持つのかというデザインが、"良い"シビュラシステムを作る上で重要となる。こちらについては続きで。

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