少年の国 第8話 パンチョッパリ
アボジも、ハンメも、子どものことだから学校へ行っていればすぐに朝鮮語も覚えるだろう、と考えていたようだ。ところがそんなに簡単にはいかない。第一に小学校は朝鮮語を教える所ではなく、朝鮮語で何かを教えるところなのだ。
当然ながら、授業を聞いても何も分からないし、教科書もまるで記号が書き連ねてあるようで、まったく読めない。生徒はもちろん先生も、僕にお構いなしに朝鮮語で話しつづける。アボジは「日本語を話せる先生もいるから」と言っていたが、「解放」後の反日感情が強いせいか、意図的に