鉄板よりアツくステーキについて語る大学生
みなさんは「KENNEDY(ケネディ)」というステーキ屋をしっていますか?
都内近郊に住む方にとっては懐かしいかもしれません。
当時、都内で40店舗ぐらいまで広げ、2017年に全店舗を一斉閉店したのち破産したステーキのチェーン店で、印象深かったのが、とにかく半額券を配りまくるという所。
お店のあるエリアに住んでいるとポストに「KENNEDYの半額券」が必ずと言っていいほど入っています。この半額券、もっていくと全品50%OFFになるという、某通販番組も驚く内容になっていました。
ある日、アメトーークで「不動前芸人」というのがやっていて、そこで出演者の一人がこのKENNDYの話をしていて、それを見た友達が、「KENNEDYに行ってみたい!」となり、半額券を握りしめ、最寄りの「KENNEDY」にいくこととなりました。
人生初のKENNEDYへ
数日後、友達と僕の2人は、荻窪のKENNEDYに来ていました。
決してお店の雰囲気が悪いということはないのですが、そこまでお客は入っていませんでした。
覚えている限りだと客は僕らと、カップル1組と、男子大学生(と思われる)2人組ぐらいでした。
僕は、何かのステーキ、友達はケネディサラダを注文していました。
僕「(ステーキちゃうんかいッ!)」(結果、ケネディサラダはとても美味しかったです。)食べログでも絶賛されている方がいました。
そんな素敵すぎるケネディサラダと、普通のステーキが来るのをまっていると、大学生らしき2人組が何やら話しています。(お店に3組しかいないので、声が丸聞こえです)
熱い常連客、山岡が語る
大学生A(仮称:山岡)「富井、今日KENNEDY初めてだろ?おススメの注文とか教えてやるから安心しな」
大学生B(仮称:富井)「あ、ありがとう!」
山岡は、KENNEDY経験者で、初KENNEDYの富井を連れて、ここ荻窪店にやってきたようでした。山岡は、食に対するこだわりがとてもあるようでした。
スムーズにステーキを注文する山岡(素敵すぎるケネディサラダは頼んでなかったと思います)
そんな山岡に尊敬のまなざしを送る富井。
僕「(きっと二人は親友なんだろうなぁ)」とか思っていました。
そうこうしているうちに、山岡と富井のステーキが到着しました。
ご存知の方もいるかもしれませんが、KENNEDYのステーキは和牛を使っているわけではないので、それなりの歯ごたえのあるジューシーなしあがりとなっています。
そんなステーキを前にした山岡が富井に語り始めます。
山岡「俺はさ、柔らかい肉を否定するわけじゃないけどよ、やっぱステーキっていうのは、こういう歯ごたえのあるものが良いと思ってんのよ!」
山岡「だってよ、こういうのがやっぱり食ってる!って感じするじゃん!」
山岡「こういうのがアメリカのステーキ!って感じなんだよな!」
(といいつつ、なかなか肉を切れない山岡)
山岡は、出来立てのステーキのようにアツく富井に語る(お前はKENNEDYの創業者か・・・)。
山岡にとってステーキ is アメリカ、アメリカ is ステーキそう、きっとアメリカで食べたステーキの味を思い出しながらKENNEDYのステーキを食べていたのだろう。
僕「(さすがは常連客、早く俺らのも来ないかな、俺もアメリカも認めるステーキが食べたい!!)」
僕「あの大学生があんなに言うくらいやから楽しみやな!」
僕も山岡の熱にあてられて、少し興奮気味に友達に伝えた。
山岡の独演会が聞こえている友達もきっと同じ気持ちだろう!そう思って顔を見ると、友達は、少し興奮気味の僕の方ではなく、店内の壁に貼られている1枚のポスターを見つめていた。
そのポスターには以下の記載が
「当店はオージービーフを使用しています」
僕「(・・・・・オーストラリアやんけ!!)」
僕「(今お前が、アメリカの肉だと思って食ってる肉・・・オーストラリアの肉だぞ・・・)」
山岡「やっぱアメリカの肉はうめぇな!富井!」
僕「(いやだから・・・)」
もういい、山岡にとっては、オーストラリアもアメリカも外国というくくりで見たら同じだからOKということにしました。(アメリカの皆様、オーストラリアの皆様申し訳ありません)
実は、山岡もKENNEDY初めてなんじゃね?富井くんの見えるところにこのポスターあるけど大丈夫?とか思ったりしましたがそれもOKということにしました。
とりあえず、僕の山岡への想いは、食べ残したステーキと同じくらい冷めてしまいましたので。
そうこうしてるうちに僕たちの注文したメニューが到着。
ステーキの味は覚えていませんが、素敵すぎるケネディサラダを堪能(友達は、数年たった後も「KENNEDYはサラダが美味しかった」としか言いません。肉は?)
そして、僕らは50%off券で会計を済ませて帰りました。めでたしめでたし。
山岡から学んだ教訓:誰かをお店に連れていくときはちゃんと下調べしよう
読んでいただきありがとうございました。
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