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今使っている文具 Vol.004

「“水晶の栓” 又は、だから如何なる場合にも勇気を失うべからず」

最近SF小説「量子怪盗」の主人公である盗賊オススメの愛読書、アルセーヌ・ルパン シリーズの「水晶の栓」を読んでみた。
怪盗ルパンシリーズを読んだのは多分小学校時代以来だけど、さっくり読めてなかなかに楽しめた。
しかし陽気な性格の影にある、常人を遥かに超えるスキルと意志力、知性を持ったアルセーヌ・ルパンという人物の怪物ぶりはなかなか恐ろしくはあった。
まあ、作り話に登場する架空の人物ではあるのだが…
でも結局「量子怪盗」の続編「複成王子」に登場する

「俺が生まれたのはあの時だ。“ル・ブション・ド・クリスタル” ——つまり“水晶の栓”から生まれた存在。砂漠と古い神から生まれた少年。」

という一文の意味は解らなかったな。
普通に考えると、「複成王子」に登場する「砂漠」とは<崩壊>を機に無人となった地球都市の廃墟であり、「古い神」とはテクノロジーによって実存を得た神概念である<天祐>の一人<花のプリンス>の事だろうから、<花のプリンス>と融合した時の出来事を指しているのかとも思ったが、盗賊は<崩壊>前には既に生まれており、しかも「少年」とあるので、実際の砂漠で生まれた盗賊の少年時代における思想的ルーツを語った文章、とも読み取れる。
この文章自体は自分と<天祐>達は別物であるとの認識からの文脈なので、どうも後者っぽいが…果たして。
少し前までは量子怪盗のレビュー記事に年表をアップロードする為(言い回しがソボールノスチっぽい)、量子怪盗と複成王子を一生懸命読み込んでいた。
このシリーズは百凡に埋もれるには惜しい素敵なSF小説なので、暇な人は暇つぶしにでも是非どうぞ。オススメします。
どちらにせよ、<ル・フランブール>三部作の完結編となるらしい「因果天使」は非常に楽しみ。

今使ってる文具達。


Fabercastell クラシックコレクション万年筆・エボニー:
・ニブ:ファーバーカステル EF18kニブ
・インク:<エターナライザー>

今のメイン万年筆。
この軸は実際に製造工程における手作業比率がどうかは置いておくとしても、工業製品的プロダクトとしては極まった感じの造りだなぁ、と伝統的手工芸品といった趣のヤード・オ・レッドの万年筆と比較して思った。
線幅はやはり太軸には太い線が、細軸には細い線が、それぞれ似合うと思う。

ファーバーカステル クラシックコレクション エボニー・レビュー

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