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私の偏愛日記:韓国ドラマ『クリスマスに雪は降るの?』を観てうなった話

またまた、とんでもない韓国ドラマを観てしまった。

AmazonのPrimeVideoで韓国ドラマを解禁(笑)してから、ほぼ時代物しか観てこなかったのだけれど、ふと興味をひかれたドラマが、『クリスマスに雪は降るの?』。2009-2010年放映だから、もう10年以上前の作品です。

ささっと検索してみたブログのドラマ評でも、謎とされていたのだけれど、タイトルとオープニングのイメージからはまったく想像できない、ものすごく濃くて、苦しいラブストーリーでした(どんなだ)。

ストーリーについては、検索してBSの番組表などから拾ってくださいね!

このnoteでは私の偏愛記録を綴りますので、興味のある方はどうぞ。

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最初にはまった韓国ドラマ『冬のソナタ』&一連のチェ・ジウ主演のメロドラマ(って今どき言わないか)で、急激にハマって一気に熱が冷めて以来、現代もののラブストーリーは基本は観ない。なので、2020年の話題作『梨泰院クラス』も『愛の不時着』も観ていない。

それなのに、このドラマを観る気になったのは、ひとえに、主演のコ・スが観たかったから。コ・スのファンになったのは、これもPrimeVideoで観た『オクニョ~運命の女』からで、顔がとにかく好き。ツンデレのキャラも好き。実直で不器用そうなキャラも好き(って、これらは役柄のキャラですけど)。

ここのところは、『100日の郎君様』の沼にハマっていて、ひととおり観たあとは、主人公のウォンドクとホンシムのシーンだけを、飛ばしながら観るという偏愛ぶりだったのだけれど(その後は主演のド・ギョンスの除隊ニュースを知り、You TubeでD.O.(ド・ギョンスのK-POPグループEXOでのニックネーム)関連の動画にハマるという沼に突入)、それにもさすがに飽きてきて、思い出したのがコ・スだったわけで。あ、その前にいくつか別の韓国ドラマ&映画も観ていますが。

コ・ス主演の作品では、数ヶ月前に観た『尚衣院』がとてもとても好きなのですが、その話はまた別に書くとして、連続ドラマが観たいな~と軽い気持ちで『クリスマスに雪は降るの?』を観始めたのでした。

で、16話をほぼ4日で観てしまった。

ダウンロード前に、全話のあらすじを読んだにも関わらず、抑えきれずに続けて観てしまった。さすがに、夜通し観続けることはしなかったけれど、朝に1話、ランチに1話、夜に3話というペース。あれ、それなら3日で終わる(笑)。

とにかく、胸をしぼるような苦しい感情の渦に巻き込まれてしまう。途中で、コ・ス演じるガンジンや、その想い人のジワン(これ、ほんとはチウァンだよな~)が、泣きながら胸をたたくシーンが出てくるけれど、私がこの人なら、確かに嗚咽しながら苦しい胸を叩くかもなぁと本当に思う。それくらいに、割り切れない、切ない感情をぐいぐいと心に流し込んでくる。

そう。最近は「割り切れない」と言葉にすることがなくなったけれど、一つの感情では言い表すことのできない、まぜこぜで、たっぷりと密な感情。泣くことでしか表せないような、切なくて苦しくて、後悔と、でもこうしたいという熱い想いと、両極に引き裂くようなエネルギーを持った感情。

観ているうちに心がその感情の波に満たされてしまって、観終わったあとにも、揺れているような感覚(しかも、決して心地よい揺れではないのに、また満たされたくなる不思議!)

あぁ、でも、こんな感情の複雑さ、人間の心理の非合理さ、そして、つらい感情の体験を乗り越えていく強さを、観せてくれる日本のドラマはそうそうないよなぁと思うのです。

このドラマを、とんでもないと思ったのは、その不思議な感情というものを、主人公二人だけではなく、関わる人々それぞれが観せてくれるというところ。特に、これは誰も文句を言わないだろうけれど、主人公ガンジン(コ・ス)の母チュニがとにかくすごい。

ストーリーで言うと、このチュニが、駆け落ちしそこねた(つまり捨てられた)昔の恋人が忘れられず、女手一つで育てた二人の息子とともに故郷に帰るところからスタートするのだけれど、未練たらたら、純愛一筋、元恋人の妻への嫉妬と恨み、プライドと自己卑下、許しと憎しみ……、現れる感情にまったく一貫性がない! つまり、自分の感情にとても素直で、忠実だということなんだろう。

え?え? こないだはこう言ってたじゃん!とつっこみつつ、でも、感情ってこういうものだよね、その気持ち、わかる~。となってしまう。そして、自己中心的な言動に眉をひそめつつも、ずっと付き合っているうちに、そのすべてが可愛いと思えてくるのだ。最初はチュニの帰郷に戸惑い、距離を置いていた元恋人のジュンスも、なりふり構わず近づいてくるチュニに、次第に愛おしい感情を思い出していく(あ、これは私の見立てです)。

そう言えば、息子であるガンジンもそうだ。
3話の途中までの高校生時代のガンジン(なんと、今をときめくキム・スヒョン!)は、夜はお酒も出す喫茶店で媚を売る母を、疎ましく思う気持ちと守りたい気持ちとの葛藤で、いつも怒りを内部に溜め込んでいた。けれども、ソウルで一流建設会社で働くようになってからは、毎晩のように電話してくる母を「チャ・マダム」と呼び、酔いまかせの愚痴や甘えを聞いてやり、子どものようにねだられて電話越しに歌を歌ってやるのだ。

そしてついには、元恋人ジュンスと駆け落ちしようとする母に、いったんはあきらめ脱いだハイヒールを履かせて、行かせてしまう。残される自分がどれほど傷つくかを知りながら、その駆け落ちが、自分が愛するチウァンとの仲を引き裂くことも予見しながら、想い人と最後の時間を過ごしたいという母の切ない想いのほうを受け入れてしまうのだ。

ふ……。複雑すぎる。

いやはや、思い出しても、このドラマはストーリーを追うものではなく、感情というものをつぶさに観るものなのかもしれない。

ストーリーは、そこまでやる?っていうところがあるし、ご都合主義もあるし、伏線らしきものは途中で消え、そして韓国ドラマに欠かせない記憶喪失(言い過ぎ?)。けれども、圧巻のチャ・マダムと、主人公のガンジン、チウァンはもちろんのこと、さらには恋敵役のカップル(なんか変だけど)パク・テジュンとイ・ウンジュ、周りを取り囲む友人たちも含めて、相反する感情をないまぜにした複雑な感情を生きている。

そして、ここは特筆したいのだけれど、誰一人として嫌な人がいないのだ!
後半は憎まれ役になるジュンスの妻ヨンスク(チウァンの母)ですら、つらく苦しい感情を生きてきたこと、そして、素晴らしい愛すべき存在であることがわかってくる。ラストシーンは、ほのかなハッピーエンディングなのだけれど、そこへ向かうシーンのオモニ、ヨンスクの回想シーンが、また泣けるのだ。

人間の心理に、理屈なんてない。
人間の感情に、割り切れるものなんてない。

この泥くさい人間を描くことが、韓国ドラマの真骨頂なのかもしれない。

そう思ったのは、先に触れた『尚衣院』と、コン・ユが主演の『男と女』が素晴らしかったから、というのもあるのだけれど。

『クリスマスに雪は降るの?』がとてつもない、と思ったお話でした。

2つの映画については、また別のnoteで。

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