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【宇宙は音楽を奏でる】イノベーションを生む音楽教育 〜古代ギリシアからDX/AI時代まで

VUCAとも言われる先の不透明な時代を勝つイノベーションを生み出すには、現代の常識を超えた発想が必要となる。イノベーションには、本筋と、違うベクトルを組み合わせる事が必須であり、そのヒントを音楽から学ぶ。
まずはサイエンスとして、物理と音楽の関わりを言及する。そして、DX/AI時代のイノベーションを生む教育を考える。
ここで1つクイズ。「モーツァルトとアインシュタインはどっちが凄いか?」。答えは記事の中にあるので、考えてから読んで欲しい。

●宇宙は音楽を奏でる

科学の礎である物理と、音楽の関係はとても深い。
古代ギリシアにおいて、ピタゴラスは「宇宙は音楽を奏でている」と言い、音階の数学的規則性を発見し、惑星の法則的な動きをリズムとして認識した。宇宙と音楽はこの世界の調和を表しており、ハーモニー(調和)という言葉も生まれた。
「令和」は「beautiful harmony」であると外務省が訳しており、まさに令和時代の重要な要素が宇宙と音楽とであるという繋がりに、運命を感じる。
また、プラトンの作ったアカデメイアでは、天文学と並んで音楽も必須科目とされており、古代ギリシアでも音楽を学ぶ事が世界を理解するために必要と考えられていた。
※音楽家目線では、指揮者・大井駿さんの記事が参考になります。

●モーツァルトとアインシュタインはどっちが凄いか?

物理屋でよく語られる有名な問題で、「モーツァルトとアインシュタインはどっちが凄いか?」というのがある。皆さん、考えてくれただろうか。


正解は、モーツァルトである。なぜか。
アインシュタインの生み出した相対性理論は現代物理学において偉大な功績であり、ほとんどの人が意味は知らなくても言葉は聞いた事があるだろう。しかし、物理法則は宇宙で普遍であり、必ず存在している。アインシュタインがそれを発見したことで20世紀の科学は大きく進んだことは間違いなく偉大であるが、アインシュタインが居なくても、いつか誰か物理学者が発見していただろう。
比べて、モーツァルトの生み出す曲は唯一であり、何年かかっても他の誰からも生み出されないだろう。これがモーツァルトの方が凄い理由である。

実際はどちらも偉大なのだが、アインシュタイン自身もモーツァルトを愛し、ヴァイオリンが趣味であった。偉大なる物理学者が発想する時にも、音楽が奏でられていたのだ。

●MITの音楽の授業

現代については、「MIT マサチューセッツ工科大学 音楽の授業 世界最高峰の「創造する力」の伸ばし方」という本をもとにしたNews Picksの記事から。
MITでは、音楽の授業から「身体知を掘り起こすこと」「多様性を受け入れること」「未知の状況に向き合うこと」「より大きな全体を構想すること」といった現代のDX/AI時代に必要な学びを意識的に教えている。日本にも一般教養があるが、これは他分野の専門性は学べるが、それを社会に繋げられるかは学生側のモチベーション次第になっている。そして、多くの学生は一般教養にモチベーションが低いという課題がある。

●まとめ

東大生の2人に1人がピアノを習っていたというデータがある。両手を動かす身体性が、純粋に脳に良いということもあるが、音楽から得られる調和も発想を助けているのではないだろうか。そして、MITのように現代のDX/AI時代に適応させる学びも大切だろう。

最後に、星野源さんのPop Virusという歌に「始まりは炎や棒切れでなく音楽だった」という歌詞があり、人類にとって音楽は、原始からDX/AI時代まで切り離せないものであると考えさせられる。

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