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「コーチングハンドブック」 他者を支援されている全ての方へ:第1部 コーチングの基礎 第2章 コーチングのプロセス

NLPで最高の能力が目覚める コーチングハンドブック 知識と経験を最大化するセンスの磨き方 山崎 啓支 (著) を読み、私の感じたままを記載していきます。

今回は、第1部 コーチングの基礎 第2章 コーチングのプロセス です。

第2章 コーチングのプロセス

この章では、コーチングの基本的な方法や、プロセスについて述べられています。

最初に、コーチングと比較されるカウンセリングとの違いが書かれています。

次に、目標達成の全体像として、目標達成の4つのプロセス ①目標の明確化 ②現状の確認 ③課題の明確化 ④課題の克服 が記載されており、③課題の明確化 ④課題の克服 に関して、詳しく記載されています。

そして、この目標達成の4つのプロセスを実現する最もポビュラーなモデルの一つとして、GROWモデルが紹介されています。
GROWモデルは、「Goal(目標)」「Reality(現実)」「Option(選択肢)」「What, When, Who, Will」の頭文字を並べたものです。

この章は、比較的、方法論が書かれているところが多い印象です。
しかし、センスや環境に関する記載も多く、私がメモをしておきたいところを、以下に引用させていただきました。

・ コーチングは「目標達成のプロセスそのもの」に特徴があるのではなく、「目標達成のプロセス」の実践面で特徴があるということがわかるでしょう。(Page47)
主体性のある姿勢がある時に、初めて人間は最高の力を発揮できるのです。(Page47)
・ 実際に主体性を持てている人は少ないのです。その理由は、主体性を持つということの本当の意味を理解できていないからです。(Page47)
・ 現実(現状)を考えるのではなく、自由に目標を描くことから始める癖をつけるだけでも目標達成率は向上します。現状から考えると、普通の保守的なパータンに支配されがちになります。これが、人間が変化できない最大の理由のです。(Page55)
・「できない」ではなく「できないと信じている」のです。
「できないと信じている人」は「どうすればできるのか?」という焦点と空白を持つことができません。その結果、できるようになる方法が浮かばないのです。人間は、ネガティブな思い込みとともに考えるから、「どうすればできるのか?」という発想がないだけなのです。(Page57)
・ 「やれない・できない」と思っている人に必要なものは、「創造的な発想ができる環境」なのです。この環境に入れば、いつでも適切な選択肢に気づけるばかりか、桁違いの実行力が得られます。(中略) コーチングは本来この環境を活用できるようにする取り組みから生み出されたものなのです。(Page60)
「創造的な発想ができる環境」の作り方を理解できたなら、人間は変化するのに複雑な手法は必要ないということがわかるはずです。(Page60)
・ コーチングが機能するかどうかは、クライアントが深い意識状態になる環境をコーチが整えられるかどうかにかかっているのです。文字通りコーチにとってこれが最も重要な仕事になります。(Page67)
・ コーチが発する巧みな質問によって、クライアントは新鮮な気づきが得られます。ただしその質問は深く受け止められて初めてクライアントを変革する力となるのです。(Page67)

私が気がついたこと、実践していること

この章を読んで、あらためて、コーチングは、目標を明確にすることがら始めること、そして、クライアントにフォーカスを当て「創造的な発想ができる環境」を作り出すことの重要性を感じました。

読んで最初に気がついたところは、”コーチングでは、最大の能力を発揮できるようにするために課題を解決することを含みます”(Page46) という記載です。
コーチングでは、目標達成を主眼に置きますが、目標達成ではなく、目の前にある課題を解決することもするということです。
では、目の前にある課題に対して、どう目標設定をすればよいのでしょうか?
目標には、短期的なものや、長期的なものなど、いろいろなレベルがあります。
私は、目の前にある課題を、短期的な目標のもっと短い目標の一つと理解して、コーチングを行っています。
クライアントの方に、もし、その目の前の課題を解決したら、その先にどのような目標(短期的な目標)があるのかを、必ず、聞くようにして、単なる目の前の課題の解決で終わることのないようにしています。
また、クライアントが、その目の前の課題に対して、「よし、やってやろう」と思っているけど出来ないのか、ただ、動けなくなっているのかを、見極めてコーチングをすることをこころがけています。

”さらにこのプロセスでは、足りないものだけでなく、余分なものがないかも明らかにします。”(Page51) も重要です。
どうしても、目標達成というと、足りないものを加えるという発想になりがちです。
しかし、余分なものがあって、目標達成に向かうことを阻んでいることが多いと感じています。
よって、コーチングをする際には、得るもの、手放すもの両方を見て行くようにしています。
ブレーキを踏んでいることを知らずに、アクセルばかり踏んでも前には、なかなか前には進みません。
まずは、ブレーキを踏んでいることを知り、そのブレーキを緩めることをさせていただいております。
ただし、ブレーキを踏んでいることを、知らないことがほとんどですので、まずは、ブレーキを踏んでいることを知っていただくことが重要と考えています。

現実(現状)を考えるのではなく、目標を明確にすることから始めることも重要です。
コーチが、現実(現状)から初めてしまうのは、コーチが知りたいと思う気持ちがあり、コーチが、クライアントではなく、自分に意識が行っている状態です。
コーチの知りたい気持ちから、コーチが現実(現状)から初めてしまうと、クライアントが言い訳を始めてしまい、クライアントがますます保守的なパターンに支配され、変化することが難しくなります。
コーチが、クラアントに意識が行っていれば、自然とクライアントがどうなりたいかという目標の明確化から始めることができます。
また、クライアントにとっても、目標の明確化から始める方が、創造性を発揮することができるようになり、行動を支えるモチベーションとなります。
コーチをやっている時は、自分自身の意識がどこに行っているか、きちんと、クライアントに意識が行っているかを感じながら行っています。

この本の後半には、「創造的な発想ができる環境」「深い意識状態になれる環境」という2つの言葉が出てきます。
この2つの言葉が表したいことは一緒で、コーチングが機能するために、コーチが整えなければならない環境であり、コーチにとってもっとも重要な仕事と定義しています。
コーチは、クライアントと「創造的な発想ができる環境」、つまりは、安心安全なニュートラルな場を作れることが大事です。

この章では、GROWモデル質問例など、質問のスキルについていの記載がございます。
しかし、この本のこれ以降の章では、質問のスキルというより、その質問が、クライアントに深く受け入れられるような環境に多くのページを割き、説明されています。
”「卓越したコーチ」になるためには、センス(才能)の開花が欠かせない” がこの本の目指すところですが、まさに「創造的な発想ができる環境」をコーチが作ることできるようになることが、卓越したコーチになるためには必要であり、「創造的な発想ができる環境」を作るためのセンス(才能)を身につけることが、センス(才能)の開花だと教えています。

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