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どんな本にも旅路がある

人生を変えた本、と言い切れるほど人生を歩んでいないのだが、あ〜本すきやな、、と思わせてくれた大切な本がある。確か読んだのは小学生の時。

三上延さんの「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズだ。

鎌倉にある架空の古本屋、ビブリア古書堂の店主、篠川栞子。
そこに客としてやってきたニートの五浦大輔。
偶然出会った2人が、古本屋に持ち込まれる不思議な謎を次々と解き明かしていくという物語だ。

実際には、本の謎を解いていく物語ではなく、それを巡った人間たちの物語。


忘れられない栞子さんの言葉がある。

「わたし、古書が大好きなんです……人の手から手へ渡った本そのものに、物語があると思うんです……中に書かれている物語だけではなくて」

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜」p54

「あ、、そっか本って旅してるんだ、、」
初めての考え方に触れて、心が揺れたのを覚えている。

時を経て、これは古書や古本屋だけの話ではないと気づいた。
どんな本にもきっと思い出がある。

いつどんな出会い方をして、どこでどうやって誰と買って借りて、どんな時にどんな場所で読んで、どんな考えを持ったのか。

本に出会う前の気持ちから、本を読み終わった後の心情まで、すべてがその本と人との物語。

お気に入りの本って、きっとその物語が深くて分厚くて何よりも忘れられないものなんだろうなって思う。

私の本棚にも、色々な場所で出会ったたくさんの思い出が詰まった本たちが並んでる。


紙の本の需要はすごく減っているけれど、その価値は高まっていくばかりじゃないかな。

一緒に旅して、一緒に休んで、栞を挟んで、付箋を貼って、、、
これからも一緒に色々な経験をして、いっぱい思い出を作りたい。


みなさんの本にはどんな物語がありますか?


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