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反ファシズム、反レイシズムの無党派左翼  twitter:twitter.com/nodej001 twitter過去ログ:twilog.org/nodej001 ブログ:「ノード連合」 nofix.echo.jp/

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ウクライナ戦争「即時停戦呼びかけ」の欺瞞を批判する

<目次> 声明の内容 代理戦争論は妥当なのか? 戦争は自然災害か? 朝鮮戦争のアナロジーは成り立つのか? 部分停戦は実現しているのか? 停戦協議提案はなぜ欺瞞的なのか? なぜウクライナの当事者性が見えないのか? 露骨な自国中心主義 なぜ侵略を理解できないのか?:無意識の大国主義 本年4月5日、和田春樹、伊勢崎賢治氏らが呼びかけ、学者やジャーナリストの方々30名が賛同して、「2023年5月 広島に集まるG7指導者におくる日本市民の宣言 今こそ停戦を!」の声明

    • ロシアのウクライナ侵略は私たちに何を突きつけているのか?

      2022年2月からはじまったロシアのウクライナ侵略戦争は、これを書いている5月11日現在、まだ続いている。圧倒的な軍事力で短期間にウクライナ制圧を計画していたロシア軍は、ウクライナ軍と民衆の頑強で執拗な反撃を受け、当初のキーウ占領計画が失敗し、その後3月末ごろから、ドンバス地方制圧にむけて兵力を移動したものの、ここでも反撃を受け、立ち往生が続き、現在は逆にウクライナ軍の攻勢で守勢に廻らざるをえなくなっている。西側の軍事・経済援助が中断することなく継続すれば、ロシアが敗北するの

      • ウクライナ人の民族自決のための闘い

        左派系の雑誌『Spectre』のウエブ版に『ウクライナ人の民族自決のための闘い』のタイトルで掲載されていたユリヤ・ユルチェンコ氏のインタビュー記事を訳出して紹介する(2022年4月11日付)。ウクライナのマルクス主義者の立場から今回のロシア侵攻とウクライナの抵抗闘争をどう考えるかが語られているが、一番の特徴は、ウクライナの闘いを「ロシア帝国に対する民族解放闘争」としてとらえている点にあるだろう。極右のアゾフ大隊への評価などを含むその他の論点では先に紹介した『ロシアのプロパガン

        • 国家と民衆の自衛権について

          3月29日に投稿した『ウクライナの現実と「絶対平和主義」の罠』を読んでいただいた方の中には、自衛権について、「個人の自衛権(正当防衛)をそのまま国際法上の国家の自衛権に拡大しているように見えるがそれは妥当なのか?」という疑問を持たれたかも知れない。当然の疑問であり、やっかいな論点であるがやはり避けて通ることはできないだろう。そこで以下、最低限言える範囲でこの論点を少し考えてみたい。 現在ウクライナで起こっていることを直視すると、ウクライナが国家としてロシアの侵略に抵抗・反撃

        ウクライナ戦争「即時停戦呼びかけ」の欺瞞を批判する

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        • れいわ新選組を追う
          46本

        記事

          「ロシアはウクライナで何をなすべきか」

          上記表題が付けられたこの記事は、4月3日付でロシア国営報道機関「RIAノーボスチ」にロシア語で掲載され、同4日に「ウクライナの新しい声」が英訳した上で再録したものを重訳したものである。「RIAノーボスチ」はロシアのウクライナ侵攻の直後に『新世界秩序』を掲載したロシアのプロパガンダメディアである。 『新世界秩序』がプーチンの世界向けのグランドセオリーであるとすれば、『ロシアはウクライナで何をなすべきか』はロシア国内およびウクライナに向けられたジェノサイド扇動パンフレットであり

          「ロシアはウクライナで何をなすべきか」

          「新世界秩序」(私訳)

          ロシアがウクライナに侵略をはじめたのは2月24日だったが、その2日後の26日にロシアの国営メディア通信RIAノーボスチに「新世界秩序」と題された署名記事(筆者はПетр Акопов)が掲載された。ロシアが一挙にキーウを占領することを想定し事前に準備されていたものと考えられるが、周知のようにキーウの攻防戦はウクライナの抵抗で長引き、すぐに削除された。しかしこの記事のロシア語原文と推定されるものがそのままウズベキスタンのニュースサイト「スプートニク」に転載されて現在も残って

          「新世界秩序」(私訳)

          お飾りの「オーナー制」「フレンズ制」導入は欺瞞 -れいわの代表独裁制は変わらず-

          れいわ新選組(以下れいわと略)は3月末に党組織に「オーナー制」と「フレンズ制」を導入すると発表した。やっと党の支持者や賛同者に党員制やパートナー制という形態で党運営に参加する道を開いたのか、つまりこれまでの「代表独裁制」から党内民主主義実現のために一歩踏み出したかと期待してオフィシャルサイトの案内を見たが、まったくの期待はずれだった。「オーナー」と「フレンズ」は、ともに党代表選挙の投票権を持つだけで、それ以外に党の運営に参加する権限は与えられていない。一般的な党組織に見られる

          お飾りの「オーナー制」「フレンズ制」導入は欺瞞 -れいわの代表独裁制は変わらず-

          ウクライナの現実と「絶対平和主義」の罠

          先月24日、ロシア軍がウクライナに対し「特別軍事作戦」と称する軍事侵攻を開始し、3月27日現在、1ヶ月が経過した。本論に入る前にこれまでの経過を簡単に振り返っておきたい。 経過侵攻当初のロシア軍の計画は、北部からウクライナの首都キーウ(旧称キエフ)を攻撃して数日以内に占領し、同時にハリコフやマリウポリなど他の主要都市も東部と南部から攻撃してウクライナ側の戦意をくじき、短期間に全土を制圧してゼレンスキー政権を転覆し親ロ傀儡政権を立てることだったと思われる。しかしウクライナ側の

          ウクライナの現実と「絶対平和主義」の罠

          「ロシアのプロパガンダについて」

          上記の表題を持つ以下のテキストは、ウクライナのアナキスト系活動家であるPraleski氏がチーム(collective)として2月26日にポストしたもので、彼らの了解をえて翻訳したものである。Praleski 氏のウエブには本テキストの他にもう一本のテキストしか掲載されておらず(おそらく緊急に公開する必要があったためだろう)、氏の経歴もチームの現在の活動も詳しく紹介されていない。しかしこのテキストは、2月24日からはじまったウクライナ軍事侵略にいたるここ10年ほどの間ロシアが

          「ロシアのプロパガンダについて」

          A君との対話:柄谷理論をめぐって

          「ノード連合」のサイトを立ち上げた2013年の翌年にポストした『A君との対話』では、立ち上げからの経過と課題について書いています。以来7年が経ちましたが、今回はポスト資本主義の新しい社会をめぐる柄谷行人氏の問題提起をA君と共に考えてみたいと思います。参照した氏のテキストは、『トランスクリティーク』(2001)、『世界共和国へ』(2006)、『世界史の構造』(2010)、『ニュー・アソシエーショニスト宣言』(2020)です。 -------------------------

          A君との対話:柄谷理論をめぐって

          衆院選に突入したれいわの現在

          昨年の8月に、優生思想をめぐる大西つねき氏の除名問題に端を発したれいわ新選組の混乱と打開策について、「規約改正 -山本私党脱却いまだ見えず-」をポストしたあと、すでに一年以上経過したが、この間、何もコメントしていなかった。上記のポストで、れいわ最大の課題は「代表独裁制」から脱却できるかどうかだと問題提起したが、残念ながらこの問題はいまだ克服されていない。党規約の改正はこの衆院選の後に予定されているはずであるが、改正で「代表独裁制」に手が着けられるかどうかは定かではない。このよ

          衆院選に突入したれいわの現在

          コロナでなぜかくも悲惨な結果になっているのか

          以下は9月17日にツイッターにあげたコメントをまとめ、一部加筆したものです。 ————————————————————————————- そもそも昨年2020年1月末に発生したダイヤモンドプリンセス号のコロナウイルス感染状況から、感染症の専門家であれば「空気感染」の可能性は推測できたはずだし、その裏付けを取るため模擬的な実証実験もできただろう。そして飛沫感染とともに感染経路として空気感染が確認できれば、❶積極的なPCR検査で無症状者を含め陽性者を早期発見し、❷臨時医療施設

          コロナでなぜかくも悲惨な結果になっているのか

          「認識論メモ」:ヴィトゲンシュタインとメイヤスー

          ヴィトゲンシュタインの最晩年のノート『確実性の問題』では、数学や論理学など、プラトンからカントに至るまで、人間世界とは別の次元に存在するとされてきたものも、人間が行動し、経験して得た結果を(世界内の)現実と照合し、繰り返し一致したものが確かな命題として蓄積され、やがて固定化し、計算したり、論理的に考えたりする際に自明のこととして参照されるに至ったものだとされる。 これは、彼が最初『論理哲学論考』で考えていたように論理とは世界の写像である、つまり世界も論理的構造を持っていると

          「認識論メモ」:ヴィトゲンシュタインとメイヤスー

          れいわ新選組の規約改正 -山本私党脱却いまだ見えず-

          れいわ新選組は、今月12日の「れいわ地下二階B2サンデー」で代表山本太郎が言及していた課題の一つである「規約改正」を総会を開催しておこなったと22日に公表した。これは二段にかけておこなう規約改正作業の一段目の改正ということになる(二段目は衆議院選挙後を予定とのこと)。 筆者は支持者の立場から、過去記事『れいわ新選組の岐路 -山本私党からの脱却-』で、れいわが「山本私党」のレベルから脱却するために最低限必要な規約案(組織改革案)を提案していたが、結論から言えば、残念ながら今回

          れいわ新選組の規約改正 -山本私党脱却いまだ見えず-

          れいわ新選組の岐路 -山本私党からの脱却-

          8月12日、「れいわ地下二階B2サンデー』での代表山本太郎氏の発言を受けて昨日14日『れいわ新選組は立ち直れるか?』をポストし、「れいわはまだ立ち直れるし、貧困と差別に苦しむ人びとを代弁できる党として今後も支持する価値は十分にある」と結論を結んだ。しかし、何かが抜けている感じが残ったので、ここで再考し、補足しておきたい。 が、その前にエピソードを一つ。大西氏の発言をめぐる混乱時に私は連続してnoteに関連記事をポストし、ツイッターでもその告知をしたが、そのうちの一本であった

          れいわ新選組の岐路 -山本私党からの脱却-

          れいわ新選組は立ち直れるか?

          以下、=====で挟まれた部分は、上記のタイトルで今月8月10日に書きはじめていたものである。れいわ新選組(以下れいわ)が現在直面している課題を明らかにし、それに正面から取り組まなければ、早晩ジリ貧になるという危機感から、書き始めたのだが、一昨日の12日夜、youtube番組『れいわ地下二階:B2サンデー』という番組で、ほぼ2時間にわたって代表山本太郎氏が事前に寄せられた質問に答えるというかたちで、私が書こうとしていたことの多くに触れていた。そこでその応答を踏まえて書く必要が

          れいわ新選組は立ち直れるか?