nobusan

現実では実現できないことが、小説の中では実現できる。 好きな自分を好きなだけ演出できる…

nobusan

現実では実現できないことが、小説の中では実現できる。 好きな自分を好きなだけ演出できる。 あふれる幸運 都合のいい展開。 難しく堅苦しい文学ではなく、楽しくなることだけを目的に書かれた夢童話。 現実社会で少し疲れた時には、気晴らしに、小説の中で好きな自分を楽しんでください

マガジン

  • 虚構の青春プレイバック

    人にはそれぞれ思い出がある 悔やんでも悔やみきれない苦い思い出さえも、何時しか、見事に美しい思い出として記憶にとどめているのだろう 多少の事実をもとに華燭して作り上げた物語 ノスタルジーに浸されて、深夜に一人香高いコーヒーを飲みながら夢想する 虚構の青春物語をプレイバック 思い出はほろ苦く胸に突き刺さることもある

  • 僕の夢物語4 幸運なる日々

    禍福は糾える縄の如し  人の世というのはいつも幸運というわけにはいかないようである ところがこの物語  幸運にあふれているのである

  • 僕の夢物語3 名人の系譜

    夢に現れた将棋名人大山十五世の系譜を継ぐものとして  僕の脳裏の大山十五世の幻影に誘われプロ棋士を目指す

  • 僕の夢物語2 理想の町

    少子高齢化の進展とともに寂れゆく地方の町が再び輝きだす  高度成長期さながらに僕の町「夢野市」は発展していく  四国の西南端にある人口2万人ばかりの地方都市「夢野市」  事業で成功を収めた僕の友人が、潤沢な資金を駆使し、理想の町をつくっていく    夢のある町 僕の「夢野市」にウエルカム!

  • 僕の夢物語 テニスプレーヤー

    現実ではとても有り得ない夢のような出来事が都合よく起こる短編のドリームメルヘンです

最近の記事

  • 固定された記事

僕の夢物語 理想の町1                         ~序章 夢の始まり~

僕はこの町を理想の町にしたいと思っていた。 都会から遠く離れ「僻地」と言われ寂れゆくこの町を何とかしたいと考えていた。 高度成長期が終焉を迎え、バブルがはじけ、どんどん疲弊していく町を見るにつけ、何とかしようという思いは日に日に強くなっていた。 そんな僕に好機が訪れたのは、大学時代の友人との再会であった。  谷口吾一は、わずかばかりの資金を元手に会社を立ち上げ、今では全国に数十社をもつ経営者としてその名を馳せていた。 IT産業のせいか、田舎での会社運営も可能である

    • 令和6年気分も新たに( ´∀` )

       完全退職して初めての正月  仕事の無い毎日はさぞや退屈するのではないかと思っていたが、想像に反して毎日退屈することもなく過ごしている  テニス、菜園、ブログ、英会話が主な日課であるが、恥ずかしながらそれ以上にテレビ視聴が多くの時間を占めている  モーニングショーにワイドショー  朝から大層に時間を消費している( ´∀` )  4月から始めた物書き生活はあえなく3か月で休眠してしまい新年を迎えることになった    段々に物語を書いてみようという気持ちも起こってきたので、理想の

      • 久々の更新

         光陰矢の如しとはよく言ったものである  退職を機に少し物書きをしてみようと始めたこのブログも8か月が経つ  始めこそ毎日更新を心がけていたのであるが、3か月を待たずに撃沈  しばらく小説を書くこともなく過ごしていた  書きたい気持ちがなくなったわけではないのであるが、あまりに陳腐に過ぎるストーリーに正直辟易している  夢物語から少し離れて、何かしら書けないかと現在模索中  再開はもう少し先になるのだろうか

        • 僕の夢物語5 寒蘭に夢見た人々

           僕の夢物語シリーズ4作を書き終え2ヶ月が過ぎた。  僕の夢物語4 幸運なる日々は5話で終えたが、実はもう少し長く書くつもりだった。ところが、書き進めるうちに思い通りにならず、段々嫌気がさして脱稿してしまった。  元々ドリームメルヘンを書こうとして、現実ではありえない幸運なストーリーを考えていたので、展開としてはこんなものだろうと思うが、あまりに陳腐で安易なストーリー展開に自分ながら、苦笑を禁じ得なくなって止してしまった。  次なる習作をどうしようか考えていたが、やはりこの路

        • 固定された記事

        僕の夢物語 理想の町1                         ~序章 夢の始まり~

        マガジン

        • 虚構の青春プレイバック
          3本
        • 僕の夢物語4 幸運なる日々
          5本
        • 僕の夢物語3 名人の系譜
          9本
        • 僕の夢物語2 理想の町
          15本
        • 僕の夢物語 テニスプレーヤー
          6本

        記事

          虚構の青春 学生時代 前編

           夢にうなされて目が覚めた。実体のない不安が脳裏から離れない。まだ覚めやらぬ脳内はうすぼんやりと霞のかかったような朦朧とした状態が続いている。  「上野雄介」  40年も思い出しもしなかった友の名前が突然に思い出された。  それは実体を伴ったものではなく、ただただ、学生時代の思い出の断片として、まさに青春時代の亡霊の如くに現れた。  1970年代は、学生運動も下火になり、高度成長期から安定成長期へと日本経済は発展をつづけ、将来に何ら不安はないかのごとくに、日本中が沸き立って

          虚構の青春 学生時代 前編

          虚構の青春 学生時代 後編

           上野雄介とは、それほど親しく付き合っていたのではない。  その頃毎日のようにつるんでいたのは、岡原や竹上、窪田である。それが突然夢の中に現れ、思い出されたのが、上野雄介であることに、少し戸惑いを感じている。  上野雄介は、熊本から高知大学に入学してきた少し粗野な感じのする男臭い人間である。  熊本弁で朴訥と話す姿はどこかしら、親しみを禁じざるを得なかった。そんな上野が入学後数か月もしないうちに、同棲を始めたと知った。  それほどきれいでもない下宿に彼を訪ねると、確かに同棲を

          虚構の青春 学生時代 後編

          虚構の青春 学生時代 全編

           夢にうなされて目が覚めた。実体のない不安が脳裏から離れない。まだ覚めやらぬ脳内はうすぼんやりと霞のかかったような朦朧とした状態が続いている。  「上野雄介」  40年も思い出しもしなかった友の名前が突然に思い出された。  それは実体を伴ったものではなく、ただただ、学生時代の思い出の断片として、まさに青春時代の亡霊の如くに現れた。  1970年代は、学生運動も下火になり、高度成長期から安定成長期へと日本経済は発展をつづけ、将来に何ら不安はないかのごとくに、日本中が沸き立って

          虚構の青春 学生時代 全編

          僕の夢物語4 幸運なる日々5(最終話)

           僕は、久しぶりにネクタイを締め、スーツに身を包み、真新しい3階立てのビルの一室にいた。  谷口吾一の会社である。  イヤ 今日からは僕の会社である    谷口との面談から1週間が経ち、何度かの電話とメールのやり取りの後、初めての出勤である。  電話とメールでのやり取りを通じ、僕のポジションや役割はすでに大まか決まっていた。僕にとっては望外の役職で有り、想像していなかった厚遇である。  谷口吾一がどうしてこれほど僕を買ってくれているのか僕は理解できないでいた。大学での先輩には

          僕の夢物語4 幸運なる日々5(最終話)

          僕の夢物語4 幸運なる日々4

           温泉に浸かり、眼下に広がる夢野湾を見下ろしながら、後輩の友野と谷口吾一を待っていた。  7時の約束だったが、久しぶりに夢野国際ホテルの温泉に浸かることにして、1時間ほど早く来て、このホテルの名物である夕景の海を見ていた。  約束の時間が近づいてきたので、温泉から上がり、2階の和室に向かう。  すでに、2人は到着しており、上座を開けて僕を待っていた。  「お待たせしました。」と僕が声をかけると 「忙しいところ時間を取ってもらいありがとうございます。」と谷口吾一が言葉を切り出し

          僕の夢物語4 幸運なる日々4

          僕の夢物語4 幸運なる日々3

           九州から帰って、毎週木曜日にやっている定例のテニス練習会に参加した。  今日初めて参加する人があると聞いていたが、その人の顔を見て驚いた。なんと、夢に現れた女神なのである。女神といってもよく似ているだけで、人間に他ならない。  雑談をしながら、僕は女神との遭遇に少なからず興奮していた。  テニスの技術はそれほどではないが、素直で好感の持てるテニススタイルだった。  彼女は、証券会社に勤務しているようで、この春の異動で夢野市に転勤してきたとのことだった。  株の売買に関する仕

          僕の夢物語4 幸運なる日々3

          僕の夢物語4 幸運なる日々2

           5月のゴールデンウィークを間近に控え、僕は、九州へ向かうフェーリーの船上の人となっていた。  4月も下旬になると暖かさから暑さを感じる季節になってくる。  船上では潮風が心地良く頬をなぜ髪は大きくなびいている。  四国から九州へ、段々に別府港につながる九州の山並みが近づいてくる。 九州に来るのは久しぶりである。  子どもが小さかったころ、阿蘇山の麓にある猿劇団に行ったり、スペースワールドやサンリオハーモニーランドなどの遊園地に行ったりしていた。  今回の目的は、福岡県の旧友

          僕の夢物語4 幸運なる日々2

          僕の夢物語4 幸福なる日々1

          はじめに  禍福は糾える縄の如し  人の世というのはいつも幸運というわけにはいかないようである  しかし、運のいい人と不幸な人がいる  強運を持った人の何とうらやましいことか  これまでの60年間、幸運な時もありはしたが、どれほど身の不幸を嘆いてきたことか  もう少し運が良くても良いんじゃないだろうかと自分の不幸を嘆くことも一度や二度ではなかった  もっともそれが人生というものだろう  人生は糾える縄の如し、悲喜交々なのである  ところがこの物語  幸運にあふれているの

          僕の夢物語4 幸福なる日々1

          僕の夢物語4 幸運なる日々                               いよいよ書き始めます

          僕の夢物語第4作は、幸運なる日々 女神の存在に僕の毎日は幸運の連続になる 幸運が続き、僕は満たされていく 経済的にも満たされ、さて僕は次に何を求めることになるのだろうか 飽くなき欲望の餓鬼になるのだろうか 有意なる人として世間の役に立とうとするのだろうか 今の僕にはわからない 書き進めていくことで、何かしら答えは見えてくるのだろう 僕の夢物語4 幸運なる日々 書き始めていこう 僕の夢物語4 幸運なる日々1

          僕の夢物語4 幸運なる日々                               いよいよ書き始めます

          僕の夢物語3 名人の系譜                                              あとがきに代えて 

           僕の夢物語3 名人の系譜は、退職を契機に書き始めた僕の夢物語のシリーズ3作目である。  ドリームメルヘンとは名ばかりに看板倒れというべきか、自分のイメージしているものとは随分に乖離している。  第1作がテニスプレーヤー、本作第3作目は将棋指しである。  どちらも僕の好きな趣味の話で有る。  残念ながら、現実世界では、どちらも僕は、上手くないし、強くない。  創作の中で、縦横無尽に活躍できれば、随分胸のすく思いで有ろうと思いながら、2作を書き上げたが、今のところ、それほどに

          僕の夢物語3 名人の系譜                                              あとがきに代えて 

          僕の夢物語3 名人の系譜(全編)

          第1話 プロローグ 大山十五世夢に現る  退職の日の夢に大山康晴十五世名人が現れた  「君は将棋指しになれ! 私が夢をかなえてやろう!」  変にリアルな夢であり、目覚めても大山十五世の幻影は消えなかった。  将棋のプロになるには、奨励会に入会し、厳しい昇級昇段争いを勝ち抜き、3段リーグを制してやっと4段になれるものである。  最近は、特例によるプロ試験などもあるが、簡単なものではない。安易にプロ棋士になれないのは、多少なりとも将棋に関心のある者には良く分かっていることであ

          有料
          100

          僕の夢物語3 名人の系譜(全編)

          僕の夢物語3 名人の系譜7(最終話)                                 第7話 夢の途中の棋王位

           いよいよ対局の日がやって来た。  舞台は整っている。  上座には、すでに藤棋王が正座し、僕の登場に軽く会釈して、お茶を口に含んだ。  先手は振り駒の結果、僕の先手に決まった。  初手76歩に、藤棋王は、少し考えた後、呼吸を整え、84歩と静かに駒を動かした。  定石型の振り飛車対居飛車で中盤まで互いに言い分を通しながら指し手が進んでいった。  昼食は、ホテル夢野渾身の地元食材を使った海鮮丼が提供された。  だるま夕日をコンセプトにウズラの卵を配置した様には思わず微笑んでしまっ

          僕の夢物語3 名人の系譜7(最終話)                                 第7話 夢の途中の棋王位