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秀吉とメロスはどれくらい走っていた?

教科横断型の学習へのシフトが叫ばれる中、一体どんな学びが子供たちにとって必要なのか。もしこんな授業が学校教育であったら、面白いなと思う。


織田信長が明智光秀によって自害に追い込まれた、俗にいう『本能寺の変』。その敵討ちのため、豊臣秀吉の軍が現在の岡山県から京都府までの230㎞を10日間で行軍した『中国大返し』を数学的に検証すると言ったものだ。

行軍に必要な兵士たちの消費カロリーや兵糧の確保などを計算している。内容はぜひリンク先で読んで欲しい。事実は小説よりも奇なりとはいうが、その奇を真剣に考察する面白さがある。

歴史や地理、数学や生物などの知識を複合的に活用して仮説を立てる。これぞ、教科横断型の学習と言えるのではないだろうか。

またこんなものもある。


あの太宰治の作品『走れメロス』。その主人公であるメロスがどれくらい急いで走っていたのかを検証するというものだ。

これは、一般財団法人 理数教育研究所が開催した「算数・数学の自由研究」作品コンクールで入賞したものだ。制作者は、当時中学2年生の村田一信さんだ。これまた内容はリンク先で見て頂きたい。

メロスの平均移動速度を算出した結果、なんとメロスは“ほぼ歩いていた”そうだ。え、友達の命がかかっていたのに歩いていた??たどり着いた時にボロボロだったのはなぜ??自演??めちゃくちゃ面白い。

文学、地理、天体、数学の知識を使ってこんな面白いものができるのだ。人それぞれに興味関心があると思う。日常で生まれる素朴な疑問を多角的に検証し、考察する。本当の学びがそこにはある。

学校教育がそのように変わったら、塾講師であるぼくの仕事は無くなってしまうかもしれない。だが、そんなことは小さいことだ。未来の子どもたちが、自分の知的好奇心を存分に満たし、面白いものを追求できる未来。そんな時代がいつか来ることを、切に願っている。

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*映画の名シーンを科学するのも面白そう。



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