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お弁当の違和感

お弁当を眺めている。

弁当箱はいたって普通のワンプレートで、中央におかず側とごはん側に分けるしきりのあるものだ。左側には卵焼きやアスパラの豚バラ巻にほうれん草のおひたし。右側には、甘めの梅干しがのったごはん。どれも大好物だ。

それなのに感じる強烈な違和感。

眺めているうちに何となくこの違和感の正体がわかってきた。ぼくは、お弁当を180度回転させた。先ほどまでの違和感は消え、完璧な母の手作り弁当が姿を現した。

ぼくは、ごはんが左側、おかずが右側に無いと気持ち悪くてダメらしい。

理由は今のところ全く分からない。ごはんが左側にないとダメなのか、おかずが右側にないとダメなのか、またはその両方か。かろうじて推察できることと言えば、ごはんが左側にあることが多いということだ。ぼくは右利きなので、お茶碗は左手で持つ。その為、ごはんは必然的にテーブルの左側に寄ることが多い。身体がその状況に馴染んでいるために感じた違和感の可能性がある。

ただこの理論には反例がある。ぼくは、カレーがライスとルーに分かれている時、ライスが右側に無いと気持ち悪く感じるのだ。なぜ、お弁当のごはんは左側で、カレーのライスは右側なのか。お弁当に手をつけないまま考えた。

もしかすると、これはもう全く別の次元の話をしているのかもしれない。

カレーの場合、ルーがメインだ。だからルーの分量を最後まで調節できるように、なにもかかっていないライスから手を付ける。お弁当の場合、ごはんがメインだ。いかにごはんを美味しく食べるかが目的であり、おかずはそれの手段に過ぎない。だから、最後までごはんが残るように、手のつけづらい左側に配置してるのかも、、

何を考えているんだ。カレーはライスがぜんぶ隠れるくらいルーをかけたいし、お弁当ものり弁みたいにごはんの上におかずがのっているのが一番いいに決まっている。

いただきます。

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*毎日おなじもの食べても飽きない鈍感さがありますが、こういう違和感には敏感です。


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