もうどこだったかも覚えていない体育館の2階から眺めた風景
私は子供の頃から、運動が得意な方ではなかった。勉強も好きではなかった。しかし、小学校時代における優劣の基準の多くはそこだったと思う。それに敏感だった。私はテスト用紙の裏、教科書の片隅、時には黒板をキャンバスにして好きな絵を描いた。優位に立てる土俵を探していたのだ。その頃、名前も知らぬ貴方は何をしていたのだろうか?数年後、中学3年の夏。私は貴方に負ける。自らの土俵だと信じた「卓球」で貴方に負けるのだ。
私は中学校に入り、卓球部に入部した。「動く文化部」と揶揄される、そこは私に