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民俗学漫談

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民俗学についてのお話をまとめています。
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記事一覧

【民俗学漫談】スマホを片手に広がる世界で

今も昔もおしゃべりをしたいという気持ちは老若男女変わりはないでしょう。 会話からインターネットを通じてのやり取りに変わっただけですから。 SNSはなくてはならないアプリケーションとなっていますね。 それを見ず知らずの人とできてしまう柔軟性のある人が多くなっています。 あたかもゲームから会話パートだけ独立させたようなものが、ユーザーを引き付けています。 床屋政談と言う言葉がありますが、Twitterなどは、見ていて床屋政談の公開システムのようです。 Twitterは

【民俗学漫談】習性としてのコミュニケーション

SNSや掲示板と言ったコミュニケーションのプラットフォームができて、『人間がこれほどまでにコミュニケーションをしていたがっていたのか』と言うことが浮き彫りになりました。 しかし、SNSでも動画やいわゆるライブ配信などを見ていると、コミュニケーションと言いつつ、一方的なコミュニケーションにも見えます。 主にテキストベースで、投稿者なり、配信者なりに向かって、多数の人間が、前後の文脈も顧みずに言葉を投げかけています。 自分の言いたいこと、『今日は何をした』、『何を食べた』な

【民俗学漫談】コンプレックスの発生

人間を突き動かす原動力はコンプレックスだと思っています。 コンプレックスと言うものは、精神分析用語でして、日本語ですと、劣等感の意味で使われますが、優越感、劣等感、両方コンプレックスなんですよ。 優越感 superiority complex 劣等感 inferiority complex 優越感もまたコンプレックスである。 コンプレックスを持つのは人間だけですよ。 動物はそのような複雑な精神を持ちません。 では、いつごろから、人間と動物は違う生き物になったのか。

【民俗学漫談】龍

龍の成り立ち龍は、中国の文化では神聖なものとされ、前漢から清に至るまで、皇帝のシンボルでした。 龍はその啼き声によって雷雲や嵐を呼び起こし、また竜巻となって天空に昇り自在に飛翔すると言われております。 姿としては、口辺に長髯をたくわえ、喉下には一尺四方の一枚だけ逆さについた鱗である逆鱗(げきりん)があり、顎下に宝珠を持っていると言われます。 秋になると淵の中に潜み、春には天に昇るとも言われます。 架空の動物ですが、では、いつ頃から中国の文化に登場したのでしょうか。 絵よ

【民俗学漫談】うなっぽ

鰻の特性江戸の三味、と言えば、蕎麦に鮨に天ぷらですが、鰻も江戸っ子の好物でして、今回は、鰻について漫談をいたします。 鰻もまた不思議な生き物でして、鰓も鱗もある立派な魚類なんですが、なんだかぬめぬめしていて鱗(うろこ)はどこだってことですよね。 鰻の鱗なんですが、小さな鱗が皮膚の下に隠れています。 鰻というものは大変古い生き物で、だからこそ栄養があるのですけれども、古い種は鱗が細かくなっていたり、隠れていたりします。 鰻はまた回遊する生き物でして、例えば、ニホンウナギ

【民俗学漫談】ねっこにゃ!

飼い猫の始まり猫が人類と暮らし始めたのはいつ頃からでしょうか。 約9500年前のキプロス島の遺跡から、今の飼われているような猫(イエネコ)の痕跡が見つかっていますから、1万年前くらい、新石器時代には飼われていたようです。 キプロス島には、野生のネコ科の動物はいなかったことから、人類が持ち込んだものとされています。 中国でも五千年以上前の遺跡から猫が人類と暮らしていた痕跡が発見されています。 新石器時代には、狩猟(しゅりょう)とともに、農耕が行われ始めました。 農耕の始ま

【民俗学漫談】ネットストーカー

ストーカーの異常心理しかし、ストーカーと言うものは、どうして不毛な虚しい行為をしてしまうのでしょうか。 ストーカーは自分のことを被害者だと思っています。 自分は悪くない、何も悪いことはしていない、自分は好意的に接していたのに、なぜ連絡をくれないのか、会ってくれないのか、おかしいのは相手の方だ、と思い違いをしているのです。 何なら、自分が正義だし、自分こそが相手を幸せにしてやれるのに、とさえ思い込んでいるのです。 この時点で、すでに我を忘れて、相手のことも考えられなくなって

【民俗学漫談】SNS時代の個性

現実感を求めるイチローが大リーグが頭を使わなくなっているといっていました。 何を使っているのかといえば、データでだそうです。 データを基にして、最も効率の良い方法をとっているだけだそうで、はたして、それは野球なのかという話でした。 翻(ひるがえ)ってみると、この状況は、何も大リーグの野球に限ったことではないようにも見えます。 ゲームの主人公は、もてますね。 放っておいても、ストーリーが進み、成長や解決に導いてくれます。 試練は現実に比べたらまさにゲームであり、現実より

【民俗学漫談】エンターテイメントのリヴァイヴァル

前回の民俗学漫談で、ファッションのリヴァイヴァルと言うところまで漫談しました。 エンターテイメントのリヴァイヴァルで、服装という意味でのファッションがリヴァイヴァル、自分の過去を見るか、服の意味を乗り越えるか、もしくは民族衣装のように、よそから上面だけ引っ張ってくるか、そうなって、今もそれは続いているのですが、特にリヴァイヴァルについては、それがフィクション、エンターテイメントに移った気もします。 人々の行為のバリエーションが固定化されくる。 娯楽や職業の種類ばかりが増

【民俗学漫談】ファッション

人間が服を着る理由『人間はなぜ服を着るのか』という話は、服飾系の学校に行けば最初に教えられる話かと思います。 まず、寒さや日差しを防ぐため。けが予防も含めて、身を守るためですね。 次に羞恥心から。裸族以外は、これもあります。 さらに、飾り立てるため。これがいわゆるファッションでしょうか。必要というより、欲しいからということになりますか。 これ以外にも、『曖昧にしか感じられない自分のイメージ、像を、身体感覚を通して感じるため』、つまりは、将来、技術が進歩して、全く着てい

【民俗学漫談】貨幣の形態の変化

ふと気づいたら、映画でも漫画でもゲームでも翻案(実写化を含む)や二次創作的なものが多い気がしました。 テクノロジーが進んで、今現在のデジタル技術で作り直したくなるのかもしれませんし、今現在にふさわしてものとして作り直したくなるかもしれません。 それで、実際にヒットするのですが、何かが違う気がしていました。 まあ、デジダルが多いのならば、あえて、フィルムで撮影した方が個性的なものができるかと思われますが。 ツールは思考を変えますし、かえって、デジタルの方が「もどかしさ」みたい

【民俗学漫談】宗教とサブカルチャー

前に、 という漫談をしましたが、今回は、宗教とサブカルチャーについて、漫談をします。 サブカルチャーにおける「聖地巡礼」の現象漫画やアニメに、現実の宗教施設が登場したり、神仏が登場したりします。 虚構の世界に現実の場を登場させるわけです。 物語を構成する素材として用いるのですが、その事によってリアリティが増しますね。 ゴジラが目指すのは、東京タワーであるから見ている側に衝撃を与えるのであって、見たことのない町では、その効果が薄いという事です。 本来、漫画やアニメは

【民俗学漫談】炭素原子

ネットワークについてですネットワークは、何かと何かを結ぶものなんですが、AとBを結ぶ。 これでは、いわゆるホットラインであって、ネットワークとは呼びません。 では、AとBとCを結んでみる。 AとB、BとC、CとA。 これでネットワークになったんでしょうか。 まあ、ネットワークと呼べないことはないんですが、なんか、遠回りしている気がします。 これに、DやEが加わると、結びつける線が無駄に増えて混線しそうです。 そこで、ふつう、ネットワークには、「ハブ」を設けます。

【民俗学漫談第28回】現代音楽

現代美術現代美術もサブカル化しているように見えます。端ばかりつついて、中心がない。 個人的に現代美術はおもしろいと思うんですよ。参加してみたいくらいで。 でも、メインカルチャーとしての美術がどうも前面に出てきませんね。 美しいもの、崇高さで人の心を揺り動かすもの。 それが、メインカルチャーとしての美術の役割なはずですよ。 うーん、すでに写真技術を意識することさえなくなってしまったんでしょうか。 現代音楽現代音楽、なんていうのもあります。 クラッシック音楽の一部で