見出し画像

【第86回】 Salesforce 認定 Data Cloud コンサルタント 資格試験への移行について

これまで Salesforce パートナー専用の資格試験だった Data Cloud Accredited Professional が 2023 年 12 月 8 日 より Salesforce 認定 Data Cloud コンサルタント資格試験として、どなたでも受験できるようになりました。

この資格は確かに Accredited Professional だけにしておくのは勿体ない資格だと思っていました。これからは Data Cloud ありきの時代になりますので、ぜひ皆さん取得して行きましょう。

今回の移行についてですが、2023 年 9 月 5 日までは Examity にて Data Cloud Accredited Professional が受験できますが、2023 年 12 月 8 日以降は Webassessor にて Salesforce 認定 Data Cloud コンサルタント を受験する必要があります。(英語版は 2023 年 9 月 6 日より受験可能です。)

移行の詳細は下記ページ(Quip)に掲載されていますのでご確認ください。


ここからの内容は 2023 年 12 月 15 日に追記させて頂きました。

実はこの記事が Salesforce 認定 Data Cloud コンサルタント に興味を持たれているから、割りと見られているようで、改めて Salesforce 認定 Data Cloud コンサルタント 資格とはどういう資格かについて語った方が良いのでは、と思いましてこの追記を始めました。

私ごとですが、無事にこの資格が移行されてきました。

私はこの資格が Marketing Cloud Customer Data Platform(CDP)と呼ばれていた頃に取得しまして、当時は 3 回目の受験でやっと合格したという、ほろ苦い思い出があります。これまでに、この資格は 2 回改名していまして、ゆえに、私は 3 枚の認定証を持っています。

私と同じく、移行により Salesforce 認定 Data Cloud コンサルタントの資格を受け取った方は、上記の認定書に関しては Trailhead のヘルプで依頼することで発行頂けますので、必要な方は対応してください。

このツールは Salesforce Marketing Cloud に Audience Builder という顧客のセグメントを作れるツールがあったのですが(新規販売は終了、現在、廃止予定)それに取って代わるツールとして登場したと記憶しています。よって初期段階では Marketing Cloud Customer Data Platform(CDP) という名前で呼ばれていましたが、Salesforce 側が「それだけに留まらせておくのは勿体ない、そうだ!データのハブとして Salesforce 360 の真ん中に置いてしまおう」・・・と決めたかどうかは知りませんが、現在は Data Cloud として大出世した感じになっています。

私のここ最近までの Data Cloud の印象としては、異なるデータベース間で「名寄せ」(これを ID 解決と呼びます。英語では「Identity Resolution」)ができる「セグメントツール」という印象でしたが、AI +データ+ CRM という 2023 年に話題となったキーワードに乗って、どこまで進化して行くかが楽しみではあります。

この Data Cloud の使い道に関しては、Salesforce World Tour 2023 などでも散々語られていましたので、もはや Marketing Cloud に特化したものではないものであることはご承知の通りです。企業のサイロ化されている店舗データ、オンラインサイトでの行動データや販売データ、送信したメールへのリアクションデータなど、異なるすべてのデータを 1 つに名寄せして、1 つのビューとして ID を統合することで、これまで可視化出来なかった顧客の新たな人物像を浮かび上がらせることができます。これによりパーソナライズがより進みますね。

さて、それではザックリとした Data Cloud のルーツと概要みたいなものが説明できたので、試験ガイドを参考に、この試験の試験概要、出題範囲と出題率などを見て行きましょう。

試験概要

Salesforce 認定 Data Cloud コンサルタント資格は、ソリューションの設計、設定、作成など、顧客に直接対応する立場でエンタープライズデータプラットフォームの実装やコンサルティングの経験を持つコンサルタントに最適です。Data Cloud コンサルタントはメンテナンス性と拡張性に優れた顧客のビジネス要件を満たし、顧客の長期的な成功に貢献します。

この試験の受験者には、Salesforce クラウドでの複数のソリューションの作成など、データ戦略およびデータモデリングに関する実装や操作の 2 年以上の経験が求められます。通常、開発、戦略、ビジネス分析、販売前ソリューション提案、アーキテクチャの経験を持っています。

試験ガイドの説明では 2 年以上の経験が求められるとなっていますが、Data Cloud はデータハブなので、他のツールと連携してなんぼなわけです。単体では意味を成しません。よって、Data Cloud 自体の経験が 2 年必要というわけではなく、Data Cloud と連携する各種ツールの知識が必要という意味合いになってくると思います。それらを習得するのに 2 年くらいかかるでしょ、という感じです。

ちなみに連携の際は Data Cloud 内に簡単に接続できる専用のコネクタがあるので、試験で技術的な知識を問われることはないのですが、接続して何ができるのかだったり、連携のタイミングなどを問われる可能性があります。下記がセットアップ画面になりますが、ステップに従ってボタンをポチポチ押して行けば、簡単に設定が完了します。

試験について

内容:多肢選択/複数選択方式の 60 問
試験時間:105 分
合格点:62 %(38 問以上で合格)
受験料:20,000 円(税抜)
前提条件:なし

私が当時 Accredited Professional で受験した時は、50 問の試験でした。Salesforce 認定資格となってからは 60 問となっています。62 %で合格とのことで、ボーダーラインが低めにはなります。但し、ボーダーライン低めの場合、試験問題が難しい可能性があります。私は受験をしていませんし、すでに合格扱いとなってしまっているので、今後も受験はできませんので試験問題を確認できませんが、難易度高めとみて、しっかりとした対策が必要かもしれません。

今回、試験ガイドの内容が充実していますので確認していきましょう。基本的にはここに書かれている範囲のものしか出題されないはずです。

出題範囲と出題率

ソリューションの概要(18%)…  11 問
・Data Cloud の機能、主要な用語、ビジネス価値を説明する。
・Data Cloud の一般的なユースケースを特定する。
・Data Cloud のライフサイクルとその連動関係を説明する。
・データ倫理の原則を説明し、適用する。

Data Cloud の設定と管理(12%)… 7 問
・Data Cloud の権限、権限セット、組織の設定を適用する。
・使用可能なデータストリームタイプやデータバンドルについて説明し、設定を行う。
・データスペースのユースケースを特定し、要件に基づいてデータスペースを作成する。
・レポート、ダッシュボード、フロー、パッケージ、データキットを使用して Data Cloud を管理する。
・データエクスプローラー、プロファイルエクスプローラー、API を使用してデータの診断と探索を行う。

データ取得とデータモデリング(20%)… 12 問
・Data Cloud 内のさまざまな変換機能を特定する。
・さまざまなソースから Data Cloud にデータを取得するプロセスとその際の考慮事項について説明する。
・ベストプラクティスを使用し、ID 解決の要件に合わせてデータを定義、対応付け、モデル化する。
・用意されているツールを使用して、取得され、モデル化されたデータの検査と検証を行う。

ID 解決(14%)… 8 問
・照合と、照合セットの適用方法について説明する。
・データを調整し、そのルールセットの適用方法について説明する。
・ID 解決の結果とユースケースについて説明する。

セグメンテーションとインサイト(18%)… 11 問
・セグメンテーションの基本概念とユースケースを定義する。
・セグメントメンバーシップを分析するシナリオを特定する。
・Data Cloud 内でセグメントを設定、調整、管理する。
・計算済みインサイトとストリーミングインサイトを特定して区別する。

データの操作(18%)… 11 問
・照合と、照合セットの適用方法について説明する。
・データを調整し、そのルールセットの適用方法について説明する。
・ID 解決の結果とユースケースについて説明する。

試験対策

試験対策としては、下記の「Salesforce 認定 Data Cloud コンサルタント資格に向けた準備」という Trailmix から始めましょう。この Trailmix には通常の Trailhead の他、Salesforce パートナー限定の学習サイト Partner Learning Camp へのリンクが掲載されています。この Data Cloud の Partner Learning Camp のみ一般開放したのでしょう。すべて英語で記載されていますので、Chrome を使っている方であれば、右クリックで「日本語に翻訳」してから閲覧してみてください。

私がこれまで Accredited Professional を受験してきた所感から言いますと、Trailhead と Partner Learning Camp をやっただけでは合格レベルに達しません。そこで必ず公式のヘルプドキュメントを確認してください。特に「考慮事項」となっている箇所はそのまま試験問題として出る可能性が高いです。

このヘルプドキュメントに関しては、試験ガイドにも掲載がありますが、以下より確認してください。

Salesforce 公式の理解度チェック

今回、Salesforce 公式で「理解度チェック」が用意されていますので、一通り学習が完了したら、必ずお試しください。Accredited Professional を受けてきた所感では、この理解度チェックで出題される問題よりは少しだけ難しい問題が出題されるような印象がありました。

■ ソリューションの概要

■ Data Cloud のセットアップと管理

■ データの取り込みとモデリング

■ ID 解決

■ セグメンテーションとインサイト

■ データの操作

あと、試験対策モジュール(試験準備: Salesforce 認定 Data Cloud コンサルタント)はまだ公開されていないようです。近日公開となっていますので、期待して待ちましょう!

今回の記事が、皆さんの参考になっていれば幸いです。これから試験を受ける方もいると思いますので、ぜひ頑張って下さい!

今回は以上です。


次の記事はこちら

前回の記事はこちら

私の note のトップページはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?