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熊は筋萎縮ゼロ?

ICUの患者さんは1週間で約20%の筋肉が萎縮します。

しかし熊は約半年も冬眠して、筋肉が萎縮しないといわれています。しかも、冬眠が終わると活発に動き回ります。

なぜ半年も食事をせず、寝ているだけなのに筋肉が萎縮しないのかはっきりとしたことは分っていません。

ある研究ではタンパク質の異化やエネルギー利用の代謝経路に変化がおこり、筋肉の萎縮を抑制するといわれています[1]。

現在は動物実験において、人為的に代謝を抑えることが可能なところまで研究は進んでいるようです[2]。

ICUの患者さんも筋萎縮をきたすメカニズムを明らかにして、その機序を抑えることができるのでしょうか。まだまだ研究が必要です。

図3

写真:阿蘇カドリードミニオンから引用

参考文献:

1. Miyazaki M, Shimozuru M, Tsubota T: Skeletal muscles of hibernating black bears show minimal atrophy and phenotype shifting despite prolonged physical inactivity and starvation. PLoS One 2019; 14:e0215489

Sunagawa GA, Takahashi M: Hypometabolism during Daily Torpor in Mice is Dominated by Reduction in the Sensitivity of the Thermoregulatory System. Sci Rep 2016; 6:37011


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