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子育ては洗脳

ニュージーランドで総合診療科医、ライフコーチなどをしています。

この記事では
- 子育ては洗脳だ
- 子供を育てる時には、最初から「人間として、今後役に立つ考え」で洗脳していくのが、一番効率が良い
- 特に考えの柔軟性の重要性を植え付けよう
- 「アンラーニング」の重要性
について触れます。


子育ては「洗脳」

私は、子育ては「洗脳」だと思っています。
「子育て」には、子供が小さい頃の学校教育(幼稚園、小学校)も含めます。

つまり、私達大人も、大人になる過程で「洗脳」されてきた訳です。

子供は、周りの大人の言う事や行動から、いろいろな事や考え方を学びます。
普通は「親」や「先生」の言う事やする事が「正しい事」である、として
幼い脳の神経の接続が出来上がっていきます。

そんな子供達が
「この大人の言っている事は何か違うかもしれないなあ」
と考えられるようになるには、ある程度の脳の成長が必要です


他にも必要な事があります。
それは、「いつも周りにいる大人とは違う情報源からの情報に晒されること」。
(つまり、家族以外の「考え方が違い、かつ信頼できる大人」が周りにいる事が必要)

また、「大人の考えに反対しても、見捨てられない」という関係が、大人との間に構築されているか、とか
見捨てられても自分で生きていける)」という自信があるか、という事も
必要だと思います。

幼い頃から親に虐待されてきた子供は、それ以外の親子関係を知らないので
自分のされている扱いが「普通」で「正しい」ものだと
ある程度、歳がいくまで信じている、と言う話はよく聞かれます。

極端な例は「カルト」で、特にそのカルト以外の人達と離れて集団生活を営んでおり、インターネットなども無い場合。
周りの大人も、親と同じカルトを信じ、
親と違うことをすれば「間違っている」と判断されて、罰を与えられるかもしれない。

そんな環境では、自分が「洗脳」されていることに気がつくのに時間がかかるでしょう。

また、大抵の子供は、親の言う事を真実だと信じ、できるだけ親を喜ばせるように努力しています
親に愛され、家族の一員であることは、子供が生き抜く為に大切ですからね。
ちょっとぐらいの疑問は(お父さん、お母さんが間違っているはずが無い)と言う思いにかき消されます。

子供を、将来に渡って役に立つ考えで「洗脳」しよう

一番効率的なのは、将来人間として役に立つ考えで子供を「洗脳」すること。

おなたのお子さんにどんな人間になって欲しいですか。

例えば人種や職業で人を差別しない人間になって欲しければ、
大人の私達が、差別しない言動を取り、それを子供に示したり、子供との会話の中で子供に教えていく。

正直な人間になって欲しければ、
大人の私達が正直に生きているところを言動で示すことが必要です。


「アンラーニング」できる事は重要

どの様な自分の考えや信条も、殆どは他の人から感化されてできたものです。
例えば、私が最近まで「学歴やお金がすごく大切だ」と思っていたのも
父親の影響だし。
今でも「東大」と聞くと(凄い!)と自動的に思ったりするのも、日本の環境で育ってきた為だし。

ただ大人の私は(それ、なんか違うんじゃない?)と思って、現在は自分で違う考え方を選択しています。

それは、ある意味で「unlearning アンラーニング」、日本語では「学習棄却」をしている事になります。
つまり、「上手く行っていない考え方や思い込みを意識的に捨て、新たに学ぶ」訳です。

これは重要なスキルですが、
恒常性を好む私達人間にとっては簡単ではないことが多いです。

また「アンラーニング」には、柔軟性とエネルギーが要りますよね。
今まで「正しい」と信じてきた事を、「そうじゃないかもね」という視点から見る訳ですから。

どのように理想的に子供を育てても、いつまでも同じ考えや信条がその人の役に立つとは限りません。

そのため、子供を「洗脳」する時に「自分と異なる考えも考慮する柔軟性」を是非植え付けて欲しいです。
将来彼らが自分の意志で「アンラーニング」する時に、この柔軟性を持っていることは非常に役に立ちます。

その為には、私達大人が子供に
「大人が言うことが、絶対の真実とは限らない。疑問に思ったら、自分で調べて、考えを取捨選択する事が大切である。」ということを伝える必要があります。
そして、そのようにしても、子供が安全だと感じられる環境を用意することも必要です

まず大人自身が、今まで自分がどんな「洗脳」をされてきたか意識する

例えば私が、「学歴」とか「お金」に関して
ある種の「洗脳」をされていました。
でもそれに気づくにはかなり時間がかかりました。

「洗脳」された考えで、自分や自分の周りの世界が問題なく行っているうちは、その考えを変える、または疑問に思う必要を感じないのですよね。

私の場合は、子供との関係が上手くいかなくなり、自分が疲弊したという経験を経た事で、自分が上手くいかない考えで「洗脳」されていた事に気づき、「アンラーニング」をするきっかけになりました。

すべて上手く行っていれば、変える必要はないでしょう。
でも、私達が「何かうまくいかない」と感じた時、
ちょっと立ち止まって、自分がどの様な考えにしがみついているのか考える、とか、(自分の考えや信条を見直す事で、上手くいくようになるかもしれない)と柔軟になることで、「アンラーニング」に繋がるかもしれません。

最後に

毎日患者さんを多く診ていると、「この人はある考えを信じて生きていて、多分そのために生きづらいのだろうな」と思う事が良くあります。

よく見られるのが、こんなものです(ほんの一部ですが)。
- 「周りの人の世話をしないといけない」と信じ、自分のケアをせずに、人の世話に時間とエネルギーを費やす
- 「親を喜ばせないといけない」と信じ、自分が心の底からやりたいことをしない
- 「自分が正しいと証明しないといけない」と信じ、そのために攻撃的になったり、弱いものを虐めたり、自分の気持ちに不正直になったりする

常に注意を払っていると、私は自分でも、何かの思い込みに駆られて感情が浮き沈みしていることに気づきます。

多分、皆さんの中にも思い当たる方がいらっしゃるでしょう。

子供達が、将来生きづらい思い込みを持たなくてもいいように、
そして、もしも彼ら自身がそういうことに気がついたら、自分で自分を変えていけれるように、
子供達が幼い頃は、私達大人が子供達を(子育て、学校教育という形で)効果的に「洗脳」していくことが大切だと、私は考えます。

今日も長文を読んでいただき、ありがとうございました。











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