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民俗学漫談

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民俗学についてのお話をまとめています。
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#祭

【民俗学漫談】蕩尽のバリエーション*ハロウィン

蕩尽とは蕩尽(とうじん)。民俗学のキーワードの一つです。むしろ民族学かもしれません。 浪費の事なんですが、浪費だと、無駄遣いという意味ですね。ほしいままに費やす。ちょっと弱い。浪費家なんていう言葉もあるくらいで、まだ、日常や人間の域を出ない。 蕩尽だと、これはもう湯水のごとく使い果たす、と言う意味で、明日の事を考えていません。動物的です。秩序を人間を飛び出す行為です。 まあ、動物は蕩尽をしませんが。 明日の事を考えないというのは、みんなあまり経験がないかもしれませんが

【民俗学漫談】内と外について

神社って、柵がありますよね。敷地を囲って。 ちなみに、神社に門はありません。本来。 明治神宮とか、大きな神社は門があって、営業時間が過ぎれば閉めてしまいますね。明治神宮はそもそも森を作ったわけですから、そうなりますね。 昔、どこの教会でしたか、「正月に休業」的な張り紙がしてあったのを見て、驚きました。いや、「正月に営業しろ」と言う話ではなく、教会って、すべての人々の家なわけでしょう? 民家じゃないでしょ。何で鍵がかかってんの。常駐していろとは言わないけれど。 それもこ

【民俗学漫談】禁止という敷居の乗り越え方

祭です。 祭と言うと、カーニバルです。はしゃぎます。秩序を破壊します。混沌にします。 ただ、祝祭という言葉は違和感がある。カーニバルの翻訳としてならふさわしいんですが。あれ、祭は「祝祭」ですか? 日本の「まつり」はもう少し暗いものを含んでいる気がします。何をしても、かなしみが入り混じる。もののあはれが。日本の「かみ」は、鎮魂(たましずめ)が入り込んできたからでしょうか。 祭儀について 祭の発生の回の漫談でも言いましたが、祭りは、日常のたまったものを解放する場です。

【民俗学漫談】祭の発生

民族学漫談。と言うことですが、あるテーマをどのような切り口で書き上げるのか。 何事も、これが要です。 生活の現象を民俗学を通して、見てゆくのが、この漫談のテーマです。 それでは始めたいと思いますが、正確さよりもノリ重視で行きますのでご了承ください。 過去と未来の感覚がなければ祭は発生しない常に思うのは、来し方行く末と言うものです。 これ、いくらでも思い続けられます。 記憶があるので。 人間は記憶を持つようになって、いつごろでしょう、二本の脚で立ち上がったころでし