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パーソナルデータプラットフォーマー(PDP)覇権争い 〜情報銀行

21世紀の石油とも言われるデータ。石油や電気のようにデータが当たり前に活用される世界には、個人に紐付くパーソナルデータ(PD)の活用が必要となる。GAFAや中国とは異なる方法として、注目される情報銀行について、PDPになり得るのか考えたいと思う。

パーソナルデータプラットフォーマー

現在のデータ活用の中心は、企業が自社データやwebデータなどの様々なデータを集め、AI等の仕組みを用いて、業務・サービスに適用している所である。
しかし、企業がいくらデータを集めてCRMを作り上げようとも、知り得る情報には限界がある。例えばamazonやGoogleを使用された情報は分かっても、違うサイトでの購入やweb以外での行動はわからない。より個人を知るためには、個人を通してのPDを使う必要がある。
その主役になるのは誰か。米国はGAFA等の企業が、自領域を拡大しながらPDに近づこうとしている(スマートスピーカーをそういう目線で見るとおもしろい)。中国は国家主導で国民データを収集・活用している。プライバシーや権利の問題もあるが、コロナ禍の成果で益々進んでいく流れに感じる。
GAFAか国家か。Trustをもってデータを預けられるのは誰か?その候補となる第3極として、情報銀行が考えられる。

情報銀行

情報銀行は、言葉の通り、お金でなく情報を扱う銀行のような存在である。個人はPDを預けて、情報銀行はPDを企業等に融資して、経済にデータを回していく。個人は金利のようなインセンティブを受ける事になる。
個人がPDを預ける情報銀行を選ぶだけでなく、融資先(データ提供先)企業を選べる所に、信頼性が高いと考えられる。

情報銀行のデザイン

上のように聞くと、理想的にも見えるが、机上の空論になりそうな雰囲気もある。夢の実現にはデザインが必要である。
全体デザインを見ると、データ保有企業、データ提供先企業、データ活用企業が周りにいる。また、ただのデータの塊から宝を採掘する必要があり、データ分析・活用提案も必要となる。そしてこのエコシステムを流通する仕組みが必要である。
壮大なデザインであり、1企業でできるモノではない。情報銀行は独占的なPDPでなく、金融銀行のように数社から選ぶ形になるのかもしれない。

サマリ

21世紀の石油と言われるデータを、石油や電気のように活用されるにはパーソナルデータの活用が必要である。そのパーソナルデータプラットフォーマーになるのは、米国型のGAFAか、中国型の国家か、第3極である情報銀行か。
情報銀行はデータを預けて、企業に融資して活用できるようにする仕組みであり、実現には全体デザインを描き、多数でエコシステムを築く必要がある。
今回は語っていないが、PDが集まれば社会課題を解決することにも貢献できる。ぜひ、Data for triGoodで、よい21世紀を実現したい。

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