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ハムサンド禁止、と「我々のハムから手を引け!」

朝、寝ぼけまなこでテレビのニュースをポチッとつけたら、ハム屋さんから生中継をやっていた。店主らしきおじさんがしゃべっている。

がん慈善団体のCancer Councilが子供たちに向けて、ハムサンドイッチを食べるなと警告。さらには、学食でのハムサンドイッチ販売禁止案も出たとかで、おじさんはそれに対して反論しているらしい。

「発がん性物質が、とかって言われてもねー、ハムなんて5000年も前から食べられてるわけで、何事も適量を守れば、そう目くじら立てることもないんじゃないのかなぁ。うちらの業界だけターゲットにされてもねぇ(意訳)」

怒りと言うよりは、なぜうちの屋根に突然白羽の矢が立ってるのだァー-!?たたりじゃー!と戸惑う村人のようなおもむきである。

しかも、あたしたち、5000年も前からハムたべてるのか。いや、あたしは食べてないけどな。

この中継に見入ってしまったのは

おじさんの横で、7,8人の小学生から高校生くらいの制服姿の女の子たちがニコニコしながらハムサンドイッチをむしゃむしゃ食べているからで、
これはもちろん番組側の演出だと思うんだけど

「ハムおじさんファンクラブの皆さんに集まっていただきました~!!」

という雰囲気が牧歌的でほほえましい。

「ハムサンド禁止法案反対!」というプラカードを掲げて行進するよりも、よっぽど効果的ですね。「そういえば、ハムサンドっておいしいんだよな」と「記憶の舌」に訴えてくる。

映像がスタジオに戻ると、スタジオでもメインキャスター2人とスポーツキャスターがもぐもぐハムサンドイッチをかじっているという演出。

キャスターの一人が「我々のハムから手を引け!(Hands off our ham!)」と言った。番組のハム熱が伝わってきますね。キャスターの男性、無言でハムサンドをむしゃむしゃゴクンと飲み込んで「さて、つづいてのニュースは」と言うのが大変そうだった。ニラとかゴマとか挟んでなくって良かった。あれ、歯に挟まるんだよな・・・
 
ハムサンドイッチは、オーストラリアの子供たちのお弁当の定番です。

知り合いの家庭では、「基本ハムサンドイッチ、たまにハム&トマト、たまにハム&チーズ、たまにベジマイト」と言っていた。

だからハムを否定されると非常に腹が立つ。もちろん大人たちだって「ハムは非の打ちどころのない食べ物だ」なんて信じているわけではない。多少の欠点はある。でも、手軽な値段で、どこでも手に入って、保存もきくし、調理もいらない食材なんてほかに何がある?
毎日「お世話になっておりまーす!」と頭を下げる存在なのだ。
その「恩人」が出禁!?
我が恩人に向かって何を言う!と逆切れ気味にアイヤー!と立ち上がらないわけにはいかない。
 
ハムサンドイッチを作る時は、パンにバターと辛子を塗って、薄いハムを、ハムだけたっぷり挟むのが好きです。

サンドイッチの具は一種類がいいです。卵サンド、キュウリサンド、カツサンドのキャベツ抜き。

旅行でバルセロナに行った時食べた「パンコントマテ」は絶品でした。

フランスパンの厚みを半分に切って、グリルで焼いて、表面が大根おろし器みたいにがりがり固くなるまで焼けたら、生のニンニク片をそこですりおろすようにササっとすりつける。オリーブオイルをたらりと垂らしてそこに今度は生トマトをざりざりとこすりつける。それでおしまい。ガーリックブレッドにふわっとトマトの汁が香って、びっくりするほど美味しかったです。サンドイッチとはちょっと違うけど。

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