見出し画像

なんのためのルールなのか、誰のためのルールなのか

この半年間、それまでに一ミリも想定していなかった事態を経験しています。「成年後見人」になって、親族の財産、健康を管理することを引き受けているのですが、裁判所、司法書士、銀行、証券会社、役所...普段あまり接しないところとのヤリトリの中で、
なんじゃこれ?
と思う場面をいくつか「初体験」しました。「なんじゃこれ?」はまったく解決されていないのですが、「ルール」について思うところを書いてみます。

成年後見人に選任されて

後見人、簡単に言えば、認知機能の低下などで判断がアヤシクなってしまった人に対して、銀行などの財産管理や施設入居などの身上監護を「できる」、いわば法定の代理人のような役割です。私の場合は、親族の後見人になったわけですが、多くの場合は、弁護士や司法書士など「専門家」がそれに就くことが多いらしいです。その理由のひとつは、「決めるのは家庭裁判所である」こと。裁判所に提出する書類など、なかなかヘビーな手続き。
…ですが諸々考えて、私が後見人になることを決め、書類を束ねて裁判所へ提出。そうすると「審判」があって、結果として後見人が選任(指名)されます。
で、問題はその後。選任された書類が来るのですが、そこから「2週間」は、不服申し立てができる期間になります。私の場合は、「私を選んでね」と申請して「わかったよ」と審判があったので、不服なんて申し立てするはずがないのですが、それでも「2週間」待ちます。

なんでやん?

成年後見というのは、ひとりの人間の人生を背負いこむことで、それなりの覚悟をもって申請しているし、その人は、今まさに、なんらか「具合が悪い」状態にあるのに、無駄な2週間ではないだろうか?「2週間が過ぎて不服申し立てがない場合に、後見人に正式に就任」って、順番的に?でないかなあ。「不服申し立てができる」期間をスキップして、「不服申し立てをしないことを宣言できる」ようにすれば、無駄な時間がなくなるのに。
正直、”これまでに経験したことがない”レベルの無駄な時間でした。(相手が裁判所なので、誰にもどこにも文句言えなかったけどさ)

〒のルールって

前段と絡むお話になるのですが、独居で施設入居した親族の後見人たる私は、本人のマンションのポストに「定期巡回」に行くわけです。万が一「借金の督促状」の類が来てたらコトですからね。で先日。某証券会社から「書留」が届いていて、もちろん「空き家」なので不在票が入っているわけです。で、郵便局に取りに行きます。
「親族」としては、同居じゃないし「委任状」がないと渡せない、と。まあ、しょうがない。では「後見人」として、後見人である証明をもって引き渡せ...これもダメなんだって。(ホントかどうか証明できない)委任状をもった代理人ならOKで、裁判所から法定された証明を持った代理人(後見人)はNGだと。

なんでやねん?

郵便局は「きまりだから」しか言わない。う~ん、じゃあ、保管しておいても誰も取りに来ないことは明らかなので、差出人に戻してよ...これもダメだと

なんやねんな?

「きまりだから」と繰り返す郵便局のひと。結局、誰も取りに来ない書留郵便物はその郵便局で1週間保管されてから戻っていきます。はあっ!?って感じ。

きまりだから、って何?

その「きまり」って、なんですかね。悪いことをしようとしている人を防止するため、と言ってましたが、それによって「正当な人」を制限することになるのは、なんだろう?って思っちゃいます。そして「何のためのきまりなの?誰のためのきまりなの?」に答えられないんですよね、その人。その組織内では「あたりまえ」だと疑問も持たずに過ごしているんでしょう。本当にそれでいいんでしょうか。

翻って、自分の身の回りでそんなことはないか、考えてみました。「ルール」がこちら側(自分、自分の職場、立場)都合のもので、相手側の不利益に繋がるようなことになっていないか、と。
「何のためのきまりなの?誰のためのきまりなの?」
に答えられないのは、本当にそれを知らない場合と、知っているけど「内部のため」であって言えない、という場合があると思います。どちらも見直したほうがよいのではないでしょうか。「ルールだから」それだけで行動してたら、機械と何が違うの、ってことになっちゃいます。もうひとつ言えば、「こういう理由でそれはできないんです。でもこうする手がありますよ」と、ルールに即した代替案が提示できるといいですよね。それが「機械じゃなくて(困っている目の前の人のことを思う)人間がなせる行動」です。


複数の人が絡む以上、「ルール」は絶対的に存在しますが、それに対して盲目的に従う、というのはちょっと疑問です。
「何のためのきまりなの?誰のためのきまりなの?」が答えられるルールであってほしいと思います。
また、これだけ大きく、考え方や価値観が変動している今、ルールを見直すことも躊躇なく取り組みたいところです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?