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フリーアナウンサーのリアルな衣装事情

アナウンサーの衣装はタダでもらっているの?



アナウンサーはいつも番組からキレイな衣装を用意されて、それを着ている?
しかも、収録が終わったら毎回その洋服をタダでもらっている?
どうやらそう思われることが多いようです。
たしかに東京キー局ではそういうこともあるかもしれませんが、地方局のフリーアナウンサーは必ずしも。。。
そこで今回は地方のフリーアナウンサーの衣装事情を赤裸々に語ってみたいと思います。(かなりドキドキ!)

SNSを見ていると、#アナウンサー衣装 や #アナウンサーコーデ  などのタグがあり、女性アナウンサーたちが「今日の衣装でーす♡」と言ってクルクル回ったりしています。
こういう投稿を見ると、やはり毎回衣装を支給されて着用していると思いますよね。

たしかに、東京キー局ではアナウンサーそれぞれに専属のスタイリストが決まっていて、1〜2週間分の衣装を用意していただくそうです。またスタイリスト同士が連携して、共演者と色が重ならないように調整してもらうということもあるようですよ。
アナウンサーが着用したことで洋服の人気が出て、飛ぶように売れるなんてことも珍しくありません。

が、しかし!地方局の、それもフリーアナウンサーとなると事情は変わってきます。

地方局フリーアナウンサーの衣装事情



番組によって衣装をお借りできる場合もありますが、実はほとんどの地方局では自前の衣装を着ることの方が多いです。
これは私も不思議なんですが、スタジオ出演では衣装提供がつくけれど、ロケや中継ではつかないことが多いんですよ。

まず、衣装をお借りできる場合。
出演者一人一人ではなく、番組ごとにスタイリストさんや衣装提供がついたりします。スタイリストさんが選んでくださることもあるし、スタジオに登場する何日か前に、その店舗に行って衣装を選んでお借りする、ということが多かったです。

また、CMの場合は衣装を用意していただくことが多いです。
CMはイメージが大切なので(ブランドのCMの場合は別ですが)ブランドのロゴやキャラクターが入っているものや、派手なものはほぼありません。
私の場合は行政や通信会社のCMなどが多かったので、無地で優しい色合いの衣装を選んでいただくことが多かったです。

某大手通信会社フリーWi-FiCM撮影にて


クローゼットがパンパンになる

さて、では自前衣装の場合。
私は番組リポーターが多かったのでほぼ自前の衣装でした。スタジオに登場する時はお借りできるけど、ロケに行く時や中継の時は自前の衣装なんです。はっきりとした理由はわからないんですが、広島でも山口でも20年間そうなので、やはりこれは暗黙のルールとなっているようですね。

長崎での旅ロケの一コマ



だからお買物する時は超超超真剣です!(笑)
1〜2回着たら「また同じ服を着ている」と言われてしまうので、洋服を選ぶ時はとにかく「着回し重視」!!
ワンピースはほぼ買いませんでした。
トップスとボトムを組み替えて組み替えて着まわし、何度か着たものを私服にしていました。
そして、また数ヶ月後や数年後に使えるかもしれないと思い、衣装を大事に保管しておくので、常にクローゼットはパンパンです。
今はアプリで衣装をレンタルできるサービスがいくつか登場しましたが、当時はありませんでした。本当に便利な世の中になったなぁと驚いています。(ちなみにまだ使ったことはありません)

ロケ現場で写真を撮れることはあまりないので貴重な一枚


アナウンサー目線で衣装を選ぶ時のポイント

シルエット


他にも衣装を選ぶ時のポイントはいくつかあります。
まずはシルエット。
・全体のラインがきれいかどうか
・太って見えないか
・露出は多くないか
私はいくら痩せても顔だけは丸顔なので、V襟の衣装を選ぶことが多かったです。
最近は襟が詰まったデザインのものも着たりするようになりましたが。

色使いと柄


それから色使いと柄です。
血色が良く健康そうに映る色、よりバランスよく見えるものを選ぶようにしています。

ちなみに昔は「黒い衣装」や「白い衣装」を着ていくとカメラマンさんに怒られました。黒い衣装は色がつぶれる、白い衣装はハレーションを起こしやすくて撮りにくいという理由だそうです。
また一番怒られるのは「チェック柄」や「ピンストライプ」など細かい模様の衣装でした。「モアレする」とカメラマンさんに怒られました。
モアレとは 網点などの規則正しい模様が重なった時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことです。テレビで見た時、細かいチェック柄や千鳥格子の衣装がチラチラ見えてしまうアレですね。
今はカメラの技術も進歩したのかあまり言われなくなりましたが、私は撮影の時はなるべく着ないようにしています。

共演者とのバランス


あとは共演者とのバランスです。同じ色でかぶらないようにロケ前に連絡して調整しています。また、事前に連絡が取れないゲストさんと色がかぶってしまわないように、場合によっては余分に衣装を持参したりしています。

清潔感・好感度


そしてとにかく清潔感・好感度が大切!
例えて言うなら、「彼のお母さんに初めて会いに行く時に着て行くようなコーディネート」です。年上の女性の目は厳しい!(汗)
胸元が空かないものを選ぶ、スカート丈はひざより下のものを選ぶ、などもポイントです。最近はロングスカートやスカートに見えるワイドパンツなどがお気に入りです。


番外編

…と言いつつも、放送局の女性アナウンサーは温泉に入らないですが、フリーアナウンサーは海もプールも温泉も入ります!番組のコーナーによっては水着や温泉シーンもありました。
そしてこんな衣装を着ることもありましたよ。

番組でマリオの話題をルイージになってリポート


YAB「DO-YO-DA」「お願い値切り姫!」のコーナー(もはや知っている人は少ない)



求められることには120%満足していただけるよう一生懸命取り組む私です!

ということで、だいぶリアルな地方フリーアナウンサーの衣装事情でした!



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