
企画力を上げる4Rメソッド〜総括編
クリエイティブ能力が求められる時代に「企画力」を伸ばす!
これからはクリエイティブ能力が必要な時代。
人工知能や機械に置き換えられない、人間らしい力を伸ばさなければ!
企業に勤めている人も、独立している人も、同じ課題意識を持っていることでしょう。
なんせ、今ある仕事の50%はなくなると言われているのですから。
本当に死活問題です。
しかしながら…
クリエイティブ能力を高めよう!と思った時、そのための手段がないのが、辛いところ。
芸術性、文章力、発想力…
こうした力って、磨き方がわからないですよね。
学校教育では学ぶ機会の無い分野だけに、手が出せない。
ただ、こうした分野を伸ばさないと、未来は無い!
う〜ん…困りました。。
そこで、僕からご提案。
クリエイティブ能力の中でも、ものごとを動かすうえで非常に大切な力
「企画力」を高めるところから始めませんか?
企画と聞くと、発想力が求められそうで難しいイメージがあるかもしれません。
が、実際のところ、「企画力」は、正しく学べばすぐに身につきます。
そして、企画の4Rメソッドを使えば、「誰も考えつかないアイディア」も、生み出すことができるのです。
アイディアマンじゃなくてもOK!
4Rメソッドは、「企画」のための視点を生み出す道具みたいなもの。
使い方に慣れさえすれば…誰でも使いこなせますよ!
IQMOUクエストはこうして生まれた
IQMOUクエストというサイトをご存知でしょうか?
IQMOUクエスト→http://iqmou.com/
これは、ハゲを気にしている人に「ハゲでもハッピーな人生」を提案するポータルサイト。
まるでドラゴン◯エストのように、ハゲの勇者(読者)がレベル99(神)を目指して冒険するためのサイトです。
普通、ハゲの方向けのサイトを作ろうと思ったら…
ハゲに対する共感的な文章を書きながら…
最終的に「育毛剤を売っての広告収益」が落とし所になるもの。
結局ハゲから金を毟り取るんかい!
と、ハゲを取り巻く厳しい環境に怒っていた、高杉氏と僕が結託し生み出したのがIQMOUクエストです。
育毛剤の情報も載っていますが、それは「ハゲという運命に立ち向かうならどうぞ」という提案レベル。
あくまで、目指すのは「ハゲでもハッピーな人生」ですから。
IQMOUクエストを生み出したメソッドこそ、企画の4Rメソッド。
実は、ハゲをなんとかしたい→ハゲでもハッピーという視点の切り替えが、この企画の肝だったのです。
企画の4Rメソッドとは?
企画の4Rメソッド。
これは、僕が独自開発した、企画を生み出すメソッドです。
僕は企画力を、
「今は世の中にない魅力的なコンテンツを生み出す力」
と定義づけています。
つまりは、
「イノベーションをカタチにする力」
とも言えるでしょう。
こうした力って、「ひらめき力のある一部の人間だけが持つもの」と思われがち。
スティーブ・ジョブズと聞くと、自分とは異なる人種と思えたり、
広告代理店と聞くだけで、特別な人間が集まる恐れ多い場所と思えたり…
これは、「企画力」が、天から与えられた才能と捉えるからに違いありません。
違うんです!
企画力は誰でも磨けます。
そのためのメソッドについて解説していきましょう!
4Rとは、「イノベーションを発想する4つの視点」です。
それらを組み合わせて使うことで、どんなジャンルについても企画を生み出せます!
1:Re-solve=問題解決法
2:Re-verse=ひっくり返し法
3:Re-mix=組み合わせ法
4:Re-place=置き換え法
IQMOUクエストの場合は、
「ハゲはなんとかすべきもの」という常識を、
ひっくり返し法で
「ハゲでもいいじゃん。むしろハゲでハッピーって価値観があってもいいじゃん」と、ひっくり返したのです。
この企画の4Rメソッド。
使いこなすと、あなたは職場のヒーローになれます。
アイディアマンとしてちやほやされます。
そればかりか、自身にとって重要なテーマについて、
新しいソリューションを企画することだってできるのです!
では、4つのRについて、一つずつお伝えしていきましょう。
企画の4Rその1:Re-solve=問題解決法
1つめは、Re-solve。
つまり、問題解決法です。
ビジネスは問題解決だ!!
世の名経営者は、皆さんそう言います。
問題=未解決のニーズなのですから、それらを解決する方法があれば、お金を払ってでも欲しい!という人は必ずいる。
問題と解決策のマッチングがビジネスなのですね。
こうした未解決の問題に目を向けていくのが、
1つめのR=問題解決法です。
例えば…
小林製薬の「ブレスケア」
その昔、人々は困っていました。
ニンニク料理やアルコールの後の口臭に。
ガムを食べたり歯を磨いただけでは、どうにもならないその口臭。
何とかしたい…
こんな未解決の問題をとらえ、その解決策として考え出されたのが「ブレスケア」
お腹の中から、息リフレッシュ!
これは便利!ということで、ヒット企画となりました。
問題解決法のコツは、
「リアルな悩み」に目を向けること。
世の中を、普段通りの目線で見渡しても、問題はハッキリ見えてきません。
なぜなら、人は日常に慣れきっているから。
問題を問題とすら感じていないから。
(不便だなとは感じても、「問題」とまではとらえないのです)
もしも…
ニンニク料理を食べた後は息が臭くて当たり前でしょ。ガムを噛んで応急処置するのが精一杯。
ととらえていたら、ブレスケアは生まれなかったのです。
ディズニーランドの乗り物は混んでいて当たり前。
乗り物のあるエリアまで行ってみて、待ち時間の看板を見て、列に並ぶか他の乗り物へ行くかを決めるのが当たり前。
こう捉えるのか、
わざわざ近くまで行かないと待ち時間がわからないなんて問題だ!と捉えるのか。
この違いが企画力の出発点です。
ちなみに、以下のことにアンテナを立てておくと、問題解決法を使いこなす力が身につきやすいです。
・不便だなと感じることは?
・もったいないなと感じることは?
・これはどうにもならないと諦めていることは?
・身近な人が愚痴をこぼしていることは?
(家族、恋人、同僚、常連客)
あなたの身の回りの、未解決の問題を発見しましょう!
その解決策が…新企画になります!
企画の4Rその2:Re-verse=ひっくり返し法
2つめは、Re-verse。
つまり、ひっくり返し法です。
先ほどIQMOUクエストの例でも登場したこの方法。
使いこなすと、非常に強力です!!
使い方はシンプル。
ステップ1:企画を生み出したいテーマを決める
ステップ2:そのテーマにまつわる「常識」を書き出す
ステップ3:「常識」を正反対=「非常識」にひっくり返す!!
ステップ4:「非常識」を組み合わせてカタチにする
この4ステップで、企画が誕生します。
例えば、
あなたが婚活イベントの主催者だった場合。
(僕の主催する「企画力アップ朝活」で実際に扱ったお題です。)
これまでにない新しい合コンを企画しよう!となったら…
いきなり「新しいこと」を考えると失敗します。
まずすべきは、「合コンの常識」を書き出すこと。
合コンですること/しないこと、あること/ないことを書き出します。
当たり前と思えることも、書き出します。
※数は多ければ多いほど良いです。
本気で企画を作りたいなら最低100個。
500個書き出すと一気に力がつきます!
<合コンの常識>
・自己紹介をする
・名前、仕事、趣味を話す
・夜にやる
・男女比が50:50
・飲食店でやる
・参加費は5000円前後
・途中で席替えをする
・だいたい2時間前後
・うまくいけば、連絡先をゲットできる
・当たりもあればハズレもある
・当日、会場で初顔合わせ
・事前情報は知らない
・トイレに行くふりをして作戦を練る
・解散後、反省会をする
・出逢いが目的・・・etc
これで15個。
実際の企画の現場では、もっとたくさん出します。
テーマに関してだけでなく、「異業種同ターゲット」についても考えてみると良いでしょう。
※美容院なら、美容業界=エステ、ネイルサロン等についても考える
飲食店なら、飲食業界=弁当屋、デリバリー等についても考える
次に、「常識」を「非常識」にひっくり返します!
<合コンの非常識>
・自己紹介をする→自己紹介をしない!
・名前、仕事、趣味を話す→名前、仕事、趣味を話さない!
・夜にやる→夜にやらない!
・男女比が50:50→男女比がアンバランス!
・飲食店でやる→飲食店でやらない!
・参加費は5000円前後→参加費は5000円よりむちゃ安いorむちゃ高い
・途中で席替えをする→席替えをしない!
・だいたい2時間前後→2時間前後じゃない!数分?数時間?
・うまくいけば、連絡先をゲットできる
→連絡先はもれなくゲットできるor絶対にゲットできない!
・当たりもあればハズレもある→全員当たりor全員ハズレ!
・当日、会場で初顔合わせ→初顔合わせじゃない!
・事前情報は知らない→事前に情報を知っている!
・トイレに行くふりをして作戦を練る→作戦を練らないor堂々と作戦を練る!
・解散後、反省会をする→反省会をしないor合コン前に作戦会議!
・出逢いが目的→出逢いが目的じゃない!
これで、
「非常識」が15個集まりました。
この「非常識」。単体で見ても、新しい切り口です。
連絡先が絶対にゲットできない合コンって…どんなんでしょ!?
次のステップは、「非常識」を組み合わせてカタチにする。
非常識 × 非常識=超・非常識
絶対新しい切り口になります。
魅力的な組み合わせを考えるのです。
例えば…
非常識1:男女比がアンバランス
非常識2:連絡先はもれなくゲットできるor絶対にゲットできない
非常識3:堂々と作戦を練る
を組み合わせると…
男女比は女性1:男性3!
女性を楽しくさせられば、男性は全員連絡先をゲットできる。
女性に退屈な思いをさせてしまったら、全員アウト。
2時間の間に2回、作戦タイムが設けられ、男性チームは作戦会議が可能。
サバイバル合コン。
うん。新しい。
男性同士の連帯感が生まれるし、女性は優越感に浸りながら楽しく飲める。
出逢いというより、リアル脱出ゲーム的なアミューズメントですね。
ひっくり返し法は、このように使えます。
テーマは何でもOK。
ポイントは、常識を愚直に洗い出すこと。
そして、素直にひっくり返すことです。
あなたの職場でも、確実に役立ちますよ!
企画の4Rその3:Re-mix=組み合わせ法
3つめは、Re-mix。
つまり、組み合わせ法です。
ラジオ+カセット=ラジカセ
携帯電話+パソコン+カメラ+その他諸々=スマホ
トレーニング+コーチング=ライザップ
世の中のヒット企画には、組み合わせ法が関わっている場合がほとんど。
コカコーラ社の「いろはす」
これは、水+フレーバー=フレーバーウォーターという新ジャンル。
もも、レモン、みかん、なし…色んなフレーバーが出ています。
これまでは、水に甘みと色と風味をつけた「ジュース」が常識でしたが、
甘みは加えず、香りだけをプラスしたのが、いろはすの新しさでした。
最近では、いろはすのヒットに乗じて、
フレーバーウォーター+乳酸菌とか、
フレーバーウォーター+食物繊維という健康志向系の水も出ています。
これも組み合わせ法ですね。
組み合わせ法は、
単体で使うより、ひっくり返し法と組み合わせるのが効果的。
常識を洗い出したうえで、「非常識な要素」を組み合わせるのです。
この要素が、常識と程遠いほどに、企画は斬新になります。
企画の4Rその4:Re-place=置き換え法
4つめは、Re-place。
つまり、置き換え法です。
この方法は、数学の因数分解のように、テーマを分解。
そして、分解した要素のどこかを「置き換える」方法です。
例えば、
寿司を因数分解すると…
ネタ×シャリ×醤油×薬味×サイドメニュー×寿司下駄×板前…
てな感じで、分解できます。
このうち、板前をロボットに、寿司下駄をベルトコンベアーに置き換えたものが、回転寿しです。
まさに置き換え法ですね。
置き換え法は、
ステップ1:テーマの因数分解
ステップ2:一部を置き換え
という手順で使えます。
別の例。
床屋を因数分解すると…
ヒアリング×カット×シャンプー×顔そり×店舗となります。
一部を置き換えた結果…生まれたのがQBハウス。
(QBハウス)
駅構内にある、10分カットのお店です。
ヒアリング→しない
シャンプー→しない
顔そり→しない
店舗→駅構内
に置き換えた結果、10分カットという新企画が生まれました。
置き換え法を使いこなすには、
扱うテーマを分解することから。
整体院なら、サービスの流れを丁寧に分解します。
受付→ヒアリング→施術→コーチング→お会計
のように。
施術にばかり注目しがちですが、こう分解すると…
施術後の「コーチング」要素を置き換えてみると、サービスの質が変わります。
企画力アップの一番大切なコツ
企画力を上げる4Rメソッドについてお伝えしました。
企画力を上げるには、4つのRを知るのも大事。
この記事を繰り返し読んで、4Rの視点を落とし込むと良いでしょう。
そして…より大切なのは、
日常で違和感を感じた時、「自分ならどうする?」と考えることです。
その接客、どうにかならないの?と感じたなら…
自分ならどうする?と考える。
このメニュー表、分かりにくいなぁと感じたなら…
自分ならどうする?と考える。
こうした気づきをスタートに、4Rメソッドを活用する。
こうして、企画力は養われます!
そして、ディスカッションする場を持つのも大切ですね。
会社の会議では、「常識」「当たり前」が空間を支配しがち。
そんな空間では、「企画力」は生まれません。
そこで!会社の外に、新しいことを考えられる場、
アイディアを発表し、ぶつけ合える場を意識的に作ってみましょう。
企画力は、人との関わりを通して、最も磨かれるのですね。
企画力は、知識より実践が命。
日常で、ビジネスの現場で感じたことを出発点に、企画をカタチにしてみましょう!!
※企画力を高める場として、公開講座を開催中です。
関西近郊の方、遊びに来てください☆
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