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フランスの反ワクチンパスポートや黄色いベスト運動の背後にいるのは「あの国」?RTについてのまとめ

現在私は海外在住で、家族が陰謀論に傾倒していることもあり、あやふやな情報を流す団体や個人に強い危機感を抱いている。

さっき、YouTubeでおすすめに上がってきたフランス語のニュース動画を何気なく開いたら、ちょっとびっくりするような注意書きが書かれていた。

おわかりいただけただろうか。

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(https://youtu.be/G7mjRQAhvGw)

動画のすぐ下に、「RTはロシア政府によりその全体若しくは一部の出資を受けています」という文言が踊っている。

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恥ずかしながら無知な私は「RT」という情報局を知らなかったのだが、リンクに表示されているウィキペディアのページを見ると、どうやらRTというのは、旧称は「Rossia Today(ロシア・トゥデイ)」という、ロシアのモスクワに拠点がある情報局であることがわかった。

ちなみに注意書きを見つけた動画の内容は、「フランス政府は衛生パスポートを導入しようとしているが、ワクチンの強制接種は違憲である」という政府を強く批判した内容だった。

最近、「ロシアと中国から報酬を受け取り反ワクチン的な言説を展開している人たちがEU内で問題になっている」というニュースを見たので、「これもかの国の反ワクチン工作かもしれない」と思った。


RT(旧ロシア・トゥディ)は「黄色いベスト運動」にも関係しているらしい

こちらの記事によると、「RT France」はフランス大統領のエマニュエル・マクロンに「プロパガンダだ」と非難されたとのこと。

Financée par Moscou, la chaîne de télévision russe RT France est accusée de propagande par Emmanuel Macron. Lancée fin 2017, elle ne cesse de voir son audience augmenter. Les “gilets jaunes” la plébiscitent. 

黄色いベスト運動(Mouvement des Gilets jaunes)は2018年に始まったものだが、RTがスタートしたのは2017年だそう。

「黄色いベスト運動」のデモ隊は普通、ジャーナリストを歓迎しないが、RTフランスのレポーターであるNadège Abderrazakはデモ隊にかなり熱烈に迎え入れられていたらしい。

Samedi 9 février, acte XIII des “gilets jaunes”, Paris. Des milliers de personnes manifestent sur les Champs-Élysées et les journalistes ne sont pas vraiment les bienvenus. Parmi eux, pourtant, une petite jeune femme brune a droit à un traitement de faveur. Nadège Abderrazak, reporter et présentatrice de RT France, est là pour couvrir la manifestation. Pour les “gilets jaunes”, c’est comme si elle était l’une des leurs : « Salut Nadège ! », « Bravo pour ce que vous faites, RT », « Bon courage, Nadège, toi aussi, tu as payé ».

ロシア系メディアのレポーターとやけに親し気な、デモ参加者たち。どうやら、「黄色いベスト運動」とロシアの繋がりはあるのかもしれない。

RTが嘘のインタビューを放送

2019年1月に行われた「赤いスカーフ運動(黄色いベスト運動の過激なやり方に反対する人たちの集まりで、中には親マクロン派もいる)」で、主催者をかたるダヴィッドという人物に、RTがインタビューを行った。

ダヴィッドは「権力で人々をコントロールすべき」「勝つのは国家でありマクロンだ」など過激な言動をしていたが、実はこの人物は赤いスカーフ運動の主催者ではなく、Jeuxvideo.comというサイトの「forum 18-25」という掲示板に参加していた「荒らし」だったそう。

真の主催者であるローラン・スイエ(Laurent Souillé)氏は、
「これは組織的なフェイクだ。RTは主催者にインタビューしなかった。これは民主主義を脅かす情報操作だ」とFrance Infoのインタビューに答えた。

「親マクロンは危険」と思わせるための工作なのだろうか。もともと、「赤いスカーフ運動」は「破壊行為のような野蛮なアピール方法はやめよう」という穏健派の運動としてスタートしたので、主催者側も、偽物の過激発言は看過できなかっただろうと思う。

ロシアに翻弄されるUE

他にもロシアのEUに対する情報戦についてのトピックはあったが、今日はこの辺で。

「黄色いベスト運動」を通じて、いつの間にか某国の利益のために働かされていた、なんてことにならないといいんですが…。

とにかく、今後もこの界隈(RTと黄色いベスト、ロシアVS欧州連合)の動きを追っていきたいと思います。

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