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詩日記

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2022年12月の記事一覧

小さな世界

小さな世界

わたしはあなたにありがとう

あなたもわたしにありがとう

わたしたちはありがとうを地軸にして自転する

都合よく

都合よく

よくなかったことはぜんぶわすれて、よかったことはぜんぶおもいでにして、次の年が来るのを待たずに、よいお年を、と今年とお別れしよう。

闇の中で

闇の中で

明るすぎるヒカリ、安すぎるモノ、ヒトで溢れすぎたマチ、作り込まれすぎたフウケイ、うるさすぎるヒ、から逃げて、闇の中でひっそり過ごそう。

蛇

あなたを見ている
のに、目に映るのはわたしの姿

あなたの声を聞いている
のに、耳に聞こえるのはわたしの声

あなたの気持ちを感じている
のに、心に残るのはわたしの気持ち

わたしは、わたしで、わたしばっかり

間違えた

間違えた

道を間違えたけど、綺麗に咲くバラを見れた

字を間違えたけど、手紙を送ったら喜んでくれた

日を間違えたけど、2回お祝いすることができた

言葉を間違えたけど、間違いではなかった

不自由

不自由

広い空を飛べる翼がほしい。

そう思ってる、

そう言ってる、

そう翼を持ってる、

翼を持ってるはずなのにどこへ飛んでいけばいいのかわからず、

今日も窮屈な電車に乗ってる。

クリスマス

クリスマス

お金がある人も、お金がない人も
仕事をしている人も、仕事をしていない人も
ニコニコ笑っている人も、シクシク泣いている人も

青空広がる街も、一面真っ白な街も
人で溢れた街も、人ひとりいない街も
光いっぱい明るい街も、光ひとつない暗い街も

何かのはじまりで、何かのおわりでも
わたしひとりでも、あなたとふたりでも
昨日を忘れたとしても、明日が来ないとしても

今日は祝おう、今日を祝おう、お祝いしよう

(クリスマスイブ)

(クリスマスイブ)

幾人かの男女でひしめく繁華街の歩道ですれ違うカップルと肩がぶつかりどちらからともなく頭を下げてまた先を急ぐ金曜日の夜(クリスマスイブ)。

火

手足の指が悴む寒い冬の朝

薄い毛布に包まって読む本

電気ストーブより温かい火

重ねる年

重ねる年

コンビニでスイーツを買うより、八百屋に果物を買いに行き家で剥くようになった。冷蔵庫で冷えた麦茶より、沸き立て熱々の白湯を飲むようになった。MacBookで検索するより、一輪挿しの花を観察するようになった。フィギュアを飾るより、家の壁に絵を飾るようになった、一分一秒を争うより、一分一秒を堪能するようになった。年をとった。

朝夕

朝夕

夜、ずっとこのまま永遠に明けないよう

朝、すっとかんたんに一瞬で過ぎ去るよう

あかり

あかり

今日もまたひとつ街の灯りが増えた、そしたらまたひとつ見えるはずの星が見えなくなった。

入り口

入り口

入り口のすぐ先には、めんどくさいことたちがいる

道中は、めんどくさいこととたのしいことが交互にやってくる

やっと着いた出口には、たのしいことたちが待っている

でもめんどくさいことたちがまたついてきている

引き分け

引き分け

勝ち負けとかやめにしよう、勝ち負けとかもうやめにしよう、勝ち負けとかはやくやめにしよう、みんな勝ってるしみんな負けてるんだから、みんなで引き分けて、それでおわりにしよう。