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[800字コラム] 実力主義って

高校の頃、中間試験や期末試験では良い点を取っていても、期初に行われる実力試験はそれほどでもない学友がいた。彼は、言ってみれば学力が備わっているというよりは試験範囲を丸暗記するスキルに長けていたのだ。

理屈じゃなく覚えこむことも大事だから、丸暗記が決して悪いとは思わないけど、必要なアイテムを備えさえすればゲームをクリアできる、全クリしさえすれば成功できる、と考えるのは一種の思い込みに過ぎないだろうとは思う。その学友は志望大学には入れなかったと記憶する。

そして、実力って何なんだろう。

Wordを使わせたら「一太郎じゃないと俺の実力が発揮できない」
Windowsを使わせたら「Macじゃないと俺の実力が発揮できない」
Canonを使わせたら「Nikonじゃないと俺の実力が発揮できない」

……それって実力じゃないと思う。
自分が決めた土俵の大きさで、自分で決めたルールの中だったら成果が出るのは当たり前の話。

制限や制約だとか、あるいは明らかに自分より他人が有利に立っているような状況で、期待される以上の成果を挙げられることが実力なのではあるまいか。
 
即ち、成果を挙げ結果を残せることまでを含めて実力というべきであって、「実力が出せないのは外的要因のせい」というものの言い方がそもそも間違いなのだろう。

例えば受験勉強のように、単純にスコアで評価されるものでも、本番の試験で結果を出した人だけが勝ちなのであって、模試でどれだけ合格ラインを超えていたとしても、本番でしくじったら負け。どんな言い訳をしても不合格は合格には変わらない。

勝ちは勝ち、負けは負け。

その事実を潔く認められる人、そしてすぐに次のステップに挑める人が、実力主義の人と言えるんだろう。
そして、成果が出ないのを「自分の実力が正当に評価されないから」などと主張する人種は、もともと実力など備えておらず、単に自分を過大評価しているだけなのではあるまいか。

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