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3府302県妄想紀行1

1都1道2府43県。

言わずと知れた日本の都道府県の数である。

この47都道府県全てを訪問し、「制覇」したと称する人間は星の数ほど存在する。

それでは聞こう。

3府302県。

これが何を意味するかわかるだろうか?

1871年7月14日。

ちょうど150年前、廃藩置県が実施された時に最初に定められた府県の数である。

何?廃藩置県が何かって?

それは、スマホにでも問いかけると良いだろう。

果たして、この国の中ではっきりと意識しながら、3府302県を旅して回った人間はどれくらいいるのだろうか。

おそらく数えるほどしかいないに違いない。

そもそも、そこまでの時間と労力をかけて壮大な暇潰しを敢行しようというような変わり者はそうそういないに違いない。

これは、そんな途方もない壮大な暇潰しについてプランを立てながら妄想し、実際に旅をしたテイで楽しんでみた記録である。

まず旅を始めるにあたって、いくつかの簡単なルールを設定してみた。

1. スタート地点は東京の日本橋とする。旅の起点といえばここしかない。

2. 移動には公共交通機関と徒歩を使う。ちょっとした帳尻合わせにだけタクシーを使ってよいことにする。

3. 1県ごとに必ず名所を1箇所訪問し、名物を1回食し、土産(名産品)を購入する。

4. スタートは必ず始発とする。

5. シミュレーションにはジョルダンの「乗換案内」のアプリを使い、ルートは早くて安いものを選択する。

あとは適宜、問題が生じたらルールを追加していきたい。

さて、ではそろそろ旅を始めていきたい。

それではある平日の早朝、5時15分。日本橋の道路元標前からスタート。

まずは徒歩で東京メトロ銀座線日本橋駅へ向かう。

5時20分。銀座線に乗車。5時28分に上野駅に着。朝食は駅前の吉野家で済ませる。

6時38分。新幹線はやぶさに乗車。10時40分。木古内駅着。

11時10分に函館バス521系統に乗車。12時39分に松城で下車。少し歩き、12時41分に松前城着。

ここで記念すべき1県目の館県に到着した。

館県は松前藩の支配領域をベースにした地域であり、今でいう北海道の乙部町、江差町、上ノ国町、厚沢部町、松前町、知内町、福島町のあたり。

名所といえば、もちろん日本100名城の一つ、松前城である。春には桜の名所となり、夏には歴史に因んだ祭りも開催される。近隣にある城下町の風情も楽しめ、歴史好きにはたまらないスポットである。

徒歩圏内に道の駅 北前船松前があり、海鮮たっぷりの「松前大漁くん丼」などのグルメを堪能できる。物産の購入も可能。

お土産はもちろん松前漬けである。これ一つでご飯がいくらでもすすむというものだ。

さて。観光には2時間程度あて、14時26分出発。

唐津バス停から函館バス521系統に乗車し、15時58分に木古内駅着。

16時33分に新幹線はやぶさで出発。17時20分新青森着。

17時37分発。奥羽本線に乗車。18時12分弘前着。

2県目の弘前県に到着した。

歴史上、弘前県は2つ存在するが、今回は弘前藩の支配地域をベースにした弘前県である。主に弘前市を中心とした青森県の西側の地域を指す。

弘前市は日本で最初に市制を施行した都市の一つであり、城下町をルーツとする北の大都市である。

戦前には師団の駐屯や高等学校の設置などなされ、非常に重視されていたことが窺い知れる。

戦争で空襲を免れた数少ない都市の一つでもあり、弘前城をはじめとした歴史的な建造物や独特の風情が残されている。

さて、観光は翌日に回すことにして、時間節約のためにお土産を先に購入してしまおう。

ここでは「気になるリンゴ」をチョイス。青森県産のりんご「ふじ」を丸ごとパイ生地で包んだ豪快なアップルパイである。

せっかくなのでシードルも楽しみたい。店の数は…無数にありそうだ。

夕食は、津軽郷土料理の店「あば」を選択。郷土料理を存分に堪能したところで初日は終了とする。

1日目に訪問した県。館県、弘前県

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